はるしき
TRAINING落涙(フウモク)自主練。
『モクマが泣いている姿を一度も見たことがないので、いつか俺が原因になって泣けばいいのにとちょっと思うフウガ』
#お題ガチャ #攻めが片想い気味ガチャ
また、モクマは逃げた。
どこへ逃げた、など探す気も失せた。
駒共は私に媚び諂い、モクマなど弱虫だ、モクマは逃げ足だけは速い、など姦しい。
モクマは私に背を向けること無く、いつも忽然と、その場に初めから居なかったように、消える。
それがやけに腹立たしい。
奴は私の姿を察した瞬間、消える。
なんといじらしいことか。あぁ、憎い。貴様が憎い。
捕まえようにも消えてしまう貴様が、憎い。
モクマ。
モクマ。
モクマ。
いずれ貴様をこの手で捕まえて。
傅かせ。
フウガ様、と呼ばせ。
その目に涙を流させ。
忠誠を誓わせてやる。
私や駒共に何をされても泣かずに逃げるお前を。
この手で、私が、必ず!
「……」
大樹の上に、モクマは一人。
その木は大きく枝を伸ばし、モクマをすっぽり自らの内に取り込んでしまう。
426どこへ逃げた、など探す気も失せた。
駒共は私に媚び諂い、モクマなど弱虫だ、モクマは逃げ足だけは速い、など姦しい。
モクマは私に背を向けること無く、いつも忽然と、その場に初めから居なかったように、消える。
それがやけに腹立たしい。
奴は私の姿を察した瞬間、消える。
なんといじらしいことか。あぁ、憎い。貴様が憎い。
捕まえようにも消えてしまう貴様が、憎い。
モクマ。
モクマ。
モクマ。
いずれ貴様をこの手で捕まえて。
傅かせ。
フウガ様、と呼ばせ。
その目に涙を流させ。
忠誠を誓わせてやる。
私や駒共に何をされても泣かずに逃げるお前を。
この手で、私が、必ず!
「……」
大樹の上に、モクマは一人。
その木は大きく枝を伸ばし、モクマをすっぽり自らの内に取り込んでしまう。
はるしき
TRAINING慟哭フウモクというかフウ→モク
フウ独白
『フウガがはじめて抱えた悩みはモクマが全然振り向いてくれないことだ』
#お題ガチャ #攻めが片想い気味ガチャ
お前はいつもそうだった。
一度だって私を正面から見たことがない。
お前はいつもそうだった。
一度だって私が欲しい言葉を発しない。
お前はいつもそうだった。
一度だって私に笑顔を向けたことがない。
お前はいつもそうだった。
お前は、お前は、お前は。
お前は、お前は、お前は。
「モクマ」
その名を口にすると、心の臓が千切れるほど痛む。
「モクマ」
その名を口にすると、目頭がきつく痛む。
「モクマ」
その名を口にすると、全身から汗が吹き出す。
「モクマ」
何故、お前は私を見ない。
何故、お前は笑わない。
何故、お前は私から遠ざかる。
何故、お前は。
「モクマ……」
この痛みはなんだ。
この苦しみはなんだ。
この熱さはなんだ。
この煩わしさはなんだ。
419一度だって私を正面から見たことがない。
お前はいつもそうだった。
一度だって私が欲しい言葉を発しない。
お前はいつもそうだった。
一度だって私に笑顔を向けたことがない。
お前はいつもそうだった。
お前は、お前は、お前は。
お前は、お前は、お前は。
「モクマ」
その名を口にすると、心の臓が千切れるほど痛む。
「モクマ」
その名を口にすると、目頭がきつく痛む。
「モクマ」
その名を口にすると、全身から汗が吹き出す。
「モクマ」
何故、お前は私を見ない。
何故、お前は笑わない。
何故、お前は私から遠ざかる。
何故、お前は。
「モクマ……」
この痛みはなんだ。
この苦しみはなんだ。
この熱さはなんだ。
この煩わしさはなんだ。