shirotsume
PROGRESS天てる「突然始まるラブロマンス」序章序章俺はイケメンが嫌いだ。
イケメンなんて滅びてしまえばいいと常日頃から思っている。だって顔が居言ってだけでモテるし、女の子からもチヤホヤされるし……。もちろんそんなこと思っていても口に出しては言えない。何故なら不幸なことに俺の周りにいる連中はみんな顔がいいからだ。
なんで俺だけ?
いや俺だって別にブサイクではないと思う。
中の下。いや。下の中かもしれないけど。まあそれなりには見える顔なはずだ。
だけど世の中、凡人には厳しい。
下駄箱に手紙が入っていたことなんて一度もないし(ちなみに幼馴染みの下駄箱には何とか入っていたのを目撃している)ナンパしても「キモい」の一言で終わりだ。
ハアッとため息を零す。
折角の夏休みだというのにデートをする予定もなければ相手もいない。せいぜい姉に付き合わされて出かけるくらいだ。
元々、俺はアウトドア派じゃないし。超インドアだし。本当はクーラーの効いた涼しい部屋の中でゲームのイベントを走るのに忙しい時期なのに……。
知ってる? 昨日から夏のイベントが始まったんだよ?
水着だよ? 推しの水着!
いいから没頭させてよ!
しかし俺の 1894