懺悔 親愛なる我が親友、水心子正秀へ
この手紙を君が読む時、僕は既に折れている。僕が生きている内は封が開かないように術をかけておいたからね。
これはいわゆる遺書というやつだ。そう、遺書。遺書を書く刀剣男士も多いって政府の研修で教えられた時、君は嫌そうな顔をしていたね。何があるか分からないし戦争だからいつ折れてもおかしくない、けど最初から折れる事前提で動くのはおかしいんじゃないかって憤っていたね。
僕もその時は賛同したけど、時間が経つにつれて考えが変わってきたんだ。どんなに仲良くなっても言えない事はある。むしろ仲が良いからこそ言えない事もある。そんな思いを抱えたままじゃ体より心の方が先に折れるかもしれない。だから僕はこれを書いたんだ。君の隣で戦い続けるために。
5997