かわな
PROGRESS7月新刊。リュウイケ進捗リュウイケ「映画を観たいって言ったの、君だったよね?」
映画のエンドロールが終わり、たっぷりと余韻を味わったらしいイケルさんが面倒くさそうに言った。立ちあがり、入り口の横にある室内灯のスイッチを指先でぱちんとはじいたあと、「コーヒー淹れるけど、飲む?」と尋ねられ、ソファにのしかかるように振り返った俺は「イケルさんのコーヒー、おれっち好きっス」と答えた。
「それ、答えになってない」
明るくなった部屋がまぶしかったのか、イケルさんの目が細く横に伸びた。嫌そうな顔がかわいくて、俺の声は分かりやすく弾む。
「飲むッスよ。もちろん。愛情いっぱい込めてくださいね。イケルさん」
「ただのインスタントなんだから、込め方が僕には分からないな」
2284映画のエンドロールが終わり、たっぷりと余韻を味わったらしいイケルさんが面倒くさそうに言った。立ちあがり、入り口の横にある室内灯のスイッチを指先でぱちんとはじいたあと、「コーヒー淹れるけど、飲む?」と尋ねられ、ソファにのしかかるように振り返った俺は「イケルさんのコーヒー、おれっち好きっス」と答えた。
「それ、答えになってない」
明るくなった部屋がまぶしかったのか、イケルさんの目が細く横に伸びた。嫌そうな顔がかわいくて、俺の声は分かりやすく弾む。
「飲むッスよ。もちろん。愛情いっぱい込めてくださいね。イケルさん」
「ただのインスタントなんだから、込め方が僕には分からないな」