Medianox_moon
DONE1話から12年後の現在が舞台になります。あんなに仲がよさそうだったレオーネの様子がおかしいですが、二人に何があったんでしょうね?霧の森のリゼロン 2「レオーネ様。準備は完了致しました」
窓の向こう、雨の降りしきる丘と、その先に広がる深い森を見つめていたレオーネはその声で我に返った。昔の優しい記憶も、今となっては苦い思い出にすぎない。甘い心地になった後には、それを全てかき消すほどフツフツとした怒りが湧いてくる。それをもう、十二年も胸にしまってきた。
それが今夜。清算されるのだ。
レオーネは深い溜息を吐いて、「わかった」と一言返し窓を離れた。繊細な刺繍の施されたコートを脱ぎながら歩き出すと、そばに一人のエルフが駆け寄りそれを受け取った。構わずにレオーネは屋敷の地下へ向かう為、長い廊下を進む。
怜悧な眼差しの、端正な顔立ちは美男子のそれだ。亜麻色の髪は男性にしてはやや長めではあったが、手入れをしているそれは丁寧に整えられていて優雅さが有る。社交界では何かと噂の尽きないフェルヴォーレ家の嫡男であるレオーネは、それに相応しく背筋の伸びた男らしい次期領主として育っていた。
3498窓の向こう、雨の降りしきる丘と、その先に広がる深い森を見つめていたレオーネはその声で我に返った。昔の優しい記憶も、今となっては苦い思い出にすぎない。甘い心地になった後には、それを全てかき消すほどフツフツとした怒りが湧いてくる。それをもう、十二年も胸にしまってきた。
それが今夜。清算されるのだ。
レオーネは深い溜息を吐いて、「わかった」と一言返し窓を離れた。繊細な刺繍の施されたコートを脱ぎながら歩き出すと、そばに一人のエルフが駆け寄りそれを受け取った。構わずにレオーネは屋敷の地下へ向かう為、長い廊下を進む。
怜悧な眼差しの、端正な顔立ちは美男子のそれだ。亜麻色の髪は男性にしてはやや長めではあったが、手入れをしているそれは丁寧に整えられていて優雅さが有る。社交界では何かと噂の尽きないフェルヴォーレ家の嫡男であるレオーネは、それに相応しく背筋の伸びた男らしい次期領主として育っていた。
Medianox_moon
DONE新作の人間×エルフな創作BLの1話です! こっから大人になった人間がわけあってエルフにえっちな尋問をする話になっていきます! 拘束とかお薬とかありますが全体的に愛はあります。世界線は「悲嘆の森に住まうもの」と同じです。霧の森のリゼロン 1 柔らかく撫でられて、レオーネは涙に濡れた瞼を開いた。酷い悪夢から解放されても、心がまだ恐怖に囚われている。震える手で目の前の温もりに縋りつけば、その胸に引き寄せられ、背中を、後頭部を優しく撫でられた。その心地良さに、先程までの夢ごと蕩けていきそうだ。
ぎゅ……っと抱き返し、額を擦り付けると花のように甘い香りが感じられて、気持ちが落ち着いてくる。
「良い子だ、レオーネ。ここにはそなたが恐れるものは、何一つ在らぬぞ。何一つ、だ」
柔らかな低音は、しかし優しく囁きかける。うん、と小さく頷いて、涙で濡れた瞼を拭った。顔を上げて見れば、いつもの優美な微笑みが見守ってくれている。
長い金の髪は繊細に煌めき、上等なシルクのようにしっとりと寝台の上に流れている。美しい顔は男のそれなのに、人間とは違って美術品のように整っていた。瞳は深く住んだ泉のような蒼にも、光に透けた森の翠のようにも見える不思議な色で、レオーネはいつもその優しい眼差しを見ると安心する。
2206ぎゅ……っと抱き返し、額を擦り付けると花のように甘い香りが感じられて、気持ちが落ち着いてくる。
「良い子だ、レオーネ。ここにはそなたが恐れるものは、何一つ在らぬぞ。何一つ、だ」
柔らかな低音は、しかし優しく囁きかける。うん、と小さく頷いて、涙で濡れた瞼を拭った。顔を上げて見れば、いつもの優美な微笑みが見守ってくれている。
長い金の髪は繊細に煌めき、上等なシルクのようにしっとりと寝台の上に流れている。美しい顔は男のそれなのに、人間とは違って美術品のように整っていた。瞳は深く住んだ泉のような蒼にも、光に透けた森の翠のようにも見える不思議な色で、レオーネはいつもその優しい眼差しを見ると安心する。