遠くに瞬く星が己を見ることなど一生ないのだろう。いつからかわかっていたことだ。期待したって無意味。
ただ、ただ諦めきれなくてどうしても手を伸ばしてしまうのは悪いことではないだろう。
一度でもいいからこちらを見てほしい。
どういう感情でもいい。憎悪でも殺意でもなんでも。
少しわがままをいうなら、温かいものがいい。言わないから許してほしい。
あの日々に生まれた感情。あのとき生まれた感情。いいことも悪いことも成長するにつれて増えていった。いつしか憎しみばかりが強くなって手に負えなくなった。感情のまま動いたってどうしようもないとなぜ気づけなかったのだろう。
もうこの手に残るのはただの残骸しかない。
もう、貴方はいない。
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