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    MandM_raka

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    MandM_raka

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    1年ぶり位に俳優パロのアサ。ハロウィンの話。

    #アマサリ
    amasarri

    街中のショーウィンドウや店内の装飾が浮かれたように派手になっていて、オレンジと紫を主体にした様々なロゴが目に飛び込んでくる。
     今日はハロウィンだ。僕には余り興味は無いけど、こういうイベントは恋人同士でいちゃつくかこつけになる点では興味があると言ってもいい。
     イベント自体には然程興味がなかったとしても、その先にある楽しみはみんな好きだろ?僕だって例に漏れずにそういう事。
     でもそれって恋人が居ないと全く意味がないって言うのも理解して欲しい。いや、僕は飛び切り最高な恋人が居るんだけど、あくまでも居ないというのはその恋人が国内に居ないって事だ。
     お互いに余り休みは合わないからこういったイベントで会えないのはいつもの事ではあるけど、何となく今日の僕は寂しさを感じていた。
     浮かれている街中の雰囲気に感化されてしまったのかもしれない。しかもその上、今日の僕は珍しく一日完全にオフ。
     寒くなってきたから余計に寂しくなっただけかもしれない。国外に仕事に行っている彼──サリエリとはもう一か月位会っていないのかな。
     どうやらロケが長引いているらしくて、本来なら帰ってきていた筈の予定はもう先週の事だった。
     時差が八時間もある場所に居るのだから電話をする事もあまりないし、大抵はメールで何かやり取りをする位。
     僕はこんなに我慢出来ないタイプじゃなかった気がするだけど、どうやら彼に対しては別らしい。
     一人で家に居ても暇だからデパートに来て仕事に使うコスメや冬服を大量に買ってみたけれど、あまり気分は晴れない。街中にはハロウィンにかこつけてカップルたちがここぞとばかりにイチャついていて、一か月も恋人と会えていない僕にとっては目に毒だ。
     大量の荷物を一度車へ置いてからカフェでハロウィン限定のドリンクを注文する。窓際の席に座ってベリーソースがたっぷり入ったそのドリンクに口をつける。
     ベリーソースのお陰なのか見た目よりも甘くないそのドリンクは歩き回って少し暑くなっていた体をひんやりと冷やしてくれた。これ、サリエリが好きそう。
     結局離れていても僕には彼ばかりだ。それはそうだろう、もう何年も彼に片思いをしていたんだから。
     家で大人しく過ごしていたら余計に寂しさに押しつぶされていたとは思うけれど、こうして外に出てみた所で上手く気晴らしは出来ていない。
     サリエリと付き合えるようになる前の僕はどうやって過ごしていたんだっけ。ああ、適当に女の子と付き合ったり付き合わなかったりしてたんだ。
     本命は他に居る事を分かっている上で僕が好きだと言ってきた子とか、そもそもお互い快楽だけあれば良い利害が一致していた子とか。ここら辺の過去はサリエリには絶対に秘密だ。墓まで持って行くつもり。
     駄目だ、一か月も彼と会えてないし声だってロクに聞いていないからナイーブになりすぎている。
     ドリンクの入ったカップを持って店を出て、早々に帰宅する事にした。このドリンク、サリエリと飲みたかったなあ。

     帰宅した僕は気分転換にメイクをする事にした。自分にメイクをする事は余り多くはないけれど、今日は折角のハロウィンなのだからSNSに写真を載せるように真面目にメイクをしようと思う。
     今はピアノと仲良くする気分でもないけれど、何かに集中していれば少しは気晴らしが出来ると思ったから。
     メイク道具を広げたドレッサーには先ほど買ったドリンクがまだ半分位残っている状態で隅に置かれている。冷たいそれは部屋との温度差で汗をかいているので、ティッシュの上に置いて周りが水滴で汚れないようにした。
     髪をまとめ上げて邪魔にならないようにクリップで止める。スキンケアをして肌を整えてから、僕の楽しい時間の始まりだ。
     最初は不純な動機で始めたメイクも今となっては楽しくて仕方ない。我ながら良い職を選んだと思う。
     今回のメイクはカラー系の物はあまり載せない。ヌードカラーで陰影をつけて、薄く隠しラインを引いて、とかそんな物。
     あとは着替えをして、髪のセットもして準備は完了。
     服はこの間撮影で貰った衣装をそのまま着て、長い髪を横へ流して緩く三つ編みをしながら紫のリボンを一緒に編み込んだ。我ながら器用すぎて怖い。
     少し落ち込んでいた事だし、こうして自分の気持ちを慰めてあげないとやっていられない気持ちもあるんだ。少し大目に見てくれ。
     あとは撮影用にライトを用意して、準備は完了。
     この衣装は前にサリエリと撮影をした映画の僕の物で、記念に衣装を貰ったのだけどまさかこんなタイミングで役に立つとは思っていなかった。
     さて、あとは撮影をしてから軽く加工だ。うん、やっぱり何かをしていると気分が紛れて良いな。終わったら投稿をして、その後はバスタブにお湯を溜めて入浴剤をたっぷり入れよう。
     こういう時折角だから誰かに撮影してもらいたくなっちゃうよなあ。他人を家に居れるのは嫌だから無理だけど。
     何枚かセルフィ撮影をして、気に入った物をそのままスマホで加工していく。最近は凄いよね、パソコン起動しなくてもスマホだけでほぼ完結出来るんだから。
     きちんとした撮影ならパソコンをつけるけど、SNSに投稿する位ならこれで事足りてしまう。
    『モーツァルトのコスプレ #地味ハロウィン #暇つぶし #新作フラぺ #モーツァルト』
     適当にタグつけしてさっきのドリンクを飲んでいる写真と一緒に投稿すれば今日のやる事はもう終わり。さて、暇な時間に逆戻りだ。
    「あーーーーもう、早く帰ってきてよ!」

     こんな事を一人で暇つぶしをした日から数日、サリエリがやっと帰ってくる日になった。ちなみにあの日の投稿は久し振りにバズりまくった。ネットニュースにまでなったんだから、みんな意外とハロウィン暇だったのかな。
     秋はなんとなくやる気が起きなくて出来る限りは仕事の休みを入れているから、今日も僕は休みだ。
     二人でハロウィンみたいな事が出来なかった事を未だに引きずっていて、せめて何かそれらしい事をしたいからかぼちゃを買ってきたから、それでケーキでも作ろう。
     サリエリは甘いものが好きだし、カップケーキにしよう。その上にかぼちゃクリームでデコレーションをして、ハロウィンらしく。
     ハロウィンはもう終わったけど、サリエリとはまだハロウィンを過ごしていないし。
     帰ってくる時はマネージャーに送ってもらうだろうから、迎えは必要ないだろう。その間にケーキを作ってディナーの準備でもしようかな。
     僕って本当献身的だよね。自分でもこんな一面がある事に驚くけど、これが苦じゃないんだから凄い。邪魔になる髪の毛は大きめのクリップでまとめ上げてからエプロンをつける。
     カップケーキなら作るのは簡単だし、生地を混ぜている間にかぼちゃの下ごしらえだ。茹でたら水っぽさが出てしまうだろうからレンジで加熱するだけ。現代って凄いね。
     かぼちゃクリームが乗るから生地は少し甘さを控えめにして、この間デパートに行った時についでに買ったハロウィンらしい黒地にオレンジのかぼちゃ模様が入ったカップへ生地を流し込む。
     綺麗に膨らんでくれるといいけれど、と言う願いを込めて温めたオーブンへ入れる。その間に先ほどレンジで加熱したかぼちゃを取り出して、綺麗に潰してから裏ごしだ。
     あまりお菓子を作らないから、たまにこうして作るとケーキ屋さんは凄いなって思う。煌びやかな見た目に反して実際はかなり重労働だろう。
     裏ごししたかぼちゃを生クリームと砂糖と一緒に鍋にかけて、じっくりと煮詰めていく。仕上げにはラム酒を少し入れよう。
     キッチンの中に広がるふんわりとした甘さに、サリエリ喜ぶかなあなんて考えてしまうから結構重症かもしれない。
     飲み物ならいいけれどそこまで甘い食べ物が得意ではないから、僕が作るとサリエリ好みには少し物足りないかもしれないな。でも見た目は映えを意識するから、見た目の良さだけで許してもらおう。
     オーブンから焼き上がりのタイマーの音が聞こえて、あとは生地とクリームを冷やしてからデコレーションをするだけだ。

    「ただいま」
    「おかえり! ハッピーハロウィン!」
     玄関から聞こえてきた待ち焦がれていた声にすぐさま反応をして、さっき作ったばかりのジャックオランタンやお化けのデコレーションをしたカップケーキが並べられた皿をサリエリに見せる。
     撮影はもう完璧に済ませているから、すぐに食べてしまっても全く問題はない。
    「ハロウィンはもう過ぎた筈では…」
    「君とはまだですー」
     絶対に言うと思っていたその言葉にわざとらしく拗ねる。本当こういう所変に現実主義だよな。
     折角頑張って作ったんだから早く食べて欲しいんだけど、帰宅早々に甘い物ってあんまりならないものなんだろうか。いや、サリエリに限ってそんな事は無いはず。
    「これ僕が作ったんだよ。可愛く出来ただろ? この帽子を被せてるジャックオランタンのやつが特にお気に入り」
     ケーキ作りと撮影に夢中でコーヒーを淹れるのを忘れていたと今頃思い出したけれど、いつもは甘いものを見るとソワソワしてすぐに食べたがるサリエリが何も反応をしない事が気になって仕方ない。
     あまりにもデコレーションにこだわり過ぎて食欲失せたのかな。いやいや、僕じゃあるまいし。
    「ハロウィンの写真、とても良かった」
    「あー、あれ見てくれたんだ?」
     僕が一人寂しく撮影したあの写真を見てくれたと直接言われると何だか恥ずかしさが勝る。だってあれを完全に一人でやってたって、サリエリは分かっている筈だから。
     どちらにせよ立って食べる訳にもいかないし、可愛いケーキたちが並べられている皿を片手にリビングまで戻る。コーヒー淹れるか。
     折角作ったのにあんまり反応良くないし、一か月しか離れてなかったのにこんな塩対応になる?って思うけど、一か月も仕事してたんだし疲れてるのかなあ。
     疲れてる時こそ甘い物って思ったのに。
     はあ、と口から出そうになるため息を飲みこんでキッチンへ向かおうとすると、サリエリに腕を引かれて振り向いた。
    「ケーキまで用意してくれているのなら、悪戯は出来ないな」
     そう言ってキスをしてきたサリエリに一瞬混乱したけど、唇に触れたいつもとは違う感触になる程、と合点がいった。
    「ハロウィンはもう過ぎたんじゃなかったの?」
    「お前とはまだしてない」
     そう言って笑うサリエリの口から覗くのは、きっと撮影か何かで前に使ったであろう犬歯だ。
     所謂、吸血鬼の歯ってやつ。
     トリックオアトリートするには地味すぎない?って思うけれど、ああもう、本当にさ。
    「君ってやっぱり最高」
     一か月振りに会った恋人の唇はやっぱり最高だ。ケーキを食べるのは後回し、お菓子を用意していないヴァンパイアには悪戯をしてしまおう。
     当日は君と過ごせなかったけれど、やっぱりこうしたイベントを二人で過ごせるのは最高だ。
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    MandM_raka

    REHABILIお題で頂いた分裂したDPのお話【スパデプ】「緊急事態って何?」
     緊急事態が起きたと言われてデッドプールのケイブに来てみれば、珍しく素顔の状態のデッドプール──ウェイドが真っ先に出迎えてくれた。
     室内だというのに厚ぼったいパーカーとスウェットを着ている彼は相変わらずフードを被っていて、今更僕相手に素顔を隠す必要なんてないのに、どうやらこの癖はいつまでも抜けないらしい。
     見た所五体満足だし、緊急事態には思えないなと思っていたけれど。これで下らない用事だったら力加減も出来ずに殴ってしまうかも。
    「流石の俺もあんまり事態を飲みこめてない」
    「はあ?」
    「ハイ、スパイディ~!」
     ウェイドが苦渋を飲むような表情で真剣に言うものだから、状況が分からない僕は首を傾げ──ようとした所で後ろから急に感じた重みに思わず息を飲んだ。
     背後から聞こえた声は聴きなれたデッドプールの物で、けれど僕の目の前にはウェイドが居て。
     混乱する頭で恐る恐る後ろを振り向けば、真っ赤なスーツに憎たらしい程に見慣れたマスクを被った男が僕に抱き着いていた。
    「え…、え?何、これ、誰?」
     余りの混乱に頭が上手く働かなくて語彙力も家出してしまった。この体になってか 4646

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    REHABILIお題で頂いた糸にぶら下がってキスする二人【スパデプ】「君また腕無くなってるの?」
     騒ぎがあったビルまで来てみれば、屋上でデッドプールが腕を失くしている状態で寝転がっているのが視界に入る。
     普通の人間なら一大事なその状況も彼ならばいつもの事になっているのだから、慣れとは恐ろしい。
     意識はあるのかと近付いてみれば、どうやら意識はあるらしく無事な右腕を軽く上げられた。
    「遅かったな、ウェブズ。殺しはしてないから安心しろよ」
    「そういう問題ではないけどね」
     どうせなら僕の庭で仕事をしてほしくない。
     殺しをしないと僕に言う彼の言葉は九割方守られていて、今までどうしてもそうしなければならない時以外はニューヨークでは殺しをしていない。そのどうしてもそうしなければならない事も無ければいいのだけど。
     彼の仕事柄どうにもそうはいかない時もあるようだし、何よりも彼が逆恨みされた時は手加減をしてもそうはならないらしい。
     もう彼の仕事について口を出すことはやめるようにしているけれど、どうしても何かを言いたくなってしまうのは仕方がない事だと思う。
    「俺ちゃんの可愛い左腕どこいっちまったんだろ」
    「さあね、少なくともここには無いよ」
     よく体の一部とお 4789

    MandM_raka

    REHABILIお題で頂いた蜘蛛はカフェインで酔うらしいスパデプ蜘蛛にカフェインを与えると酔っぱらうらしい。
     詳細はネットの情報しかないがこれはどうやら有名な話らしくて、あくまで生物的な意味の蜘蛛にカフェインを与えるとドラッグよりも酔っぱらうって話を見て興味が湧いた。
     そういえば愛しのヒーローはコーヒーの類を飲んでいるのは余り見た事が無いかもしれない。
     ネットで見た情報では蜘蛛が巣を作る前にドラッグを与えたよりも、カフェインを与えた方がぐしゃぐしゃな巣を作っている。人間にとってはカフェインは脅威ともいえる程の成分ではないが、自然界を生きる昆虫には害になるんだろう。
     確かにカフェインを取るなんて彼らが普通に生きていれば早々無いだろう。
     さて、此処までで今回の俺ちゃんが何をしようか分かったと思う。
     スパイディは人間だけど、その効果は表れるのかって興味が湧いた。酒を飲んでいるのもあまり見ない彼が酔っぱらっているのは見てみたい。
     いつも崇高な精神を語ってくるあの口がどう変わるのか、興味を持たない方がおかしいと思う。
    「でも普通の量じゃ効果出ないよな」
     コーヒーを飲んでいるのは余り見ないが、コーラはよく飲んでいる。コーラにも当然カフェインは入 5994

    MandM_raka

    TRAININGリルデプちゃんと初めての邂逅をするデプちゃん【スパデプ】『ハイ、今回の話は今までのあらすじなんて存在しない。突発的に始まるから覚悟しろよ。一応前提としては俺ちゃんの事が本当は好きなスパイディと、スパイディがめっちゃ好きだけど関係が壊れるのが嫌だから何も言えない健気な俺ちゃんって感じだ。うーん、これだけ聞いて本当に読みたい奴居るの?いかにもインターネットにこういう話をアップしてるファンガールが考えそうな内容だよな』
     俺ちゃんは今とっても疲れているかもしれない。テーブルの上でグラスに寄りかかりながらそう言ってくる小さい謎の生き物は俺ちゃんに見た目だけなら似ているかも。
     何だこれ。どういう仕組みなんだ?誰かの悪戯だろうか。
     そう思って持ち上げてみたら非難するようにピーピー悲鳴を上げていたけど、取り合えず電池か何か入っていないのか探してみる。
     幻覚にしてはしっかり触れるし、本当どういう仕組みになってるんだか意味が分からん。
     意味が分からないのはこの生き物が言っていた謎の言葉も解せない。まあ、後半部分については自分の事だから渋々認めるとして、スパイディが俺ちゃんの事を好きだなんて事は絶対にありえない。どれくらいありえないって、蜘蛛に噛まれて 6844

    MandM_raka

    MOURNING初めてのモブ霊書きかけ供養大人になってから反省する事は山ほどある。
     それは子供には言えないような失敗がどんどんと増えていく。俺が子供の頃は大人は失敗しないものだなんて思っていたが、実際は大人は失敗しても子供に言わないだけで、それを隠しているなり嘘で誤魔化しているだけなのだ。
     ああ、大人になるってのは本当に面倒だ。俺は昔から要領も良かったしどんな事だって適当に何とかしてきた。実際の所、そこまで大きな挫折ってのは味わったことがないかもしれない。
     自分でも思うが俺は何とも悪運が良いのだから。
     話は冒頭に戻る。大人になってから失敗する子供にも言えない失敗の代表、それは酒だ。昨日モブが成人になった記念に俺の奢りで飲もうって誘って、居酒屋で飯食いながら飲んでたのは覚えている。
     そこでベロベロに酔っぱらってモブに迷惑かけまくったとかならまだいい。今回の失敗はそんな事よりも最悪の状況だ。
     まず目が覚めて俺の視界に入ったのは見慣れない天井だ。その上裸だったんだから何をやってしまったかなんてわかりきっている。何ともありがちな展開ではあるが、実際に自分がこの立場になってみて分かったがめちゃくちゃにパニくる。
     酒飲んだ勢 9550

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