いつぞやの死ネタの黒曜目線手紙。
自分の死を自覚した時最初に頭に浮かんだのはいつも隣にいたあいつの存在だった。
目を覚ますと隣にはすやすやと気持ちよさそうに眠る晶。俺は晶の柔らかい髪を軽くなでる。長年一緒にいたがもうこれが最後なのだと思うと切なさや悲しさとは違った何かが込み上げてくる。名前をつけずにいたそれはもう永遠に名前がつくことは無い。
静かに布団からでてベランダでタバコを吸う。
まだ上がりきらない太陽はとても赤くて、まだ藍色の空を派手に染め上げていく。
準備はもう終わった。あとは俺が晶と決別をして、その日が来るのを待つのみだった。
空が明るくなっていく。朝日がベッドにも差し込み晶が眩しそうに唸る。俺は晶の方を振り向くが起きる気配は無さそうだ。
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