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    Medianox_moon

    @Medianox_moon

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    Medianox_moon

    MOURNING田中と宇津土とスキスギ君 っていうタイトルの、全くBLでもなんでもないコメディを書こうとしたものです。
    0 サラリーマンゾンビと神ベースとうっすい名刺 終わった。終わっちまった、何もかも。
     全てを失った……と言っても過言じゃない。俺はそう……一言で言って絶望に打ちひしがれ、孤独なサラリーマンゾンビのようにフラフラと歩いていたわけさ。
     街はすっかり日が暮れて、暗闇を街灯や店の照明が華やかに彩っている。道行く人は足早に駅へと向かう者と、逆にこれから夜を楽む者とでごった返していた。止まらない車の列は台風の日の河みたいに吸い込まれそう。そんな表通りは、サラリーマンゾンビと化した身には酷だ。
     そんなわけで、俺はその波から逃れるように、路地を曲がった。
     道が一本違うだけで随分静かになるもんだ。とはいっても、まだまだ繁華街の端。それなりに人は歩いていたし、暗い顔をして佇んでいる人影や、都会を生き抜く野良猫の姿も有る。通り一本挟んだ大通りの、人混みや車列がたてる音ははっきりと聞こえた。騒音だ。今の俺には、まごうことなき騒音。やけに大きく聞こえるから耳を塞ぎたくなったその時、俺の耳にボォン、と音が聞こえた。
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    DONE新作の人間×エルフな創作BLの1話です! こっから大人になった人間がわけあってエルフにえっちな尋問をする話になっていきます! 拘束とかお薬とかありますが全体的に愛はあります。世界線は「悲嘆の森に住まうもの」と同じです。
    霧の森のリゼロン 1 柔らかく撫でられて、レオーネは涙に濡れた瞼を開いた。酷い悪夢から解放されても、心がまだ恐怖に囚われている。震える手で目の前の温もりに縋りつけば、その胸に引き寄せられ、背中を、後頭部を優しく撫でられた。その心地良さに、先程までの夢ごと蕩けていきそうだ。
     ぎゅ……っと抱き返し、額を擦り付けると花のように甘い香りが感じられて、気持ちが落ち着いてくる。
    「良い子だ、レオーネ。ここにはそなたが恐れるものは、何一つ在らぬぞ。何一つ、だ」
     柔らかな低音は、しかし優しく囁きかける。うん、と小さく頷いて、涙で濡れた瞼を拭った。顔を上げて見れば、いつもの優美な微笑みが見守ってくれている。
     長い金の髪は繊細に煌めき、上等なシルクのようにしっとりと寝台の上に流れている。美しい顔は男のそれなのに、人間とは違って美術品のように整っていた。瞳は深く住んだ泉のような蒼にも、光に透けた森の翠のようにも見える不思議な色で、レオーネはいつもその優しい眼差しを見ると安心する。
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    DONE3章のはじまりです! ダメ男のソウジくんがやって来ました
    ワタクシが猫で、アナタがネコで 3話 そういうトコロヨ? その日はいつも通りの日常を過ごしていた。
     ユンユンはカナタに何を説明したのやら。いい猫友達ができてよかったね、と携帯端末にメッセージが入って、トウマは苦笑いすることになった。猫友達なんだか、猫の友達なんだか。
     ともかく、トウマは不思議なことにユンユンのことを少しも嫌にもならず、それまでと同じように撫で、ブラッシングし、ユンユンのほうも甘えてきた。たとえ前立腺開発をしてきたり、アダルトショップに連れ込まれても、ユンユンは世界で一番かわいい飼い猫なのだ。それは決して変わることが無かった。
     そしてトウマはこの奇妙な体験を、幻想小説家『時次』として最大限活かそうとした。
     拾った子猫が実は猫又で、主人に隠れて他の妖たちと協力して現代社会の平和を守るストーリーはどうだろう。ありきたりだが、その猫が変わった見た目、変わった経歴で、パソコンも使えるようなスーパーヒーローなのに、飼い主の前では猫に戻らなければいけないという制約を付ければ、スリルも出るかもしれない。女の子がいいだろうか。人間の姿の時に主人と出会ってしまって、恋愛関係になっていたりしたら面白いかもしれない。
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    DONE三白眼ガタイが良い系穏やかな文系男が、エセ中国人口調のエッチな猫又に尻を開発されるハートフルコメディになる予定です。情報量が多い。

    書いてる最中の下書きなので、後日変更有るかも知れません〜!
    ワタクシが猫で、アナタがネコで(仮) 1 トウマこと、時実燈真のこれまでは、少々不憫なものだったと言える。
     それなりの家庭に生まれ落ちた彼の何が不憫だったかと言うと、その容姿だ。決して悪いわけではないのだけれど、彼は人生で一度たりとも運動部に所属したことが無いのに、妙に骨格が良くてなにかと誤解を受けた。おまけによくみれば優しいのだがぱっと見では眼光鋭い三白眼であり、髪も暗い灰色がかっていることから、真っ当な人間ではなさそうに思われた。勿論こちらも誤解であり、トウマは幼い頃より読書を好み猫を愛する文系男子。非行に走るどころか反抗期もほとんど来なかった、非常に大人しい善人だ。
     ただ彼が、やはりその外見故に損をしてきたのは間違いない。子供の頃から実年齢よりかなり年を取って見られたし、買うべきものが見つからず店員に「すいません」と声をかけると身構えられる。母親について銀行に行ったら、何を勘違いしたか支店長が飛び出してきたこともある。おまけに大好きな猫にまで威嚇され逃げられ、これまでついぞ、猫を撫でる事さえできていなかったのだ。
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