いいよ「悠仁のこと好きなんだよね。僕と付き合わない?」
冗談混じりに聞いたこの問いかけに、彼はあっさり答えを返した。
「いいよ」
その回答が余りにも短簡で、嬉しい反面不安になる。
「まじ?意味分かって言ってる?」
「うん。俺と先生が恋人になるってことだろ?」
「いいの?」
「いいよ!」
眩しい笑顔を見せられれば、自分もあっさり受け入れる。今日から僕たちは恋人になった。
◻︎◻︎◻︎
その出来事は、数週間前のことだった。
教師と生徒の恋愛なんて少女漫画の定番。青春そのものだ。校内で隠れてイチャイチャしたり、休日はデートへ行って買い物したり映画を見たり、彼と過ごす日々が、楽しみで期待に胸が膨らむ。
しかし、付き合い始めても悠仁に、何ら変化はなかった。いや、少しあったかもしれない。
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