kudouhikaru
DONE140文字SSのお題ったーhttps://shindanmaker.com/587150さんからお題をお借りしました。フシギダネがパートナーの世界線のレッドさんなレサカです。
冒頭の短歌も書いたので実質2話書いた。
どこにもいかないで吾の元へ 帰りますよう 祈りつつ おまじないにと 蛙を託す
詠み人知らず
くい、と呼び止めるように上衣の裾を背後から引っ張られた。サカキの気を引こうと幼い頃、シルバーもそうしていたなと思い出し、振り返るとそこにはレッドが居た。
「ん」
メッソン柄のマスキングテープが、斜めに貼られた包み紙を、彼はサカキの胸元に突き出した。ぐいぐいと押し付けてくる様子から察するに、サカキに渡す物らしい。相変わらず、肝心な時には言葉数の少ない男だと、サカキはそれを受け取った。サカキが受け取ったので、レッドの顔つきがようやく柔らぐ。
「何なんだ、これは」
マスキングテープをゆっくりと剥がしながら、サカキは彼に訊いた。包み紙を筒状にして中身を確かめると、ポリゴンフォン用の根付けらしい。蓮の葉にメッソンがちょこんと腰掛けているチャームがあしらわれていた。
1282詠み人知らず
くい、と呼び止めるように上衣の裾を背後から引っ張られた。サカキの気を引こうと幼い頃、シルバーもそうしていたなと思い出し、振り返るとそこにはレッドが居た。
「ん」
メッソン柄のマスキングテープが、斜めに貼られた包み紙を、彼はサカキの胸元に突き出した。ぐいぐいと押し付けてくる様子から察するに、サカキに渡す物らしい。相変わらず、肝心な時には言葉数の少ない男だと、サカキはそれを受け取った。サカキが受け取ったので、レッドの顔つきがようやく柔らぐ。
「何なんだ、これは」
マスキングテープをゆっくりと剥がしながら、サカキは彼に訊いた。包み紙を筒状にして中身を確かめると、ポリゴンフォン用の根付けらしい。蓮の葉にメッソンがちょこんと腰掛けているチャームがあしらわれていた。
kudouhikaru
DONESSリハビリ兼ねたパシオいつもの長編っぽいレサカ。お題は気が向いたら書くったーさんからお借りしました。
https://shindanmaker.com/255750
0から100まで全部君 最近、パシオが騒がしい。
パシオで事件が起きると、大人達から頼られ、駆り出されているのは新米トレーナーのケイだ。そんな様子を、かつての自分を見るように懐かしく眺め、レッドは帽子を深く被り直した。
「流石に、この件にサカキは絡んでないんじゃないか?」
帽子のツバの下で、辺りを警戒するレッドの視線に気付いたのは、幼馴染みのグリーンだ。
「うん、でも」
レッドは頭を振って、言葉を続ける。
「パシオで起きる事件の中心は、いつもサカキだから」
ああそうかよ、と呆れたようにグリーンが肩を竦めた。お熱いこって、という呟きは、聞かなかったことにして。
(了)
286パシオで事件が起きると、大人達から頼られ、駆り出されているのは新米トレーナーのケイだ。そんな様子を、かつての自分を見るように懐かしく眺め、レッドは帽子を深く被り直した。
「流石に、この件にサカキは絡んでないんじゃないか?」
帽子のツバの下で、辺りを警戒するレッドの視線に気付いたのは、幼馴染みのグリーンだ。
「うん、でも」
レッドは頭を振って、言葉を続ける。
「パシオで起きる事件の中心は、いつもサカキだから」
ああそうかよ、と呆れたようにグリーンが肩を竦めた。お熱いこって、という呟きは、聞かなかったことにして。
(了)
kudouhikaru
DONEハロウィンサロンネタレサカ、文字版です。お好きな方でお読みください~~。
お題は140字で書くお題ったー
https://shindanmaker.com/587150さんからお借りしました。
怒るけど、嫌わないから大丈夫 ゲンガーのフードポンチョを身に纏い、右腕に小型バスケットを提げた子供が、パシオのポケモンセンターサロンにて、一節踊るように、踵でくるりとサカキの前で踊ってみせた。
「トリックオアトリート」
サカキの目の前で踊りを舞うような子供の心当たりなど、息子であるシルバーや、このパシオで顔馴染みになったケイ、百歩譲ってリーフくらいの者だったが、意外なことにそれはレッドだった。サカキはその事に驚いて瞬きをしたものの、ああ、この子供も年相応にハロウィンという祭りに興じたりするのかと、どこか内心で安心をする自分もいる。
「存在事態がトリックでトリートな奴が言うのか?」
が、それを悟られぬように、サカキは一つため息をついた。
982「トリックオアトリート」
サカキの目の前で踊りを舞うような子供の心当たりなど、息子であるシルバーや、このパシオで顔馴染みになったケイ、百歩譲ってリーフくらいの者だったが、意外なことにそれはレッドだった。サカキはその事に驚いて瞬きをしたものの、ああ、この子供も年相応にハロウィンという祭りに興じたりするのかと、どこか内心で安心をする自分もいる。
「存在事態がトリックでトリートな奴が言うのか?」
が、それを悟られぬように、サカキは一つため息をついた。