Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    #地獄堕ち婚約千ゲン作品

    mame

    DONE地獄に堕ちた千ゲンのはなし。
    ※超happyな話のつもりですが、なんでも許せる人向け
    ※地獄に堕ちたあとの話なので死後の話
    ※他のキャラの名前も出てきます
    #地獄堕ち婚約千ゲン作品
    どうやら本当に地獄というものは存在したらしい。
     覆い茂った木々の隙間を縫うようにして見えるのはおどろおどろしい色の空。足元は舗装されていない荒れた土。なんだか見たことのない植物がやたらと生えている。調べたい気持ちをぐっと抑え込み、千空は前を見据えた。一応道らしい道はあるし、道の先に川や橋みたいなのも見えるし、おそらくその先にどでかい御殿みたいのもある。とりあえずあそこに行くべきだなと千空は頭を少しだけかいて、ゆっくりとした足取りで歩きはじめた。刹那。

    「えっ!? 早くない!?」

     横からいやに聞き慣れた声がして、千空は俯き気味にハッと鼻で笑う。感動の再会、みたいなのは自分たちには無理だったようだが、それでも再会することは叶ったらしい。そんなことを考えながら、千空は腰に手を当て、声のした方をみやる。そこには道端でしゃがみこみ、手を泥まみれにしながら何か木の枠で成型しているゲンの姿があった。鍬やスコップなどがあり、ゲンの周りには雑草がないことから土まみれのゲンが整地したのだろうことが想像できた。
     へにゃりと眉尻を下げ、ゲンが立ち上がって肩を落とした。感動とまでは言わないからちょっと 5274