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    ポイピクミッシェルさん

    @michelle09_yjmk

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    POIPOI 8

    月イチ企画第四弾です

    今回はお互い名前も知らないふたりがなーんにもしてないお話です🤭

    #現パロ
    parodyingTheReality
    #杉尾
    sugio

    2023年4月 二回目からは…「ねえ、本当にするの?」
    「駄目なのか」
    「いや、駄目じゃないけど」
    「じゃあ、どうして」


    「だって俺たちお互いの名前も知らないし…」
    「じゃあ自己紹介でもするか」
    「いや、いいよ。それは今やっちゃ駄目なやつ」
    「じゃあいつならいいんだ」
    「うーん、もっと後かな…今はまだ駄目」
    「変な奴だな」
    「変じゃないよ、ピュアなだけだよ」
    「自分で言うかよ」
    「だって本当だもん。こういうことは段階を踏んで、ね」


    「段階も何も、ついさっき自称ピュアにキスされた身としては何とも言えねぇな」
    「あれは…なんというか…勢いというか…」
    「勢いでキスできるならまたすりゃいいだろうが」
    「違うんだって。そうじゃなくて…」
    「軽いのか重いのか分からん奴だな」
    「うーん、どっちもあるんだよねぇ。勢いでなら全然いけるんだけどなぁ」
    「顔が良くて勢いでキスできるとか、嫌な男だな」
    「ええ、酷くない?」
    「酷くもなるだろ。別に俺じゃなくても良かったようなこと言いやがって」
    「違う違う。そういうことじゃなくて。俺だってアンタとキスしたかったから…」
    「じゃあもう一回したらいいだろう。俺は許可してるんだ、何の問題があるんだ」
    「俺の方に問題があるんだよ」


    「なんだ、今さら男が相手でビビったのか」
    「そんなわけないじゃん。俺だってちゃんとアンタのこと見てたよ」
    「二股かよ」
    「そんなわけないじゃん。俺そこまで酷くないよ」
    「ある程度酷いことは自覚してるんだな」
    「言葉尻を捕まえるの、やめてよ」


    「お前がハッキリしないからだろうが。キス魔の童貞か」
    「童貞じゃねえし」
    「ハッ、どうだか」
    「違うって言ってんだろ」
    「違うと言うなら…」
    「…」
    「俺では駄目、ということか」


    「泣くなよ」
    「泣いてねぇ」
    「あの…ごめんね」
    「やっぱり」
    「そうじゃなくて…あの…」
    「…」
    「本当にいいの?キスしても」
    「俺は一度も断ってない」
    「俺ね、一回目はいいんだよ。問題は二回目からなんだ…


    二回目からは本気、だから。もう逃がしてやれないよ。それでもキス、できる?」


    「ハッ。そんなことかよ」
    「そんなことじゃないよ、大事じゃん?俺の本気は本当だよ。一生逃がさないよ?」
    「そうだろうな、ここまで引っ張ったんだから」
    「ええ、予想外に軽いリアクションなんだけど」
    「二回目、二回目、ってギャーギャー言ってるからだろうが」
    「え…」
    「覚悟が軽いんだよお前は。


    俺は一回目から本気、なんだが?」
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    ポイピクミッシェルさん

    DONE月イチ企画の第七弾です。

    サイチくんが一人で🚬吸ってるだけのお話です🤭
    2023年7月 パンツごわごわ あー、煙草吸いたい。
     普段はあんまりそんなこと思わないのに急にそれはやってきた。なんだかすごく煙草が吸いたかった。俺は隣で眠る尾形を起こさないようにそっとベッドから抜け出した。

     尾形は多分、俺のことがすごく、すごーく好きなんだけど基本態度には出ないから。だから今も俺に背を向けて眠っていた。それがたまに無性に淋しいと思う時もあるけど今はそれがありがたかった。尾形に一ミリも怪しまれず俺は立ち上がり、真っ暗な部屋の中から脱ぎ捨てたシャツとパンツとズボンをかき集め、玄関先でそれを着て、スニーカーを履いて外へ出た。


     今日は夕方に雨が少し降ってアスファルトが冷めて、だから外へ出ても昼間の暑さが和らいでいた。ちょっとだけ涼しくて俺は嬉しくなった。俺のアパートの階段は鉄でできているから歩くとカンカンと音がする。ズボンの右ポケットに入っているスマホをチラッと見たら午前二時で。俺の部屋から階段までは距離があるけどもしかして、ひょっとしたら足音で尾形が起きてしまうかも。時間も時間だし、俺はゆっくり、踵から柔らかく一段ずつ踏みしめながら階段を下りた。
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    related works

    hisoku

    DOODLE作る料理がだいたい煮物系の尾形の話です。まだまだ序盤です。
    筑前煮 夜の台所はひんやりとする。ひんやりどころではないか。すうっと裸足の足の裏から初冬の寒さが身体の中に入り込んできて、ぬくもりと入れ換わるように足下から冷えていくのが解る。寒い。そう思った瞬間ぶわりと背中から腿に向かって鳥肌も立った。首も竦める。床のぎしぎしと小さく軋む音も心なしか寒そうに響く。
     賃貸借契約を結ぶにあたって暮らしたい部屋の条件の一つに、台所に据え付けの三口ガス焜炉があるということがどうしても譲れず、その結果、築年数の古い建物となり、部屋も二部屋あるうちの一部屋は畳敷きになった。少し昔の核家族向けを意識して作られた物件らしく、西南西向きでベランダと掃き出し窓があり、日中は明るいが、夏場には西日が入ってくる。奥の和室の方を寝室にしたので、ゆったりとしたベッドでの就寝も諦め、ちまちまと毎日布団を上げ下げして寝ている。また、リフォームはされているが、気密性もま新しい物件と比べるとやはり劣っていて、好くも悪くも部屋の中にいて季節の移ろいを感じることが出来た。ああ、嫌だ、冬が来た。寒いのは苦手だ。次の休日に部屋を冬仕様をしねえとと思う。炬燵を出すにはまだ早いか。洋間のリビングの敷物は冬物に替えとくか。気になるところは多々あれど住めば都とはいったもので、気に入って暮らしてはいて、越してきてもう三年目の冬になった。
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