うすきみ
DONE術式が使える本屋の店員と七海建人の話「すみません。この本を探しているのですが」
午後の店が落ち着いた時間。
棚の整理をしていると低い声に問われた。
営業スマイルを顔に貼り付けて振り返るとそこには噂の王子が立っていた。
「はい。こちらです」
私は彼の前を歩き、お目当ての本のところまで案内する。
一冊の本を棚から出し「こちらでよろしいですか?」と聞くと、少し口角を上げて「ありがとうございます」と嬉しそうにしていた。
彼は良く見るお客様だ。
いつもベージュのスーツに変な柄のネクタイと変なサングラスをしている。
金髪に高い身長、日本人離れした顔で気にしてなくとも覚えていた。
レジで対応した同僚は「対応がマジ紳士。マジ神。マジ王子」と興奮して語彙力を無くしていた。
4140午後の店が落ち着いた時間。
棚の整理をしていると低い声に問われた。
営業スマイルを顔に貼り付けて振り返るとそこには噂の王子が立っていた。
「はい。こちらです」
私は彼の前を歩き、お目当ての本のところまで案内する。
一冊の本を棚から出し「こちらでよろしいですか?」と聞くと、少し口角を上げて「ありがとうございます」と嬉しそうにしていた。
彼は良く見るお客様だ。
いつもベージュのスーツに変な柄のネクタイと変なサングラスをしている。
金髪に高い身長、日本人離れした顔で気にしてなくとも覚えていた。
レジで対応した同僚は「対応がマジ紳士。マジ神。マジ王子」と興奮して語彙力を無くしていた。
うすきみ
DONE心の声が聞こえる呪いにかかった七海の話しくじった……。
その日は七海と一級数体の討伐任務にあたっていた。
順調に討伐は進み、最後の一体にトドメを指した時、ニヤリと笑った呪霊に呪いをかけられた。
が、特に身体の異常はなく、とりあえず高専へ帰ることにし、車に乗った。
「本当に大丈夫ですか?」
七海は、独特のサングラスを直しながら言った。
「うん。特に何も」
『この人はすぐに無理をするから、注意しておかなければ』
「は?」
「え?なんですか?」
「え?」
『やはり呪いで……』
「いや、異常は特には……」
「は?」
「え?」
『もしかして、思ってる事が口に出ていたか……』
「ん?」
七海の声がふたつ聞こえる……?
もしや……心の声が聞こえてる……?
でも、運転席にいる伊地知くんの声は聞こえない……。
3086その日は七海と一級数体の討伐任務にあたっていた。
順調に討伐は進み、最後の一体にトドメを指した時、ニヤリと笑った呪霊に呪いをかけられた。
が、特に身体の異常はなく、とりあえず高専へ帰ることにし、車に乗った。
「本当に大丈夫ですか?」
七海は、独特のサングラスを直しながら言った。
「うん。特に何も」
『この人はすぐに無理をするから、注意しておかなければ』
「は?」
「え?なんですか?」
「え?」
『やはり呪いで……』
「いや、異常は特には……」
「は?」
「え?」
『もしかして、思ってる事が口に出ていたか……』
「ん?」
七海の声がふたつ聞こえる……?
もしや……心の声が聞こえてる……?
でも、運転席にいる伊地知くんの声は聞こえない……。