Maririna65
DONE久しぶりの不穏シリーズです。不穏シリーズ_〜主役は監督生さん?〜三味の話
「なあ!監督生!なんか怖い話してくれよ!」
シトシト雨が降る自習時間、スカラビア生のクラスメイトが監督生に声を掛けた。
課題を解くのに忙しい生徒達はどうせ断られるだろうと静観していた。
監督生はこの手の話を決してしない。曖昧に微笑んで黙殺するのだ。
だが、この日は少し違った。
「……ふぅん……そう、ね。こんな話は如何?」
甘やかに蕩ける声がクラス中に響いた瞬間、誰もが手を止め心を奪われた。
——昔々、という程昔ではない時代の話。
大きな変革があったの。貴族の位が金で売り買いされるようになった。貴族といえどそれまでの様に安穏としていれば生活出来る、そんな時代が終わったの。
ある貴族の娘もそんな時代の激流に飲まれた一人だった。
3247「なあ!監督生!なんか怖い話してくれよ!」
シトシト雨が降る自習時間、スカラビア生のクラスメイトが監督生に声を掛けた。
課題を解くのに忙しい生徒達はどうせ断られるだろうと静観していた。
監督生はこの手の話を決してしない。曖昧に微笑んで黙殺するのだ。
だが、この日は少し違った。
「……ふぅん……そう、ね。こんな話は如何?」
甘やかに蕩ける声がクラス中に響いた瞬間、誰もが手を止め心を奪われた。
——昔々、という程昔ではない時代の話。
大きな変革があったの。貴族の位が金で売り買いされるようになった。貴族といえどそれまでの様に安穏としていれば生活出来る、そんな時代が終わったの。
ある貴族の娘もそんな時代の激流に飲まれた一人だった。
Maririna65
MENU不穏シリーズ没案
貴婦人と御令嬢(没) オンボロ寮に新しい住人がやって来た。痩せっぽっちの子供と品のない魔獣。
彼らは2階の一室を最低限片付けて住み始めた。無断で住み始めたなら脅かして追い出そうという意見が多かったが彼らは仮にもこの学園の長からここに住むようにと手配されて来たのだ。
ゴースト達との会話を盗み聞けば、あの子供は別の世界から来たらしい。
これには怪異一同驚いた。
更に子供は記憶の欠落も目立ち、身体も痩せ細りあまりいい状態ではないという。
これを聞いて真っ黒が同情した。真っ黒は弱い者を庇護する性格だ。それに釣られてか手も子供を住まわせる位はいいのでは?と言い出した。
意見は割れ、怪異達は騒がしく言い合った。
パンっ
オンボロ寮の主人である黒衣の貴婦人が手を叩いた音だった。
3861彼らは2階の一室を最低限片付けて住み始めた。無断で住み始めたなら脅かして追い出そうという意見が多かったが彼らは仮にもこの学園の長からここに住むようにと手配されて来たのだ。
ゴースト達との会話を盗み聞けば、あの子供は別の世界から来たらしい。
これには怪異一同驚いた。
更に子供は記憶の欠落も目立ち、身体も痩せ細りあまりいい状態ではないという。
これを聞いて真っ黒が同情した。真っ黒は弱い者を庇護する性格だ。それに釣られてか手も子供を住まわせる位はいいのでは?と言い出した。
意見は割れ、怪異達は騒がしく言い合った。
パンっ
オンボロ寮の主人である黒衣の貴婦人が手を叩いた音だった。