Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    糸宮 キョロ

    ボツにしたものやpixivに投稿するほどでもない短編ものなどを供養する場になると思われる。所謂ごみ捨て場。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 10

    糸宮 キョロ

    ☆quiet follow

    一応pixivに上げてる「%」の世界線ではある。故に全てが狂ってる。名前がワリオとワルイージなだけ。ぬるい性描写とがっつり飲酒描写(飲んでるのはワルイージだけ)あとは安定のキャラ崩壊・口調崩壊・世界観崩壊。海よりも深い懐をお持ちの方のみ読んでください。これを読んで気分を害しても私は一切の責任を負いかねるので。

    「テキーラなんてさ、度数が高いばっかだと思ってたけど………こういうのはいいよな。」
    ベッドの縁に腰掛け、屈託のない笑顔でショットグラスを傾けるワルイージ。40mlの琥珀色が重力のままに薄い唇の間に流れ込んでいくその様をベッドに横たわって眺める奇妙な時間が静かに流れる。暇だ。
    「ん、甘い。」
    沈黙と退屈に耐えかね大あくびをする自分を他所にそんな感想を呟いているが、正直自分には分からない。果物のような香りがするとか蜂蜜に似た甘みがあるとか言われて飲んでみたものの度数の強い酒特有のアルコール臭さと喉が焼けるような感覚にギブしたことが何度もある。味なんて、剰えその中に隠れた甘みなんて感じることすら叶わない。そもそも甘みなど存在するのだろうか、ワルイージがデタラメを言っているのではと思えてくる。
    「………どうした、じっと見て。」
    疑りの視線を送っていると、飲むか?とグラスの中の僅かな残りを口に含んで唇を寄せてきた。見た目にはとろりとした飴色で美味そうだが、実際は苦くて喉の焼けるようなものを口移しすると言われて受け入れられる訳がない。覆いかぶさってくる薄い体躯を押し退ける。
    「冗談だよ。飲めないもんな。」
    にやりと笑って口の中のそれを飲み下す。強ち間違ってはいないが、飲めないと言われるとガキ扱いされているみたいで嫌だ。少々やけになって腕をうんと伸ばして胸ぐらを掴み、キスしようとする。
    「…ストップ。」
    止められた。最初はそっちから仕掛けてきたというのに、こっちからは駄目なのか。不服だ。そう唇を尖らせると、ひやりと冷たい何かがそこに触れた。は、と驚きで口が少し開いたところに冷たい何かがそのまま滑り込んでくる。
    舌に感じる、思わず涙目になる程に鮮烈な刺激に、耳朶の下がきゅうと痛んで急速に唾液が分泌されていく。コンマ数秒遅れて、その感覚が酸味だと気付いた。鼻に抜ける爽やかな香りと冷たく瑞々しい舌触りから、スライスされた柑橘類だろうと当たりをつける。しかしオレンジにしては酸味が強く、レモンにしては香りがあまりにも青っぽい。
    なんだろうかと思案していると、ワルイージが覆いかぶさってきて今度はじわりと温かい何かが触れた。捩じ込まれるという表現が使えないくらい自然に口内に入り込んだそれは、幸か不幸か馴染みあるものだった。
    それ自体の温度はあまり高くない。生温い、という形容が丁度なくらいだ。でもそこへ纏わる液体が口内細胞と化学反応を起こして熱を生む。巡る血液の温度が二度三度と引き上げられ、じりじりと茹だっていくようだ。
    しかもその巡りを加速させるようにしてそれが蠢き、粘着質な水音と共に熱が侵食していく。文字通り侵されているような感覚…いや、犯されているといった方が近い気がする。いやいや、そんなことより………
    「んぅ、やっ、ぁ……なせっ!」
    息が続かない。
    命の危機とまでは言わないが、快感と酸素の欠乏により思考停止寸前だ。緩く首を振るなんて程度じゃ止まってくれやしないため、骨張った肩を押しのけた上で体を仰け反らせる。
    するともう終わりかと名残惜しげに舌を絡められ、口に放り込まれた謎の果実もそのついでに奪い取られてからワルイージの猛攻が終了した。やっと終わったと安堵のため息が漏れる………が、何やら不穏な雰囲気だ。茂みの中を這いずっていた蛇が足元に現れて鎌首をもたげるのを見たような悪寒が走る。何か分からないがとにかくとやばいとワルイージの肩に置いたままの手に力が籠もる。
    「………ッ!?」
    浮いた腰とマットレスの隙間に腕が滑り込み、諦めたように動かされなかったもう一方の手がそろりと胸元に添えられた。ちりちりと微かな音と共にジップアップパーカーのチャックが下げられていく。下にトレーナーを着て羽織るには暑いと素肌に着ていたせいで皮膚が簡単に外気に晒される。こんなことならタンクトップの一枚でも着ておけばよかった。
    しかしそう考えたところで後の祭り。一度離れたワルイージの手がまた胸元へ戻ってきて、感触を確かめるように掌はぴたりとくっつけたまま指先だけで撫でられた。その指先がひどくざらついているのを感じて皮膚が粟立つ。皮がめくれてささくれているとかではなく、何かの結晶を塗り込めようとしているようなそういった類のものだ。
    ちらりとその手元を見るときらきら光るものが見えた。汗ではない。明らかに固体だ。やっぱりワルイージの指先に何かがくっついていて、それをこっちになすりつけようとしているようだ。気色悪いが、これがもし妙な色をした液体だったりした場合を考えると、皮膚に染み込みそうにない固体なだけ幾分か気が楽だ………そう思ったのに。
    「んぁッ…!?」
    ワルイージのキスから逃れようとした時に体を反らした体制になり、そのままだったのを忘れていた。ちょうど胸を突き出すような形は今みたいに触れた部分を舐めあげるのにうってつけのようだった。ざりざりと結晶が肌と粘膜の板挟みになって擦れるのが未知の感覚で、思わず逃げ腰になるが腰の下に入り込んだ手がそれを許さない。不快感とも快感とも言い難いそれにじわりと涙が滲み、視界が歪んだ。
    「おいおい、そんなに怯えるなよ。悲しくなる。」
    「怯えてなんか………ん、ぐっ…!」
    そうしている間にも続く母猫が子猫にマッサージする時のような舌遣い。性的な色合いは薄いのに体は勝手に昂っていくのが鬱陶しい。もう殆ど条件反射みたいなものだから仕方ないと割り切ってしまいたいが、即ちそれはワルイージに躾けられたと認めるに他ならず、それは腹立たしい。それ故理由も言わずにただ拒否することしかできない。
    「ん、だから、それやめろっ……!」
    「いいだろ別に、減るもんじゃなしに。それにそんなに否定されると『嫌よ嫌よも好きのうち』的な意味に聞こえるぜ?」
    「っ、随分と、都合のいい………!」
    「あー、はいはい。後でいくらでも聞くから、な?今は静かにしてくれよ。」
    「!」
    胸に貼り付いていたワルイージが面倒くさそうに手をひらひらと振って口づけてきた。こうやって『口封じ』と称してキスしてくることはよくある。よくあるが許せたものじゃないし、しかも今回のそれはテキーラの酒臭さと謎の塩辛さとさっきの謎の果実の酸味が入り混じってどこかの民族が薬として飲んでいそうな味になっている。舌が痺れるような刺激のオンパレードに唾が溢れて喉に流れ、咽た。
    「…ぅ、げほっ、げほっ…おぇっ………」
    「あーあーあー………大丈夫か?ほら深呼吸。吸って〜、吐いて〜。」
    「ごほっ、んん、やめろ、馬鹿にすんな………つーか何なんだよこれ………」
    「んん?」
    喉の違和感を咳払いで誤魔化しながらこの行為の本意を聞くと、わざとらしく惚けてきたので背中を擦る手を振り払った。普段の無駄な察しのよさが1ミクロンも見られないあたり、アルコールで多少なりともハイになっているらしい。まぁ酔っぱらいなんてのはこう、グッとやればなんとかなるのだが。
    「………それで?」
    「っ、痛ぇ………分かった、教えればいいんだな?テキーラみたいな度数の高い酒を飲むときは無理矢理にでも唾液を分泌させないと喉が焼けるから塩とかライムを舐めるのが常識なんだ。それに娯楽性を加えたのがボディショット。恋人の体に塩を塗って舐めたり、切ったライムを口移ししてもらったりするんだよ。面白いだろ?」
    「………お前がな。」
    そこでやっとあの果実がライムだったと判明して、胸に塗り込められたものはやっぱり塩だったと確定したが言えたのはそれだけだった。俺の体で何やってんだこいつ。しかも面白いとは。
    そう憮然としていてもワルイージは飄々としていて、どこ吹く風。
    「たまには俺が甘い汁吸ったっていいだろ?」
    楽しそうにこんなことまで言う始末。今のどこに甘い要素があったのか理解しかねる。
    「苦いし酸っぱいし塩辛いだろ。あと酒臭い。」
    「………慣用句って知ってるか?まぁ、そのとり方も強ち間違いでもないけどな。」
    「はぁ?」

    (苦いし酸っぱいし塩辛いから、甘い君で口直しする)
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭👏☺💞🇱🇴🇻🇪💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    糸宮 キョロ

    DONE一応pixivに上げてる「%」の世界線ではある。故に全てが狂ってる。名前がワリオとワルイージなだけ。ぬるい性描写とがっつり飲酒描写(飲んでるのはワルイージだけ)あとは安定のキャラ崩壊・口調崩壊・世界観崩壊。海よりも深い懐をお持ちの方のみ読んでください。これを読んで気分を害しても私は一切の責任を負いかねるので。
    「テキーラなんてさ、度数が高いばっかだと思ってたけど………こういうのはいいよな。」
    ベッドの縁に腰掛け、屈託のない笑顔でショットグラスを傾けるワルイージ。40mlの琥珀色が重力のままに薄い唇の間に流れ込んでいくその様をベッドに横たわって眺める奇妙な時間が静かに流れる。暇だ。
    「ん、甘い。」
    沈黙と退屈に耐えかね大あくびをする自分を他所にそんな感想を呟いているが、正直自分には分からない。果物のような香りがするとか蜂蜜に似た甘みがあるとか言われて飲んでみたものの度数の強い酒特有のアルコール臭さと喉が焼けるような感覚にギブしたことが何度もある。味なんて、剰えその中に隠れた甘みなんて感じることすら叶わない。そもそも甘みなど存在するのだろうか、ワルイージがデタラメを言っているのではと思えてくる。
    3310

    recommended works