Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    MandM_raka

    @MandM_raka

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 7

    MandM_raka

    ☆quiet follow

    リルデプちゃんと初めての邂逅をするデプちゃん【スパデプ】

    #スパデプ
    spadep

    『ハイ、今回の話は今までのあらすじなんて存在しない。突発的に始まるから覚悟しろよ。一応前提としては俺ちゃんの事が本当は好きなスパイディと、スパイディがめっちゃ好きだけど関係が壊れるのが嫌だから何も言えない健気な俺ちゃんって感じだ。うーん、これだけ聞いて本当に読みたい奴居るの?いかにもインターネットにこういう話をアップしてるファンガールが考えそうな内容だよな』
     俺ちゃんは今とっても疲れているかもしれない。テーブルの上でグラスに寄りかかりながらそう言ってくる小さい謎の生き物は俺ちゃんに見た目だけなら似ているかも。
     何だこれ。どういう仕組みなんだ?誰かの悪戯だろうか。
     そう思って持ち上げてみたら非難するようにピーピー悲鳴を上げていたけど、取り合えず電池か何か入っていないのか探してみる。
     幻覚にしてはしっかり触れるし、本当どういう仕組みになってるんだか意味が分からん。
     意味が分からないのはこの生き物が言っていた謎の言葉も解せない。まあ、後半部分については自分の事だから渋々認めるとして、スパイディが俺ちゃんの事を好きだなんて事は絶対にありえない。どれくらいありえないって、蜘蛛に噛まれて超人になっちゃう位にはあり得ない話だ。
    「これどうなってんだ?」
     今日はコカインもマリファナもやってない。昨日死んだばかりでさっき目覚めた体は今は究極にクリーンな状態の筈。今回は再生が上手くいってないのか?とくに俺ちゃんの脳。
     クレイジーなのはいつもの事だけど、流石に自分の小さい変な生き物を見た事は今までなかったのに。
     暴れる謎の生き物のスーツを捲り上げてみれば、俺ちゃんの憎たらしいケロイドだらけの肌まで再現されている。上半身だけ捲り上げて隅々まで見てみたけど、電池が入っているような所は見当たらなかった。
     しかもその上指先から伝わるその肌はプラスチック製ではなくて、どちらかと言えば柔らかいし温かい。
     マジで何なんだコイツ。
     よく分からないそれをじろじろと観察してからテーブルに再び戻すと、不満そうにキーキー言いながらスーツを直している。こいつの動力って一体何なんだ。
    『そろそろスパイディが腹減らしてここに来るからピザでも頼めば?』
    「はあ?」
     ここの場所はスパイディには教えてない。バレないようにわざわざ小綺麗なアパートメントを借りたんだから、まさかここに俺ちゃんが居るなんて思わないだろう。
     ケイブは何個かあるがスパイディにバレる度に転々としているけど、ここは比較的気に入ってる場所だ。バレてまた引っ越しとなると面倒くさいから此処だけはバレたくない。
     でもまあ、死んでて生き返ったばかりで腹は減っているし、別にコイツの言う事を鵜呑みにする訳ではないが宅配は頼んでいいかもしれない。
     今日の俺ちゃんは一日オフ。見ようと思ってた映画もあるし、スマホでピザを注文すればテーブルの上で満足そうに頷いているそいつと目が合った。
    「別にお前の言う事を信じた訳じゃない」
     触れる幻覚は今まで経験は然程ないが、こいつは多分そういう類の物だろう。
     腹を満たして映画を見ながら寝落ちしたらきれいさっぱり居なくなっている筈だ。

     テーブルの隅に座って足をぶらぶらさせながら暇そうにしているそいつを横目に、届いたピザの蓋を開ける。
     ウェブズはいつも腹減らしてる印象があるが、今日はちゃんと食ってるかな。まあ俺ちゃんが心配する事も無いんだろうけど。
     彼女とか作って彼女に飯でも作ってもらえばいいのになって思うけど、ウェブズは女を口説いている時間も無さそうだ。それに結構雑で空気が読めない所もあるから、あのマスクの下が超絶イケメンじゃないとモテないかも。
     いつも差し入れをした時にはマスクを鼻先までまくり上げているけど、ウェブズの素顔は見た事がない。
     口元しか見た事がないが、そこからの印象は若いんだろうなってのと、結構綺麗な口元をしてるって事くらい。
     サラミとチーズがたっぷり乗ったピザを食べようと口を開けたタイミングで、背後からノック音が聞こえた。
     いやいや、そんなまさか。
     思わずこのよく分からない小さい俺ちゃんが言っていた事を思い出すが、そんな都合が良い事起きる訳がない。
     急かすように何度もノックしてくるから一度ピザを置いてマスクで顔を覆った。
    「やあデッドプール」
    「マジかよ…」
     振り向いた先に居たのは窓の外でさかさまになっているウェブズだ。思わずちらりとテーブルの上にまだ居る幻覚を見てみれば、得意げな様子で胸を張っている。
     流石に都合が良すぎないか?この話を考えている奴はきっと脳を余り使ってないね。せめて外で会えばいいのに、なんだってまだ教えてもいない俺ちゃんのケイブの場所をスパイディが知ってるんだ。
    「今日は非番なんだけど」
    「知ってるよ、昨日派手にやったみたいだからまだ起きてないかと思った」
     早く開けてくれない?と続いた言葉に溜息を漏らして、窓を開けた。
    「どうも」
     遠慮なしに窓から入ってくるスパイディは少し室内を見まわした後にソファへ腰を下ろした。目の前のテーブルに居る小さい変な生き物はいつの間にか居ない。
     他人が来たから幻覚が消えたんだろうか。いっその事このスパイディも幻覚なら良かったのにな。
    「お腹空いててさ。このピザ食べていい?」
    「駄目って言っても食うだろ」
    「まあね」
     一応確認をしてきたのはまだマシな方。誰もが憧れるこのスーパーヒーローは俺ちゃんにはかなりの暴君。
     前のケイブの時は勝手に冷蔵庫開けてコーラとか飲んでいたし。別にいいけど、他人の家でやったら普通は怒られる事だと思う。
     それを前に指摘したら、君以外にこんな事しないよって言われてなんか嬉しくなっちゃった俺はかなり重症だ。
    「なんで此処が分かったんだよ」
    「それは秘密。言ったら君はまた逃げるだろ」
     折角スパイディにバレないような場所を選んだつもりだったのに、結局バレているのならスパイディにバレないような場所にケイブを作るのは無理かもしれない。
     NYに作るのやめたらいいのか?って思ったけど、NYは割と気に入っている。半ば諦めの気持ちで冷蔵庫からコーラの瓶を出して、スパイディに差し出した。
     さっきのスパイディの言葉に他意なんて無い。あくまでも俺を監視するって意味だろう。
     マスクをまくり上げてピザに齧りついているウェブズを見ながらコーラの瓶へ口をつけて喉を潤すが、あまり効果は感じられなかった。
     まさかここにスパイディが来るなんて本気で思っていなかったから、何か落ち着かない気分だ。
    「ここのピザ美味しいよね」
     遠慮なく食べ進めていくスパイディを見て、アンタの好みに合わせたからななんて言葉は口から出てはこない。
     普段ならすらすらと出てくる言葉も、こういう二人きりの空間になると全然出てこないのだから俺ちゃんの口も役立たずだなと頭の隅で思った。
     第一、俺にそんな事を言われたって嬉しくなんてないだろう。この俺ちゃんにだけ傍若無人な男はきっと俺の事を食べ物をくれるパトロン位にしか思っていない。
     別にそれに対して不満は無いし、たまにこうして会えるだけで充分だ。
     スーパーヒーローは俺なんかを好きになる訳がない。
     あの変な生き物はスパイディは俺の事が好きだって言っていたけれど、今までお互いのやらかしを考えれば好きになる要素なんて皆無だ。いや、飯を与えてる所は好きかもしれない。
     でもそれはあくまで便利な飯屋としか思っていないだろうし、俺に恋愛感情なんてものを持つなんて事は考えられなかった。
     それに、俺の事なんかを好きになるスパイディは俺ちゃん的にはノーサンキュー。ある意味目が離せないっていうんだったらまだ分かる。
     俺ちゃんはスパイディ好みの良い子ちゃんじゃないんだから。
    「食べないの?お腹空いたからピザ頼んだと思ってたけど」
     気付けば俺ちゃんのピザは既に半分がスパイディの胃の中だ。大食いで早食いだったの忘れてた。
    「食いすぎ。アンタ本当に遠慮がないよな」
    「君にだけだよ」
     結局俺が頼んだピザは2ピースしか食べられなかった。マジで本当に遠慮がない。
     コーラも飲み干したスパイディは食うだけ食ってすぐに居なくなると思っていたけど、まだソファから立ち上がる気配はなかった。
    「コーラまだある?」
     どうやらすぐに居なくなるつもりはないらしい。
     催促してくるスパイディに口から出そうになる溜息は我慢して、冷蔵庫から出したコーラを投げれば見事にそれをキャッチしていた。
    「俺ちゃん映画見ようと思ってたんだけど」
    「いいね、何見るの?」
    「マッドマックス」
     ああいう爆発だらけの映画は好みだ。派手だし、見ていて飽きない。
     それにぼんやりと見ていても何となく話が分かるから、堕落した休日を過ごすにはぴったりの話だ。
     へえ、とだけ返したスパイディの好みではなかったらしい。気にせず再生するけど。
     ソファに並んでコーラを飲みながら映画を見ている状況は少し前の俺なら想像が出来なかった事だ。いや、今でも現実感はない。
     今日のスパイディはどうやら暇らしく、黙って画面に視線を向けていた。
     なんでわざわざここに来たんだろう。確かに昼時だしもしかしたら俺が飯を食っていたら昼にありつけたかもしれないけど、ピザじゃなくてシェア出来ない物だったら横取りしてたんだろうか。あり得る。
     そんでもって、きっと俺ちゃんはそれを許しちゃうんだよな。
     駄目男に尽くすティーンの女かよ。いや、あっちはまだ救いがある。なんて言ったってセックスだけならしてくれるかもしれない。
     でも俺の場合はそんな望みなんて無いのにウェブズの我儘を何だかんだと聞いてしまうんだから救えない。
     別にウェブズとセックスしたい訳ではない──とは言い切れないが、俺相手に勃つとかは想像出来ないし、仮に勃ったら凄い。地球の終わりかも。
    「昨日の話なんだけど」
     急に口を開いたスパイディに横目で視線を向けると、スパイディは二本目のコーラも飲み終わってマスクを下げていた。
     映画は今フュリオサが出てきたシーンで、俺ちゃんの好きな場面だ。どうせスパイディのいつもの小言だろうから聞き流そうとしていたら、その考えがバレたのかちょっと、と声をかけられた。
     映画を見ている最中に話しかけるなんてマナー違反だろ。でもここで無視したら後々うるさいだろうから渋々とスパイディの方へ顔を向けた。
    「僕が行った時にはもう君は死んでいたんだけど、その状態の君を此処へ運んだのは誰だと思う?」
     流石の俺も自分が死んでる間の事なんて分かる訳がない。昨日の死に方は結構えげつなかったから、あれは映像にしたら間違いなくR18だろう。
     今の口ぶりからすれば俺を此処まで運んでくれたのは間違いなくスパイディだ。
     死ぬ間際の事や生き返った直後の事は結構忘れる事が多いから、どうして死んだハズなのに此処に帰ってきているかなんて考えなかった。
    「あー、死体運びさせたって苦情か?ピザでチャラになんない?」
    「それは別に良いけど、僕が言いたいのはお礼の話じゃなくて」
     あんだけピザ食っといて?って言葉は多分今のスパイディの機嫌を損ねるだけだろうから飲みこむ。うん、俺ちゃんって大人。
    「もう少し大事に出来ない?」
     ああまた始まった。いざ戦闘になったら俺の事盾にしたりする癖にこれだ。
     よく分からないが、スパイディは自分の目の届かない所で俺が死ぬのを嫌がる。別に俺がどこで死んでたって関係ないだろうし、その善良な心が痛む事なんてないだろうに。
     自分でも言うけど、俺ちゃんが死ぬ事なんて全員ああまたか、位にしか思っていない。
     何を、という主語が無いスパイディの言いたい事が分かってしまう位にはこのやり取りは何度かされた事だ。つまりこのスーパーヒーローは俺ちゃんに無茶な戦い方はするなって言ってる。
    「再生できないアンタと違って、俺ちゃんが死んだり腕が無くなったりするのはお家芸みたいなモンだろ。実際視聴者も俺ちゃんの死に方を楽しみにしてると思うけど」
    「ちょっと何言ってるか意味わからないけど」
     ヤバイ、何か地雷踏んだらしい。これが本当の地雷だったら爆発して俺ちゃんが死んで終わりなのに、スパイディの地雷はめんどくさい上にめんどくさい。
     思わず二回言ってしまう位には面倒だ。
     どうにもならない事を議論するのは無駄だ。確かにただの人間だった頃よりは雑になっているし、すぐ死ぬのは間違いない。
     何度も繰り返しているうちに死ぬことへの恐怖心は無いし、どうせ俺は死ねないのだからスパイディがどうして怒っているのか毎度理解が出来ないのだ。
     生き返るのが分かっているのに、どうして毎度毎度こういう不毛な話を繰り返すんだろうか。
    「どうせ死なないんだから気にする必要なくない?」
     何回思考を巡らせても俺のたどり着く答えはいつもこれだ。
     スパイディと違って金にもならない事をして身を削っている訳でもないし、あくまで仕事だ。俺からすれば崇高な精神で無償奉仕しているスパイディの方が怖い。
     金にもならないのに自分の体を張るなんて事は俺には出来ないし、したくもない。そりゃたまには流れで金に関係なく動く事もあるけど、それは俺の気分次第。
    「…君さ、死んだら記憶の一部無くなったりするだろ」
    「忘れたいクソみたいな事は覚えてるけどな」
    「本当に大事な事を忘れるかもしれないと思ったら怖くならないの?」
     含みのある言い方をするスパイディに思わず首を傾げる。
     もしかしたら俺が忘れただけでスパイディに何か言ったのかもしれない。流石に好きとかそんな事は口走っていないと思うが。
    「君はどう思っているか知らないけど、君が僕の事が好きなのを君自身に忘れて欲しくない」
     心臓が止まるかと思った。いや、本当に止まってくれたらどれだけ良かったか。
     焦った俺の心臓は勝手にバクバクと心拍数を上げて、上手く呼吸する事も出来ない。
     もしかして本当に俺が死ぬ前に口走ってしまったのかもしれない。
    「…まあ、これだけスパイディが好きなんだから忘れないと思うけど。俺ちゃんの大好きなヒーローだし?」
     嘘じゃない。本当の事だ。
     俺はスパイディが大好きで、ヒーローとして憧れている。今の心臓が止まりそうになったスパイディの言葉だって、親愛の意味を超えてない意味かもしれない。
    「でも僕の顔は覚えてないだろ」
     思い切り距離を詰めてきたスパイディに思わず息を飲む。
     俺はウェブズの素顔なんて知らない。どこの誰と勘違いしているか知らないが、いくらなんでもそれは忘れないと思う。
    「君に顔を見せたのはもう二回ある。でも君は覚えてないよ」
     まさか、と言いたいけど余りにも真面目な声で言うからすぐに否定が出来なかった。もしかして本当に俺ちゃんが忘れてる?
     記憶を探る為に思考を動かすが、ウェブズの言うような事なんて全く思い当たらなかった。実は嘘とか?
     そんな嘘をついてスパイディに何か得はあるんだろうか。いや、無い。
     そもそも俺に素顔を見せる事も得なんて無い。
     覚えていない事をぐるぐると思案しても答えなんて出てこない。もしかしたら本当に脳をぶちまけた時にそこの記憶がある脳細胞を落としてきたのかもしれない。
     二回も?そんな事あるか?
    「あ~…、覚えてない、けど。でも俺に素顔見せる利点って無くね?」
    「あるよ」
     あるのか、って口から出る前に首を思い切り引き寄せられた。
     コーラを飲むために口元までマスクを上げていたのが悪かったかも、って思ったのは唇に触れる柔らかい感触からの現実逃避だったかもしれない。
     濃い目の茶髪をした若い男の顔は今まで見た事が無かったと思う。それなのに心の何処かでスパイディだってすぐに認識してしまうから、もしかしたら本当に言っていたことが正しかったのかも。
    「キスする時にマスクは邪魔だろ」
     スパイディ思ったより若いな。童顔なだけかもしれないけど。あれ、これ前も思った事あるかも。
    「スパイディめちゃくちゃ若くない?」
    「それを言われるのは三回目」
     嘘を言っている感じではない。もしかしてもしかすると本当かも。
     何となく気まずくなってしまって視線を落とせば、テーブルの脚に隠れるようにしてこっちを見ていたあの謎の生き物と目が合った。
     にんまりと笑うそいつに心の中で舌打ちをして、中指を立ててやればそいつは手を振って消えた。ああ、やっぱり幻覚だったのかも。
     このスパイディは幻覚じゃなければいいな、と我ながら女々しい事を考えて若々しい彼の頬を撫でた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😍❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    MandM_raka

    REHABILIお題で頂いた分裂したDPのお話【スパデプ】「緊急事態って何?」
     緊急事態が起きたと言われてデッドプールのケイブに来てみれば、珍しく素顔の状態のデッドプール──ウェイドが真っ先に出迎えてくれた。
     室内だというのに厚ぼったいパーカーとスウェットを着ている彼は相変わらずフードを被っていて、今更僕相手に素顔を隠す必要なんてないのに、どうやらこの癖はいつまでも抜けないらしい。
     見た所五体満足だし、緊急事態には思えないなと思っていたけれど。これで下らない用事だったら力加減も出来ずに殴ってしまうかも。
    「流石の俺もあんまり事態を飲みこめてない」
    「はあ?」
    「ハイ、スパイディ~!」
     ウェイドが苦渋を飲むような表情で真剣に言うものだから、状況が分からない僕は首を傾げ──ようとした所で後ろから急に感じた重みに思わず息を飲んだ。
     背後から聞こえた声は聴きなれたデッドプールの物で、けれど僕の目の前にはウェイドが居て。
     混乱する頭で恐る恐る後ろを振り向けば、真っ赤なスーツに憎たらしい程に見慣れたマスクを被った男が僕に抱き着いていた。
    「え…、え?何、これ、誰?」
     余りの混乱に頭が上手く働かなくて語彙力も家出してしまった。この体になってか 4646

    MandM_raka

    REHABILIお題で頂いた糸にぶら下がってキスする二人【スパデプ】「君また腕無くなってるの?」
     騒ぎがあったビルまで来てみれば、屋上でデッドプールが腕を失くしている状態で寝転がっているのが視界に入る。
     普通の人間なら一大事なその状況も彼ならばいつもの事になっているのだから、慣れとは恐ろしい。
     意識はあるのかと近付いてみれば、どうやら意識はあるらしく無事な右腕を軽く上げられた。
    「遅かったな、ウェブズ。殺しはしてないから安心しろよ」
    「そういう問題ではないけどね」
     どうせなら僕の庭で仕事をしてほしくない。
     殺しをしないと僕に言う彼の言葉は九割方守られていて、今までどうしてもそうしなければならない時以外はニューヨークでは殺しをしていない。そのどうしてもそうしなければならない事も無ければいいのだけど。
     彼の仕事柄どうにもそうはいかない時もあるようだし、何よりも彼が逆恨みされた時は手加減をしてもそうはならないらしい。
     もう彼の仕事について口を出すことはやめるようにしているけれど、どうしても何かを言いたくなってしまうのは仕方がない事だと思う。
    「俺ちゃんの可愛い左腕どこいっちまったんだろ」
    「さあね、少なくともここには無いよ」
     よく体の一部とお 4789

    MandM_raka

    REHABILIお題で頂いた蜘蛛はカフェインで酔うらしいスパデプ蜘蛛にカフェインを与えると酔っぱらうらしい。
     詳細はネットの情報しかないがこれはどうやら有名な話らしくて、あくまで生物的な意味の蜘蛛にカフェインを与えるとドラッグよりも酔っぱらうって話を見て興味が湧いた。
     そういえば愛しのヒーローはコーヒーの類を飲んでいるのは余り見た事が無いかもしれない。
     ネットで見た情報では蜘蛛が巣を作る前にドラッグを与えたよりも、カフェインを与えた方がぐしゃぐしゃな巣を作っている。人間にとってはカフェインは脅威ともいえる程の成分ではないが、自然界を生きる昆虫には害になるんだろう。
     確かにカフェインを取るなんて彼らが普通に生きていれば早々無いだろう。
     さて、此処までで今回の俺ちゃんが何をしようか分かったと思う。
     スパイディは人間だけど、その効果は表れるのかって興味が湧いた。酒を飲んでいるのもあまり見ない彼が酔っぱらっているのは見てみたい。
     いつも崇高な精神を語ってくるあの口がどう変わるのか、興味を持たない方がおかしいと思う。
    「でも普通の量じゃ効果出ないよな」
     コーヒーを飲んでいるのは余り見ないが、コーラはよく飲んでいる。コーラにも当然カフェインは入 5994

    MandM_raka

    TRAININGリルデプちゃんと初めての邂逅をするデプちゃん【スパデプ】『ハイ、今回の話は今までのあらすじなんて存在しない。突発的に始まるから覚悟しろよ。一応前提としては俺ちゃんの事が本当は好きなスパイディと、スパイディがめっちゃ好きだけど関係が壊れるのが嫌だから何も言えない健気な俺ちゃんって感じだ。うーん、これだけ聞いて本当に読みたい奴居るの?いかにもインターネットにこういう話をアップしてるファンガールが考えそうな内容だよな』
     俺ちゃんは今とっても疲れているかもしれない。テーブルの上でグラスに寄りかかりながらそう言ってくる小さい謎の生き物は俺ちゃんに見た目だけなら似ているかも。
     何だこれ。どういう仕組みなんだ?誰かの悪戯だろうか。
     そう思って持ち上げてみたら非難するようにピーピー悲鳴を上げていたけど、取り合えず電池か何か入っていないのか探してみる。
     幻覚にしてはしっかり触れるし、本当どういう仕組みになってるんだか意味が分からん。
     意味が分からないのはこの生き物が言っていた謎の言葉も解せない。まあ、後半部分については自分の事だから渋々認めるとして、スパイディが俺ちゃんの事を好きだなんて事は絶対にありえない。どれくらいありえないって、蜘蛛に噛まれて 6844

    MandM_raka

    MOURNING初めてのモブ霊書きかけ供養大人になってから反省する事は山ほどある。
     それは子供には言えないような失敗がどんどんと増えていく。俺が子供の頃は大人は失敗しないものだなんて思っていたが、実際は大人は失敗しても子供に言わないだけで、それを隠しているなり嘘で誤魔化しているだけなのだ。
     ああ、大人になるってのは本当に面倒だ。俺は昔から要領も良かったしどんな事だって適当に何とかしてきた。実際の所、そこまで大きな挫折ってのは味わったことがないかもしれない。
     自分でも思うが俺は何とも悪運が良いのだから。
     話は冒頭に戻る。大人になってから失敗する子供にも言えない失敗の代表、それは酒だ。昨日モブが成人になった記念に俺の奢りで飲もうって誘って、居酒屋で飯食いながら飲んでたのは覚えている。
     そこでベロベロに酔っぱらってモブに迷惑かけまくったとかならまだいい。今回の失敗はそんな事よりも最悪の状況だ。
     まず目が覚めて俺の視界に入ったのは見慣れない天井だ。その上裸だったんだから何をやってしまったかなんてわかりきっている。何ともありがちな展開ではあるが、実際に自分がこの立場になってみて分かったがめちゃくちゃにパニくる。
     酒飲んだ勢 9550

    related works

    MandM_raka

    TRAININGリルデプちゃんと初めての邂逅をするデプちゃん【スパデプ】『ハイ、今回の話は今までのあらすじなんて存在しない。突発的に始まるから覚悟しろよ。一応前提としては俺ちゃんの事が本当は好きなスパイディと、スパイディがめっちゃ好きだけど関係が壊れるのが嫌だから何も言えない健気な俺ちゃんって感じだ。うーん、これだけ聞いて本当に読みたい奴居るの?いかにもインターネットにこういう話をアップしてるファンガールが考えそうな内容だよな』
     俺ちゃんは今とっても疲れているかもしれない。テーブルの上でグラスに寄りかかりながらそう言ってくる小さい謎の生き物は俺ちゃんに見た目だけなら似ているかも。
     何だこれ。どういう仕組みなんだ?誰かの悪戯だろうか。
     そう思って持ち上げてみたら非難するようにピーピー悲鳴を上げていたけど、取り合えず電池か何か入っていないのか探してみる。
     幻覚にしてはしっかり触れるし、本当どういう仕組みになってるんだか意味が分からん。
     意味が分からないのはこの生き物が言っていた謎の言葉も解せない。まあ、後半部分については自分の事だから渋々認めるとして、スパイディが俺ちゃんの事を好きだなんて事は絶対にありえない。どれくらいありえないって、蜘蛛に噛まれて 6844

    recommended works