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    よーでる

    推敲に超時間かかるタチなので即興文でストレス解消してます。
    友人とやってる一次創作もここで載せることにしました。

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    よーでる

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    二次創作の初稿をぱぱっと書いてみるテスト。DOD2でずっと書いてみたかったネタ。続きます。
    封印破壊後、マナ発狂中。

    ##二次創作
    #DOD

    罪の終わり、贖いの果て(1) 自分が赤黒い洞に佇んでいるのに気づいて、マナは不安に空を仰いだ。頭上に広がる闇が重くのしかかり、胎動する紅が自分を小さく押し潰そうとする。
     ああ、ここは、わたしの心の中だ。
     自分が逃げ出したのを悟って、マナは苦く笑った。見下ろした自分の体が、赤いドレスを纏っている。十八年前と同じ、天使の教会の司教としての衣装。

     幼い頃は威厳を被せてくれた衣装は、今の自分には淫らがわしかった。成熟した体に赤い布地が貼り付いて、凹凸を顕にする。世界を滅ぼした魔女には相応しい。自覚して、マナは顔を覆った。
     罪を償いたかった。十八年前、滅ぼしてしまった世界に。困窮した人々に。何よりも、カイムに。償いきれるものではないと知りながら歩んだ、その道のりは間違いだった。
     カイムのためにと口にして、すべての鍵を壊して。封印が解かれた女神、赤き竜は、世界を焼き尽くしてしまった。マナが守ろうとした人々も。何もかも。わたしはまた、世界を滅ぼしたのだ。

    「らららら、らら。じゃあ、ここでおしまい?」

     自分独りのはずの心に、あどけない声が響いて、マナは顔を上げた。
     マナと同じドレスを纏った女童が、くるくると花びらを散らしながら踊っていた。頬にかかる儚い金色の髪。毒々しいと何度も罵られた血のように赤い瞳。まろやかな白い頬。幼かった頃の自分。
     いいえ、違う。腑抜けていた面に力を籠めて、マナは少女を睨みつけた。

    「わたしはもう、あなたの操り人形にはなりません。神よ」

     幼いマナの姿を象った神は、妖しく嗤った。
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    Replies from the creator

    よーでる

    PROGRESS完!! うおおお、十数年間ずっと頭の中にあったのでスッキリしたぁ。
    こういうカイムとマナが見たかったなー!!という妄執でした。あとどうしてカイムの最期解釈。
    またちょっと推敲してぷらいべったーにでもまとめます。
    罪の終わり、贖いの果て(7) 自分を呼ぶ声に揺すられ、マナはいっとき、目を覚ました。ほんのいっとき。
     すぐにまた目を閉ざして、うずくまる。だが呼ぶ声は絶えてくれない。求める声が離れてくれない。

    (やめて。起こさないで。眠らせていて。誰なの? あなたは)

     呼び声は聞き覚えがある気がしたが、マナは思い出すのをやめた。思い出したくない。考えたくない。これ以上、何もかも。だって、カイムは死んだのだから。
     結局思考はそこに行き着き、マナは顔を覆った。心のなかで、幼子のように身を丸める。耳を覆う。思考を塞ぐ。考えたくない。思い出したくない。思い出したく、なかった。

     わからない。カイムがどうしてわたしを許してくれたのか。考えたくない。どうしてカイムがわたしに優しくしてくれたのか。知りたくない。わたしのしたことが、どれだけ彼を傷つけ、蝕んだのか。取り返しがつかない。償いようがない。だって、カイムは、死んでしまったのだから。
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