うたこ
DONEにーちぇさん(@chocogl_n)主催の黒ウィズ合同小説本に載せていただいたものです。企画で執筆したため、公式設定やストーリーに準じた内容で書いています。
BONOのシリス君を中心に書きました。
Day by Day 誰かの気配があるとシリスは眠ることが出来ない。
理由もわかっているのに、騎士団長になった今もそれは変わっていない。
「リュオンさんの磔剣を受け継いだっていうのに、ざまあないですね」
朝目が覚めて、誰も居ないことに安堵の息をついてから、一人きりの部屋でそう呟いて、自分自身に呆れたように笑う。無防備になる時に誰かがいると不安になるのだ。近くに居るのが仲間でも。信用していないわけじゃないのに。情けない。
いつから誰かの側で眠ることができなくなったのか、はっきりしている。あの男の犬になった時からだ。もう幼い頃のように恐怖と辱めを受けて泣き叫ぶことはない。あの男はもう居ない。原因は取り除かれている。全て終わっているのに……ずっと胸の内に澱のように不安が貯まって揺らめいている。もしも、万が一、たった今、あの男が蘇って目の前に現れたとしてもシリスが負けることだってありえないのに。
9381理由もわかっているのに、騎士団長になった今もそれは変わっていない。
「リュオンさんの磔剣を受け継いだっていうのに、ざまあないですね」
朝目が覚めて、誰も居ないことに安堵の息をついてから、一人きりの部屋でそう呟いて、自分自身に呆れたように笑う。無防備になる時に誰かがいると不安になるのだ。近くに居るのが仲間でも。信用していないわけじゃないのに。情けない。
いつから誰かの側で眠ることができなくなったのか、はっきりしている。あの男の犬になった時からだ。もう幼い頃のように恐怖と辱めを受けて泣き叫ぶことはない。あの男はもう居ない。原因は取り除かれている。全て終わっているのに……ずっと胸の内に澱のように不安が貯まって揺らめいている。もしも、万が一、たった今、あの男が蘇って目の前に現れたとしてもシリスが負けることだってありえないのに。