fuki_yagen
DONEどこにも入れてなかったな〜と思って後半付け足して9月に出す予定のWEB再録本にいれるかもしれない
嘘短文 ヌーヌーと泣いている声を頼りに路地を巡り、ようやく目当ての場所へと行き着いてロナルドは溜息を吐いた。しゃがみ込み、アルマジロを撫でて壁際に崩れていた灰をざらりと掴む。
「おい、なに死んでんだ。ジョンが泣いてんじゃねえか。勝手に俺じゃないやつに殺されてんじゃねえよ」
「いつも君が私たちをおいていくくせに、随分なご挨拶だな。大体私の心臓は君が持ち歩いてるんだぞ。心臓が近くになければ復活できないと言っただろ」
「言われてねえな」
あれ、そうだっけ、と惚けた砂がさらりと崩れ蠢き、ロナルドは帽子のつばの下でほっと安堵の息を吐いた。見下ろす先の塵と使い魔からは丸見えだろう。ロナルドは顰めっ面をして帽子を引き下げ、立ち上がる。
1051「おい、なに死んでんだ。ジョンが泣いてんじゃねえか。勝手に俺じゃないやつに殺されてんじゃねえよ」
「いつも君が私たちをおいていくくせに、随分なご挨拶だな。大体私の心臓は君が持ち歩いてるんだぞ。心臓が近くになければ復活できないと言っただろ」
「言われてねえな」
あれ、そうだっけ、と惚けた砂がさらりと崩れ蠢き、ロナルドは帽子のつばの下でほっと安堵の息を吐いた。見下ろす先の塵と使い魔からは丸見えだろう。ロナルドは顰めっ面をして帽子を引き下げ、立ち上がる。