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    ankounabeuktk

    @ankounabeuktk

    あんこうです。オル相を投げて行く場所

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    ankounabeuktk

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    添い寝のリク

    添い寝【オル相】(泊まって行ってくれないんだよね)
     寝袋に潜り込む相澤の姿を遠目に、オールマイトは多分認識が間違っていなければ恋人であるはずの彼と夜を共にしても朝を迎えたことはないのだという記憶を思い返して微妙な気持ちで眺めていた。
     夜の営みを終え、幸福感に満たされたまま抱き合って眠りたいのにどうしてか相澤はそれを頑なに拒み、どんなに喘いだ夜もふらつきながら帰って行く。
     気絶するほど抱き潰すのは容易いのに、理由は説明されることがないけれど絶対に隣で眠らないという相澤の決意を強引に覆すのはどことなく気が引けて結局今の今までできずにいた。
     職員室での片隅の彼が、いつもの黄色の寝袋に潜り込む要因が昨夜にあるのだとしても。
     横たわった瞬間に眠っているのだろうなと思う。
     オールマイトは手に持ったファイルを胸に抱いたまま気配を消して黄色い寝袋の塊に近づいた。
     覗き込んでも起きる気配はない。
    「……」
     ああ、ここが自室で、ここがベッドであればいいのに。
     そうしたら、絶頂の余韻に息も絶え絶えな相澤を抱き締めて余すところなくくちづけてそのまま眠りに落とすことができるのに。
     したことはないけれど。
     多分できるのに、相澤がそれを許さないからオールマイトは今日も寝袋で仮眠をとる相澤のすぐそばで、添い寝の代わりに沈黙と共に見守るだけだ。
    「いつになったら泊まってくれるのかな」
     撫でようと伸ばした手を途中で止めてぼそりと呟いた本音がある。しかし応えはない。
    「……よし、テストの丸つけしちゃお!」
     自分を鼓舞するために口にした独り言に、小さな天啓があった。
    「日曜の朝飯、パンが良いです」
     振り向いた相澤はしっかりと目を閉じている。
     幻聴か、それとも?
    「美味しいパン屋さん知ってるんだ」
     わざと聞こえるように向けた声は、眠り姫の鼓膜を震わせたのだと信じた。
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    ankounabeuktk

    DONEお肉さんとやっさんさんのピストロパロの感想文です。
    慣例打破【オル相ピストロパロ】 人の口ん中を散々に舐め回した舌がゆっくりと引き抜かれる。その海のような色をした目は俺を見ているようでいて、きっと自分の世界に入っている。
     テイスティングとはよく言ったもんだ。この人は俺にディープなキスをしてるつもりはないんだろう。俺の口の中に残ってるワインの風味を納得がいくまで探っているだけだ。
     酔った勢いで唇を触れ合わせて伝えた方法は向上心の塊のような人のお眼鏡に適ったらしい。再び求められれば断る理由はどこにもなかった。濡れた唇を重ねて微かに残る香りを味わうだけだったのに、最初に舌を差し込んだのは向こうからだった。
     あの時は求めていた手応えが得られなかったのか難しい顔をして眉が寄せられていたから、風味がわかりにくかったのだなと思った。入って来た舌は上右頬の内側と歯の間からゆっくりと左端まで動いた後、そのまま下に移って反対へ戻って行く。その後、気を散らすまいと身動きを止めた俺の上下の歯の間から奥へ滑り込んで来る。真ん中に平たく寝転んでいる俺の舌を一周、猫の挨拶みたいにさらりと流して舌は離れた。
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