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    tomokaga0526

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    tomokaga0526

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    リクエストいただいたココマです。ちょっと違う感じになってしまったかもしれないですが、いちゃいちゃさせてみました。

    #ココマ
    cocoa

    「……さん、ココさん !聞いてますか?」

     目の前には口を尖らせた小松くん。
     二人掛けのソファに並んで腰かけ、かわいい顔を眺めていたら怒られてしまった。
    ソファはもちろん二人で座るために付き合いたての時に購入したものだ。
    だから大柄なボクが座っても隣に小松くんの為のスペースは十分ある。
    太ももがくっついてしまうけど、そんなの密着のうちに入らない。
     小松くんのちょっとだけ柔らかい太ももが気持ちいいなあ。
     ちょっと怒っているのもかわいい。
     どうしてそんなに表情がくるくる変えられるのか不思議でしょうがないよ。

    「ココさん?」

     話の途中だったな。

    「もちろん聞いていたよ? トリコがホテル用の食材まで食べちゃったんでしょ」

    「そうなんです!」

     小松くんは、腕組みをして、ぷうと頬を膨らませた。
    ホテルからの依頼で、小松くんがシェフとして同伴して、ハントに行った。
    それは出発前から聞いていたので事情はわかっている。
     そして、ハントした食材を、我慢できなくて食べてしまって、ハントが二倍になってしまった、というわけだ。

    「だけどねえ、小松くん。キミがついて行ったのに、トリコが食べてしまったってことは……」

    「ボクにトリコさんを止められるわけないじゃないですか」

    「獲物が食材になる前にIGOを呼べばいいんだよ」

    「来る前にペロリですよ」

     だろうなあとボクも思う。
     
    「まあ、落ち着いてお茶でも飲みなよ」

    「ありがとうございます」

     小松くんはまんまるなほっぺのまま、ボクのいれたお茶を飲んだ。
    ハムスターみたいなまんまるほっぺで器用にお茶を飲むなあ。
    つついたらフグみたいに、ぴゅーっと水を噴き出すんじゃないだろうか。

    「何ですか?」

    「ううん、何も?」

     お茶を飲み終わったみたいなので、小松くんの口にクッキーを押し込む。

    「あま。うみゃ」

    「でしょう。少しだけジンジャーが入っているから、甘さが引き立つんだ」

    「ココさんはお菓子も作れるんですねえ」

     お、いい感じだ。
     甘いお菓子につられて、目じりが下がっている。
    素直な反応をするのが小松くんのいいところなんだよな。
     きっとボク以外の前でもこの顔をしていると思うと、嫉妬していまうけど。

    「簡単だよ」

    「料理と違って、分量が大切ですからねえ。焼き菓子は後から手直しできませんし」

    「小松くんだってなんでも作れるでしょう」

    「作れますけど……。でもボクはココさんが作ってくれるお菓子やお料理が大好きなんです」

     嬉しいこと言ってくれるじゃないか。
     甘いお菓子にとろけた表情を見せてくれたけど、もしかして、ボクにボクののろけを聞かせてくれたのかな。

    「小松シェフにそう言ってもらえると嬉しいよ」

    「もう、シェフってやめてください」

     またほっぺがぷくっと膨らんだ。

    「ボク、四天王一の優男って呼んだりしませんよ?」

    「それもそうだね」

     素直に認めると、ほっぺから空気が抜け、にへらと笑みがうかんだ。

    「気を付けるよ」 

    「えへへ」

     怒ってる顔をして注意をしたのに、もう表情が変わっている。

    「かわいい」

    「なんですか?」

    「なんでもない」

    「そうだ、話の続きなんですけど」

     話?なんだったかな。
     小松くんのかわいらしさしか記憶に残っていない。

    「トリコさんが」

    「トリコの話か」

    「さっきからずっと話してましたよ」

    「そうだったね」

     小松くんは眉を寄せて、首を傾げた。

    「ココさん、ちゃんと話きいてましたよね?」

    「聞いてたよ」

    「じゃあ、何の話をしてたか言ってください」

    「ホテルの依頼ハントの話で、小松くんが現地で料理して、トリコと一緒に全部食べちゃった」

    「ボク、そこまで言ってませんよ……」

     だいたい見当はつくんだよなあ。
     小松くんが料理欲に逆らえるはずないし、小松くんの手料理にトリコが抗えるはずがないのだ。

    「予想があたった?」

    「大当たりです。ココさん」

    「何?」

     小松くんは、また唇を尖らせた。

    「ちゃんと話聞いてました?」

    「聞いてたよ?」

    「トリコさんがハントの依頼を受けるのって珍しいんですよ。面倒くさがるんで」

    「ふうん。そうなんだ」

     じとっとした顔でこちらを見ている。
     ふてくされてもかわいいね。

    「ココさん、もう少しトリコさんに興味持ってください」

    「キミの口からトリコの名前がでるのは複雑でね」

    「もしかして……」

     言いかけた小松くんに、にっこりと笑顔を送る。
    ちなみにこの笑みは本物だ。

    「嫉妬します?」

    「するね」

     食い気味に答えると、小松くんはちょっとだけびっくりした顔をして笑った。

    「ついでに言うと、話してるキミはかわいい」

    「はあ」

    「別にトリコの近況は知っても知らなくてもどちらでもいいんだ。でも小松くんの話は聞いていたい」

    「はあ……」

    「嫉妬深いボクは嫌い?」

    「そんなこと!」

     小松くんからも食い気味に返事が来た。

    「じゃあ、いいんじゃないかな」

    「いいか悪いかの話でしたっけ」

    「好きか嫌いじゃないかの話?」

    「それどちらも好きってことですよね」

     さすがに小松くんも気が付いたようだった。 

    「少しくらい話の内容に興味を持ってくださいよ~」

     ボクのはぐらかしに、困った顔をして訴えてくる。
    そう言われてもなあ。トリコの話題より、正直小松くんを見ている方がずっと楽しい。

     眉を下げた小松くんもかわいいなあ、と思っていたら、触れていた太ももに軽いパンチがあたった。

    「全然痛くなくてかわいい」

    「ココさん!」

     さすがに本気で怒られてしまうかな。
     でも怒った顔だってかわいいのだ。
     自然に持ち上がる唇の端に、小松くんは気が付いたかな。
     
    「ココさんのバカ」

    「なにそれかわいい」

    「んもう!」

     顔を赤くした小松くんがあまりにもかわいかったものだから、ボクは、次にトリコに会ったらこの話をしてやろうと考えていた。
    小松くんとハントに行ったんだから、話を聞くくらい当然だろう。

    「ほんとにココさんって、ボクの事」

    「好きだよ」

     そう言うと、小松くんは顔を真っ赤にした。
     ボクの恋人は何てかわいいんだろうね!
     
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    tobiuo_tobisaru

    TRAININGちょっとずつ更新。途中でr18になるのでパスワード製になります。
    胸焼けするほどココマ。
    お家でテント1「今日は一日、ここでテントになって下さい」
    「は?」

    長く連なった熱帯夜が開け、翌朝扉を開けたら、晩秋の風が身をすり抜け部屋の温度を下げる。暖炉に火を入れるにはまだ早いけど、温かい飲み物のおいしさを思い出したそんな日に。
    いきなり小松くんが訪ねてきて、開口一番宣言した。
    「テント?」
    「テントです。」
    ボクを押し除けるように家に入ると、いつもの大きなリュックをヨイショと床に下ろした。
    「ハントじゃなく?」
    「テントですって」
    あちこちを見渡して、ソファの前、長めのラグがあるあたりに移動する小松くんに、雛鳥のようについていく。なんだろう、よく分からないが楽しい電磁波が家の中に広がっていく。
    ボクが見守る前で、小松君はソファに置いてたクッションを下ろし、床に並べた。その付近に荷物を広げ出す。大きなふかふかの毛布二枚、ランタン、文庫本、ラジオ、携帯用ガスバーナーに小さな網と小さいやかん。別で左右に下げてきたグルメケースには、食料が詰まっていた。この間ハントに出かけたおすそ分け、ってふうでもなさそうだ。
    2180

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