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    かわな

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    かわな

    DONE付き合っているガスウィルがクリスマスケーキを食べる話。幼少ねつ造あります
    サンタクロースのゆくえ少し遅くなったけど、クリスマスケーキを買ったんだ。一緒に食べようぜ。
    そう言ってガストが持ってきたケーキをみたとき、不意に幼かったときのことを思い出した。赤と白で出来たサンタクロースの砂糖菓子が、雪のようにふわふわの生クリームの上にちょこんと座り、ウィルに優しくほほえんでいる。
    「サンタさんだ。どうしたんだ、これ?」
    ウィルが尋ねると、ガストはいたずらが成功した子どもみたいな顔でにっこりと笑った。



    小さかったころ、毎年クリスマスパーティーをした。家は花屋を営んでいるからクリスマスはいつも忙しかったけれど、クリスマスとニューイヤーのあいだ、ほんの少しの時間ができる日があって、その日がスプラウト家のクリスマスだったのだ。街はあっというまにクリスマスの衣装を脱ぎ捨ててニューイヤーの装いに変わりつつあるけれど、スプラウト家のリビングにだけはまだクリスマスがとどまってくれている。クリスマスツリーとリース。妹二人と一緒に世話をした真っ赤なポインセチア。ウィルはいつもリビングに入ると一気にわくわくした。クリスマスというのは、そんな不思議な力を持っていると本当に思っていたのだ。
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    かわな

    DONEシャムウィル。10章あと
    夢の種は芽吹かないこぢんまりしてるけど、信じられないぐらいきれいで、あったかい家に住んでいる。ドアは温かみのある木でできていて、玄関にはガーベラって花がでっけえ植木鉢に植えられて飾られている。どういった経緯かは分かんねーけど、教えてもらったんだと思う。知りたいなんて思わねーし、調べようなんて絶対に考えないから、たぶんそう。そして、そういうことを平気でするのはオレの中には一人しかいないから困る。それを嫌だと思わないことも。
    「おかえり。手、洗ったか?」
    「まだ。洗面台に行くのめんどうだからそこ使わせろ」
    「えー。またか? 仕方ないなぁ。今日だけだぞ」
    玄関からまっすぐに歩けばリビングがある。広くはないから、ドアを開けばキッチンもみえる。そこには黄色っぽい電気がくっついていて、部屋をまるで作り物みたいに温かくみせる。そして、いつも同じヤツが立っている。幼いころの記憶にある顔つきよりも、すこし精悍さがあるかもしれない。振り返ったソイツは、今日だけだぞって言いはするけど、怒っているわけじゃねえから明日同じことを言ったとしてもたぶん同じような表情で「仕方ないなぁ」って言うんだと思う。
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