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    まろんじ

    主に作業進捗を上げるところ 今は典鬼が多い

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    まろんじ

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    星の声14

    ##宇奈七

    トラック5

     夜中の二時を過ぎている。七緒のハーブティーを飲んでから、二時間ほど眠った。気持ちが落ち着いて、大層よく眠れたよ。七緒の茶はいつも、心を安らかにしてくれる。
     ベッドで眠る七緒を覗き込んだら、健やかな寝息が聞こえて安心した。首筋についた赤く細い痕も大分薄れていた。悪い夢を見て苦しんでいる様子でもなさそうだ。時々、うなされている七緒を起こして、ぬるま湯と薬を飲ませて落ち着かせることがある。覚えているか? 今のお前が、そういったものとうまく付き合えているといいのだけれど。
     七緒がそうなるのは例えば、彼女に罰を受けたときや、彼女に理不尽な八つ当たりをされたとき、そして──彼女の「信徒」へ「祝福を与え」させられたときだ。
     あまり、こういう話を七緒本人に聞かせたくはない。きっと、お前の心の負担になる話だ。だが、俺はいつも後悔してばかりいるのだ。彼女がお前にああいうことをさせるのを止められない。俺が知らない間に、お前は「信徒」の前に連れて行かれている。俺も時々は外出するとは言え、彼女がどうやって俺の目をかいくぐっているのか不思議になることもある。俺は常に、お前を見守り、彼女から目を離していないつもりだというのに。
     ……いや、ここで言い訳を並べても仕方がない。お前がまだ十にもならない頃から、彼女から信徒へ「祝福を与える」よう強要されて──性技によって信徒たちを癒すことを求められているのは確かなのだから。
     俺は生まれたときから人殺しだったが、本来子どもがどう育っていくべきなのか、あるいはどういうことを子どもにさせてはならないのか、くらいは理解している。これでも、母親になろうとしていたのだからな。七緒がさせられているのは、紛れもない児童売春だ。やめさせなくては、と思っているのに彼女を止められない自分が、情けなくて仕方ない。心からお前に謝罪がしたい。
     俺と彼女の関わりも、七緒には詳しく話していなかったな。彼女と知り合ったのは、俺が二十一歳の頃だ。
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