溺れるほどに ゆるりゆるりと甘くあまく……
撫でる手のひらが審神者の肌を滑り落ちて、くすぐるような動きをする指が離れたかと思えば、またと触れる手がその小さな身体を抱き寄せる。
そうして審神者の首筋に小狐丸の唇が触れれば軽く吸い付いて、ちゅっちゅっと優しく何度もと吸っては離れていく。そしてもう一度……と。ぺろりと這う小狐丸の熱い舌の感触に審神者が思わず小さな声をあげてしまえば、笑う気配とともに身体の向きが変えられた。
「いつまで我慢をするおつもりですか?」
審神者に覆い被さる大きな身体は彼女を逃がさないようにしているようで、けれど体重などかけてはこない。元々その囲いから抜け出すことなど容易でありながら触れる小狐丸を拒まず好きにさせてしまうのは、審神者のほうもそれを望んでしまっているからだ。
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