mctk2kamo10
DOODLE今日話題に出したので命の終わりに愛が残れば 廃墟にまで標的たちを追い込んだと言うべきか、彼らが上手く逃れてきたと言うべきか。もう知ったことではないが、クローの構えたピストルを前に標的の最後の一人は怯えたように笑った。
口から飛び出る、醜くも美しい、定型文じみた懇願の声。どいつもこいつもおんなじことばっかりでつまんねえ、と口を尖らせたのはファングで、セブンは何も言わない。クローは「懇願する相手を間違えてるぜ」と眉をひそめた。そのままトリガーを引く。標的の体内に入り込んだそれは紅い花を咲かして命を奪うがクローは目を歪ませた。
「君の死神は僕じゃない。僕は死神の爪でしかないんだ」
ぼそりと呟いて、ぱっと振り返る。そのときにはもう微笑を湛えており、一部始終を見ていたファングもまた、さきほどのクローと同じように目を歪ませる。もちろんそれだけで終わるはずもなく舌打ちも。そして目を逸らした。
4154口から飛び出る、醜くも美しい、定型文じみた懇願の声。どいつもこいつもおんなじことばっかりでつまんねえ、と口を尖らせたのはファングで、セブンは何も言わない。クローは「懇願する相手を間違えてるぜ」と眉をひそめた。そのままトリガーを引く。標的の体内に入り込んだそれは紅い花を咲かして命を奪うがクローは目を歪ませた。
「君の死神は僕じゃない。僕は死神の爪でしかないんだ」
ぼそりと呟いて、ぱっと振り返る。そのときにはもう微笑を湛えており、一部始終を見ていたファングもまた、さきほどのクローと同じように目を歪ませる。もちろんそれだけで終わるはずもなく舌打ちも。そして目を逸らした。
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DOODLE1日1作再投稿お気に入りのセブクロ(道タケ)
バースデープレゼント 3 years ago
「お前たち、歳と誕生日は」
運転席の男はそう聞いておきながら、ハンバーガーにかぶりついた。その間に返事があるかと思ったのだろうか。残念ながら僕は到底答える気にはならない。A-7は溢れたソースを親指の腹で拭い、ちらりと助手席の僕を見た。
「食わないのか、それ。買ってやったのに」
「……、そうだな。『そっちの味が食べたくなっちゃったな。食べかけでいいから交換してくれる?』」
「ふ、俺に毒見をさせたな? 優秀で結構。A-30は」
「もう食った」
後部座席から丸めた包み紙が飛んできて、フロントガラスにぶち当たって落ちた。A-7は笑ってそれを拾い上げる。テイクアウトした時の紙袋に仕舞ってから、僕の手から未開封のハンバーガーを取り上げ、代わりに食べ掛けを。僕のものだったハンバーガーはほんの数口で食べきられた。
14393「お前たち、歳と誕生日は」
運転席の男はそう聞いておきながら、ハンバーガーにかぶりついた。その間に返事があるかと思ったのだろうか。残念ながら僕は到底答える気にはならない。A-7は溢れたソースを親指の腹で拭い、ちらりと助手席の僕を見た。
「食わないのか、それ。買ってやったのに」
「……、そうだな。『そっちの味が食べたくなっちゃったな。食べかけでいいから交換してくれる?』」
「ふ、俺に毒見をさせたな? 優秀で結構。A-30は」
「もう食った」
後部座席から丸めた包み紙が飛んできて、フロントガラスにぶち当たって落ちた。A-7は笑ってそれを拾い上げる。テイクアウトした時の紙袋に仕舞ってから、僕の手から未開封のハンバーガーを取り上げ、代わりに食べ掛けを。僕のものだったハンバーガーはほんの数口で食べきられた。