ゲドウ10黒いリトの姿に変化したリーバルは、イーガ団のアジト付近に音もなく舞い降りた。
内部に向かう大岩のアーチは崩され、岩の塊がゴロゴロと積み上がっている。
これでは、奥にアジトがあるとは到底思えまい。
辛うじて中に入れそうな隙間を見つけると、リーバルはそこから身体をねじ込んだ。
人の気配はない。
淀んだ空気が停滞して、まるで時が止まったかのようだった。
あちこちの飾り棚に供えられたツルギバナナが散乱していて、リーバルはそれを1つ拾うと元の場所に戻した。
寝床。がれきが散乱していたが、踏み荒らされていない敷き布には、寝汚い構成員たちがそのまま抜け出たように皺がついている。
2階の食料庫は、平常通りツルギバナナがバカみたいに積み上がっていた。
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