夏色ソーダ晴天の昼下がりは、容赦なく、太陽の光が地面を焼く。日中で、一番気温が高くなるこの時間は、まさにうだる暑さで、まさに炎天下と呼ぶに相応しい。
外では、蝉がこれでもかと鳴いている。
夏だ。
紛う事なき、夏。
少しばかり本丸が静かなのは、この時間、短刀達の多くは昼寝をしていて、外作業の内番も休憩時間になっているからだ。
うだる暑さの中、自室の卓袱台に凭れ、涼しげな蒼の瞳がじっと見詰めるのは、一本の瓶だ。
水色のような。
緑色のような。
二つを織り交ぜたようなそれは、昨日出掛けて夜店で買った、ラムネの瓶だ。
結露に濡れた、夏色の瓶はどこか涼やか。
摘まんだように窪んだそこには、ガラス玉。
幾つもの気泡が、瓶の中で立ち上り、しゅわしゅわ、ぱちぱちと弾ける。
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