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    fuki_yagen

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    POIPOI 22

    fuki_yagen

    PROGRESS7/30の新刊の冒頭です。前に準備号として出した部分だけなのでイベント前にはまた別にサンプルが出せたらいいなと思うけどわかんない…時間があるかによる…。
    取り敢えず応援してくれるとうれしいです。
    つるみか準備号だった部分 とんとんと床暖房の張り巡らされた温かな階段を素足で踏んで降りてくると、のんびりとした鼻歌が聞こえた。いい匂いが漂う、というほどではないが、玉ねぎやスパイスの香りがする。
     鶴丸は階段を降りきり、リビングと一続きになった対面式キッチンをひょいを覗いた。ボウルの中に手を入れて、恋刀が何かを捏ねている。
    「何作ってるんだい? 肉種?」
    「ハンバーグだぞ。大侵寇のあとしばらく出陣も止められて暇だっただろう。あのとき燭台切にな、教えてもらった」
    「きみ、和食ならいくつかレパートリーがあるだろう。わざわざ洋食を? そんなに好んでいたか?」
    「美味いものならなんでも好きだ。それにな、」
     三日月は調理用の使い捨て手袋をぴちりと嵌めた手をテレビドラマで見た執刀医のように示してなんだか得意げな顔をした。さらさらと落ちてくる長い横髪は、乱にもらったという可愛らしい髪留めで止めてある。淡い水色のリボンの形をした、きっと乱とお揃いなのだろうな、と察せられる代物だ。
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    fuki_yagen

    DONE読み切り世界のドちゃんと本編世界のロくんが入れ替わっちゃったよというはなし。ロナドラです。
    コウモリピンの帽子「おい、『俺』。先に突っ込んで統率乱してこい」
    「あんたが斬り込んだ方がよくね?」
    「斧あるだろ」
     預けられている刃に銀を被せた手斧を片手に、ロナルドは鼻を鳴らして軽く素振りをした。ぶん、と程良い重さの掛かる音がする。
    「んーじゃ、いってくるわ」
    「親玉は任せろ」
    「頼むぜ」
     伏せていた身を起こすと同時にとんとコンクリートの縁を蹴り、暗渠へと飛び降りがてら群れていた巨大化した吸血ヒルを何体か踏み潰し目の前にばしゃりと頭を上げた一体を斧で絶つ。やすやすと塵にはなるが、なにせ数が多い。まるでみみず玉かボラの群だ。
     集合体ダメなひととか竦むだろうな、あいつは怖がって死にそうだ、と今ここにはいない同居人のことを考えてちょっと笑い、ロナルドは次々と浅い水の中を蠢いているヒルを塵にした。頭上から差し込む光は限られているが、上で戦況を見ているもう一人の自分が的確にライトで次に攻撃態勢を取ろうとする個体のほうを照らしてくれる。器用なもんだな、と考えながら、ロナルドは斧を振りつつ片手を差し出した。過たず掌に当たったライトを受け取り、前歯で噛んで咥える。
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