石乙散文 ギシリとベッドが軋む。
その音に動きを止めれば、自分の腕の下で喘いでいた少年も、荒い息のままこちらを見てきた。
「…いし、ごおり、さん…?」
「……あー、気にするな、あんまりがっつくと、ベッドが壊れちまいそうだと思っただけだ」
石流は苦笑してそう言い、ゆっくりと腰をグラインドさせる。それに少年も眉を寄せながら、それでも気持ちよさそうな声を漏らした。
(……アルファでも、後ろで気持ち良くなれんだな…)
そんなことを今更ながらに思いながらも、石流は先程よりは控え目に、腰の動きを再開させた。
石流が乙骨と、身体を交えるようになったのは、1ヶ月ほど前からだった。石流が乙骨に好きだと気持ちを伝え、乙骨も戸惑いながらその気持ちを受け入れてくれた。両想いになって、キスは何度もしたしスキンシップも増えてきた。身体の関係まで持ち込んでもいいだろうと考えたところで、石流はふと考えた。
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