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    もちこの本棚📖

    @zunnda_motico

    Twitter(X)で投稿したものをこちらにも上げています✍️
    現在GW:T(K暁とCPなしメイン、たまに暁K、)作品になります
    (アイコンはいかてんころもさん(@Ikaten_koromo)作です☺️ありがとうございます☺️)

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    8月のK暁デー、お題『おやすみ』で書かせていただきました!
    こちらはいつもの幽霊シリーズの短編になります、いつものやつです( ˇωˇ )

    #K暁
    #毎月25日はK暁デー

    お題『おやすみ』「おやすみ、KK」
    『おう、おやすみ』
    眠ることがない幽霊となった相棒に対しても、暁人は必ず「おやすみ」と声をかけることにしていた。
    それにこだわりがあるのをKKも何となく察していてKKも必ず「おやすみ」と返した。
    眠りについた暁人を見守りながら、KKは夜が明けるのを待つ。暁人が悪夢に魘されればその原因を断つために夢に入り込むが、何も起きないに越したことはない。
    人の姿をとり、暁人の横に寝転がるようにする。長い睫毛に健康的な肌、血色の良い唇をまじまじと眺める。一通り眺めたあとは半透明の手を暁人の頬にそっと添える。
    『…こんな綺麗な顔してんだ。オレが戻ってこなかったら、今頃奥さんも子供もいたんだろうな』
    暁人が聞いたら怒りそうなことを呟き、呟いてしまった傍から口にしたことを後悔した。
    もちろん出会いは最悪で何かと衝突も多く、だがそれでも次第に惹かれあうものがあり相棒と言い合える関係にまでなった。それが今となってはそれ以上の関係にまで進展した…とは言っても、一方は幽霊なワケで。
    もしかすると違う未来があったのかと考えてしまえば、KKにとって夜は物思いにふける時間となってしまう。
    「んー……」
    ふと、いつもは途中で起きることがない暁人が今日は珍しく目を覚ました。
    寝ぼけまなこで薄らと目を開き、浮いているKKを見つめる。
    『珍しいな、どうした?』
    悪夢は見ていないはず…では何故?と、KKが様子を伺うと暁人が寝ぼけた声のまま両腕を開いて
    「KK、おいで」と優しげな笑みを浮かべた。
    「KKが泣いてる気がして、起きちゃった」
    『…なんだよそれ、オレが泣くわけないだろ』
    「だって、寂しそうだったから」
    むふぅ、と満面の笑みをKKに向けて
    「だからほら、抱きしめてあげる」
    はやくはやく、と両腕を広げたまま笑う暁人が可愛らしく思えて
    『…ったく、オレはガキじゃねぇんだけどなぁ』
    抱きつくように半透明の体を寄せれば、暁人が抱きしめるような仕草をする。
    「KKの考えてること、お見通しなんだからな」
    だからそんなつまらないこと考えないでよ、と続けて
    「それよりも明日、明後日、その先も。僕と一緒にやりたいことを考えてくれる?僕のことで頭いっぱいにしてよ」
    『四六時中オマエの事を考えてたらそれはそれで異常だろ』
    「異常でもいいよ、むしろそこまで考えてくれる方が嬉しいし」
    あのね、と暁人は構わず続ける。
    「僕が必ずおやすみって言うのはね?KKとこの先もずっと一緒に朝を迎えたいからなんだ、おまじないみたいなものだよ」
    あの忘れられない事件が解決し、最後におやすみ、と言ってKKと離別したことを思い出す。
    「もう、KKと離れたくないんだ」
    触れられないはずの体をぎゅっと抱きしめる。
    「だから、ずっと側にいてよ、KK」
    『……おう、わかった。約束する』
    「よし」
    暁人は満足そうに笑った。
    「じゃあおやすみKK、また明日ね」
    『おう、おやすみ。また明日な』
    この頃から暁人は寝る前に必ずおやすみ、とまた明日、を言うようになった。

    それは暁人なりのおまじない、KKとずっと一緒にいられるおまじない。
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    💖💖👏💖💞💘💘💞👏🙏☺☺☺💞👏
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    DONE過去に幽霊けけシリーズの短編で書いたものを加筆修正しました。お題は「傘」をお借りしています。

    幽霊けけシリーズってなぁに?という方は本編後の暁人くんの元に幽霊として帰ってきたKKが再び一心同体状態で生活を共にしている、という設定が前提にあるおはなし、と解釈していただければ…!
    (過去作を読んでいただけると尚のこと嬉しいです………!)
    幽霊の相棒と、傘と ――スマートフォンのアラーム音が鳴る。
     うーん、と軽く唸りながら暁人がスマホに手を伸ばし、画面も見ずにアラーム解除をタップした。まだ眠り足りない暁人が再び眠りにつこうとすると、突然金縛りにあったように体が動かなくなり、目がバチッと開かれ閉じることが出来なくなる。ずしり、と体の上に何かの重さを感じ、恐る恐るソレの正体を確認…することはなく
    「けぇけぇ……金縛りで起こすのやめてくれる…?」
     寝起きの少し掠れた声で暁人が困った顔をした。
    『こうでもしないと起きないだろ、オマエ』
     金縛りを起こしたのは幽霊の相棒である、KKの仕業だった。霊体姿で暁人の上に胡座をかいて座っている。
    「大丈夫だよ……二度寝したって間に合うようにアラームセットしてるんだから……」
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    DONE2024年2月25日
    K暁オンリーイベント、開催おめでとうございます🥳
    K暁デーネットプリント企画、お題「バレンタインデー」で書かせていただきました。
    同棲軸の二人のはなしです🍚
    ※既にお知らせしていますが、本部様のネップリアンソロに申請させていただいた予約番号は不備があったためすでに削除しています。白黒版、修正したカラー版を登録し直したので、詳細はTwitter(X)をご覧下さい!
    ビターな思い出を塗り替えて「KK、いつもありがとう」
     お皿の上にちょこんと乗せられたそれは、どうやらチョコレートケーキのようだ。
    「あ?……昨日作っていたのは、それだったのか」
     昨日の夕方頃、帰宅すると部屋中チョコレートの甘い香りで包まれていて、その残り香が甘ったるくてつい顔を顰めてしまった。その香りの正体が、これだというわけだ。
    「甘さ控えめにしたからさ、KKでも食べられると思うよ」
     食べてみて苦手なら残してもいいからさ、と暁人は皿をずずいっとオレの前に差し出してくる。残してもいいと言うが、せっかく作ってくれたものを食べないわけにもいかない。とりあえず一口、と控えめにスプーンですくって口へと運ぶ。
    「…………美味いな、これ」
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    DOODLE #毎月25日はK暁デー
    参加させていただきました。お題は『匂い』
    厭世的で嫌煙家の暁人くんのお話。
    sensory adaptation 雨の夜が明け家族とも一夜の相棒とも別れて、僕は日常に戻ってきた。妹を取り戻すことは出来なかったから、今までと全く同じという訳にはいかないだろうけれど、とにかく僕は一人生き残ったわけだ。それに意味があるかはまだ分からない。それでも、とりあえず僕がやらなければいけない事がまだ残っている。向こうで両親と共に旅立つのを見送った妹の現世での抜け殻に病院で対面し、身体も両親の元へと送り出した。その日は青空にふわりと薄い雲が浮かぶ、良く晴れた日だった。この世のしがらみを全て捨てて軽くなった妹は、きっと両親と共に穏やかに笑っているだろう。そうであって欲しい。

     追われるように過ごした日々が終わってふと気が付くと、これからどう生きていけばいいのかすら何も考えつかなくて、自分が空っぽになったように感じた。ほとんど物の無い空虚な部屋を見回して、置きっぱなしになっていたパスケースに目が止まる。すっかり忘れていた。あの夜の相棒の形見、最期に託された家族への伝言。これを片付けなくては。彼とは出会いから最悪で途中も色々あったが、最終的にはその関係は悪くなかったと思う。結局のところ、僕にとっても彼にとっても失うものばかりで、得るものの少ない結果だったとしても。
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    らいか⛩

    DONE25日はK暁デーのお題「犬or猫」です

    素敵なお題ありがとうございました!
    とても楽しかったです
    「お、いたいた、俺の話聞いてくれるか?」

    煙草を吸いながら隣に来た中年男は自分に目もくれず話し始めた。
    聞いてくれるか?と言っているが実際返事を聞く前に語り始めているのを見ると聞かないという選択肢はないようで男をジッと見つめる。

    「俺の恋人兼相棒がそこにいるんだが、あいつはやたらと犬や猫に好かれやがる。あの日も…おっと、あの日って言ってもわからんだろうが、簡単に言えば命懸けの共同作業をしたんだよ。で、あの日もあいつは犬を見たらドッグフードを与え猫を見たら撫でたり声をかけたりと俺が引くぐらいさ。つまり恋人さまは根が優しくてなぁ…そこにマレビトも妖怪も寄っちまう程で俺ぁ心配でたまんねぇ。今もマレビトに怯えて逃げてた犬やら猫がマレビトを祓ったお陰なのか戻って来て恋人さまを奪いやがる。正直面白くねぇな。あいつの良さと言えば聞こえはいいが、俺だって…あ、いや、なんでもねぇ。……話を戻すが、俺は犬や猫に好かれねぇ質でな、こっちには来やがらねぇ。俺にとっちゃ良いことだがな。おい、今苦手なんだろとか思っただろ?苦手じゃねぇよ、あいつらが俺を苦手なんだ。そんなに好きなら自分家で飼えばいいだろって言ってみたがたまに触るから良いんだとよ。本当に人並みの好きなのか?まぁ、そこはいい。別に議論するつもりもねぇしな。っと、俺は餌なんて持ってねぇよあっちいけ」
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