ざわめき生命力が形を成したような青々とした木々。生い茂る葉の隙間から落ちる陽がエーテライトを囲む池の水面をきらきらと照らしている。敷かれた石畳の半分は芝で隠れ、至る所で野花が咲き、背高く伸びる大樹で空は半分しか見えない。流石は森の都市――
「ここがグリダニアかぁ!」
初めて訪れる都市にテッドは思わず感嘆の声を上げ、つい大きく開いた口をハッと覆う。しまった、これじゃ余所者丸出しだ。
グリダニアは精霊が森の調和を守り、精霊の許しを得て作られた都市だ。角尊という特別な人達が神託を受け国是すら精霊の導きで行うらしい。
それ故に森や精霊との繋がりが薄い余所者に対して排他的な所があると移動中にウェドが教えてくれた。
勿論、精霊を怒らせなければそんな扱いをされる事も無く慌てる必要もないのだがウェドとは違い精霊というものを全く感じた事がなかったテッドはどう捉えていいのか未だ分からず妙に意識してしまっていた。
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