君が好き!それだけ「なぁ白馬、次の講義までどれくらい時間ある?」
完全にやる気のない声で快斗は隣を歩く友人(仮)である白馬探へと問い掛けた。
自分で時計くらい見ろよと言いたげな顔をした探だったが、文句は言わず懐から懐中時計を取り出すと丁寧にその疑問に答える。
「次のキミの講義までは百二十八分と二十…、黒羽君?」
わざわざ答えたのにその途中で質問した張本人は「居た!愛しのマイスィート!」なんて声を上げて走り出してしまった。
「……またですか」
深い深いため息を吐き出して懐中時計を懐へとしまうと、奇行を止めるべく小さくなっていく後ろ姿を追うのだ。
一方、駆け出した快斗は、ラウンジへと向かうと隅の方で一人席に座り本を読んでいる人物へと近づいた。
3726