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    夕月葵(または凌霄花)

    こぎさに/リンぐだ♀小説。R-18。甘々~特殊傾向まで色々。百合、獣化、触手、複数などもあるかもなので閲覧注意。Twitter及びpixiv作品まとめ。

    Twitter:@sakuramauki
    特殊性癖用:@aoinosor

    pixiv:https://www.pixiv.net/users/2372566
    特殊性癖用:https://www.pixiv.net/users/59247182

    ※当創作を元にして創作をされたいというような方がいらっしゃいましたら絵でも文でも必ずご一報ください。喜びます(事後報告も可ですが無断はご遠慮ください)。

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    POIPOI 35

    小狐丸は自分の「ぬしさま」以外にはどこか冷たくて、自分の「ぬしさま」にはとてもとても甘くて優しいのです。

    #刀さに
    swordBlade
    #女審神者
    femaleInquisitors
    #こぎさに
    oldTreeSapling
    #SS

    小狐丸はとても冷たい。
     いや、正確には『こちら』にいる小狐丸ではなく、よその――まだ主を持たなかった小狐丸であるが。
     初めて逢った時こそ表面的には物腰柔らかで紳士的ではあったにせよ、触れるはおろか近付くことすら許さないような、審神者を見るあの冷めた瞳の中にあったのは――……


     あの日見たのは月夜に舞う美しき獣。月の光を受けて輝く白銀がとてもきれいで――、ふわりと長い髪をなびかせ舞い降りた彼は、そこに現れた溯行軍を素早い動きで一掃した。
     その場にいた動けぬ人の娘を助けたのか、それとも単に目の前にいたアレ等が邪魔であったのか――後者かもしれないなと審神者は思いながらも、今ではあの小狐丸が認めた者に対する瞳を見れば、それもまた揺らぐ。
    「いかがされましたか、ぬしさま?」
    「……っ」
     優しい瞳を向けるのは『わたしの小狐丸』であり、そこに愛しさと甘さを宿すのも、この小狐丸だけで。
     あの野生の獣がそれを向けるのは、自身の唯一だけだ。
     そう、宿るものの違いに審神者が気付いたのは、あの小狐丸と度々山で遭遇していたから。主を持たぬ狐と思えば、いつの間にやら気に入りの者を見つけていたのか。
    「あんな表情、彼にもできたのね」
    「ぬしさま?」
     そして彼もまた、よその審神者――いや、人の子には、どこか冷たいと感じるのかもしれない。
     それでもと、この小狐丸にあの時の彼のような視線を投げ掛けられれば審神者もショックを受けるが、あの彼の視線も悪くはなくて、何故か審神者には好ましいとさえ感じる。
     あの小狐丸には恋愛感情などないというのもあるだろうが、あれは同じ刀であり違う小狐で、他には心を決して許さないのだと知れるのだから。
     しかし――……
    「……なんだか変な感情に目覚めそう」
    「???」
     あちらの小狐丸には恋愛感情などない。しかし、だ。顔を赤くしてそんな事を呟く審神者に、隣にいる小狐丸はまったく意味がわからない。
     愛しい獣はすぐ傍に、何かを言いたそうにじっとこちらを見つめてくる彼を審神者が見上げようとすれば、視線は同じ高さへと変わる。
    「小狐丸っ」
    「お姫様抱っこをしてほしそうでしたので」
    「そんなこと思ってないよ!」
    「ふふ、冗談です。私がしたかったのですよ。よそではなく、私を……、この小狐を見るように……と」
     見つめてくる瞳に審神者は視線をそらせないまま。甘く、優しく――、愛しさを込めて。それを向けてくれるのは『わたしの小狐丸』だけ。





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