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    yo_lu26

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    yo_lu26

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    スペース読み原稿
    「三千字のアウトプットに三万字の思考が必要って本当ですか?」
    「成人向けが恥ずかしくて書けないのですが、どうしたらいいですか?」
    上記をテーマにしたスペースを開催しました。読み原稿です。メモ書きなので分かりにくいところもあるかもしれませんが、ご参考までに。

    20240203のスペースの内容の文字起こし原稿全文

    ★アイスブレイク
    自己紹介。
    本日のスペースがどんなスペースになったらいいかについてまず話します。私の目標は、夜さんってこんなこと考えながら文章作ってるんだなーってことの思考整理を公開でやることにより、私が文字書くときの思考回路をシェアして、なんとなく皆さんに聴いてて面白いなーって思ってもらえる時間になることです。
     これ聞いたら書いたことない人も書けるようになる、とか、私の思考トレースしたら私の書いてる話と似た話ができるとかそういうことではないです。文法的に正しいテクニカルな話はできないのでしません。感覚的な話が多くなると思います。
    前半の1時間は作品について一文ずつ丁寧に話して、最後の30分でエロを書く時のメンタルの話をしたいと思います。他の1時間は休憩とかバッファとか雑談なので、トータル2時間半を予定しています。長引いたらサドンデスタイム!

    流れの予定表です。

    2/3 (土)20:00〜22:30(予定)
    ホスト:夜(趣味で何万字も文字を打ってる人)
    ゲスト:ソモズーマれなりんさん(趣味で線をひいたり色を塗る人)

    PART ①「3千字のアウトプットには3万字の思考が必要って本当ですか?」スペ

    20:00〜20:20 自己紹介とわちゃわちゃタイム(アイスブレイク)【20分】
    20:20〜20:50 FA作品の話・前編【30分】
    20:50〜21:00 (休憩・雑談)【10分】
    21:00〜21:30 FA作品の話・後編【30分】
    21:30〜21:40 (休憩・雑談)【10分】

    PART ②「恥ずかしくてエロが書けません。どうしたらいいですか?」スペ

    21:40〜22:10 成人向け書く時のメンタリティの話【30分】
    22:10〜22:30 (感想戦・雑談など)【20分】
    〜以降、時間の許す限りサドンデスタイム〜

     2時間半のうち1時間は遊んでるんかーいって思うと思うんですけど、人の集中の持続ってすごい短いんで、30分位ずつでリセットしたほうが楽に聞けると思うんですよね。あとよその人の創作語りを聞くのは30分が限界では??と個人的に思ったり。私には、若かりしころ何時間も創作に興味ない友人を無理やり語りに付き合わせた反省があります笑。だらだら話すと脱線するし、私とれなりんちゃんは脱線しやすいので笑。

    このスペースのタイトルの「三千字のアウトプットには三万字の思考が必要って本当ですか?」について。
    本当ですか?って、あたかもよく言われてるみたいに書いたけど、私が勝手に思いついたことを書いてるので、別によく言われてるわけではないです笑。一応調べてみたら、人は1分間300字で話す。60分話したら18000字、90分話したら27000字なので、今回1時間半から2時間話したら、約3万字です。調べたら大体合ってた。私すごい!まあ、ずっとひとつの作品のこと話してるかわからないけど笑。

    前半は、はじめにも言いましたが作品語りと書いてる時の思考の解説です。

    後半は、成人向けが恥ずかしくて書けません。どうしたらいいでしょう?というテーマについて話します。実はこれは誰にも聞かれたわけではないのですが、メンタリティの話は公の場でも話しやすいので笑。ご質問いただいた情緒エロの書き方、についても少し関わるテーマなので、考えてみました。
    はじめにざっと結論伝えます。
    ◯恥ずかしさを感じなくするための準備を整えておく。
    ◯はじめての作品は、なるべく多くの人の目に触れるところで発表する。
    ◯ 己のパッションとか、欲はどこにあるのか?を明らかにしておく。

     私が考えたのはこんな感じです。詳しくは後ほど話しますー。

    ★本文について 
    メモ:前半話す原稿は9000字目標 
    画像の3枚目までについて前半に話せたらいいけど、間に合わなかったら後半に食い込む。

    「シノワズリ・ギャングスタア」
    ★タイトルについて

    チャイナパロが仮タイトルでした。
    最終は「シノワズリ・ギャングスタア」。
    シノワズリは建築とか食器の模様とかが中華風って意味だけど、まんまチャイナマフィアだとひねりがないなーって思って、語感で決めました。多分あんまり正しい日本語の用い方ではないけど、シノワズリって言葉の響き、かっこえーやん……って思ってる。自分の中のイメージと言葉が一致することがとても大切!

    ギャングスターにした理由。マフィアとかヤクザとかは、タイトルを張るには少し陳腐なワード過ぎる。馴染みがありすぎる。服も、Tシャツって言うよりもカットソーって言う方がおしゃれ感あるみたいに、耳慣れない単語って素敵なんですよね。あ、カットソーはTシャツだけを指すわけではないけども。
    だからマフィアよりも違う言い方がいいなー。ギャングスターとか。そんで、一応簡単に意味調べて、あんまり乖離がなければこの単語でいこう!ってなって、これにしました。シノワズリマフィア、シノワズリヤクザ、シノワズリギャングスタア。声に出したときに、おさまりがいいやつが良いので、脳内で読み上げソフトをフル稼働してますいつも。

    表記について。ギャングスターじゃなくて、ギャングスタアなのはなぜか。タイトルなので、とにかく重めに印象つけたい。
    ギャングスターはつるつる。ギャングスタアのアはざらざらのひっかかり。だから小さいアにしなかった。読んでる人の目を滑らせたいか、印象づけたいか。ミステリーの叙述トリックとかもこの辺意識してるのでは。知らんけど。

    言葉のイメージはいつも大切にしています。オノマトペは補足説明と強調。
    たとえば、
    ニスを塗ってつるつる。
    やすりがけしてざらざら。
    これらの言葉を出したときに、ニスややすりって単語を知らない人もつるつるやざらざらって聞けばイメージ補完になって、そんなに思い浮かべる情景がずれない。たとえば「カチカチのカリグレコ」って書いてあったら、カリグレコはわかんないけど、固いことだけはわかる。カリグレコと固い、が結びつく。私も子供の頃はそうしてイメージとセットで読みながら言葉を覚えていったなぁ。あ、カリグレコって言葉は存在しません笑。

    WEBに載せる文庫ページメーカーの作品はタイトルは最後に考える。視線の導線的に最後に読むから。最後にこの言葉で〆て、かちっとするやつを考えたいので、書き上げてから考えます。でも、こんなこと言ってるけど発行する本でも結構最後にタイトル考える派だし、最後までタイトル思いつかない派です。苦手ですね。この作品をひとことでたとえると?という問いへのアンサーがタイトルなので。あとはキャッチーさとかでつけることもある。

    【本文前半】

    ★まず今回はFAなので、写真を観ながら作品のイメージを固める。映画の予告編とか、ショートムービーとか、MVみたいに、かっこいいの要素を短時間に詰め込んだ作品にしたい。文章を読んだあとに、写真がバーンと嵌まったときに納得感とか余韻とかが感じられる構成が理想。私はいつもRaiさんの写真にバチバチに仕上がった「凄絶な美」を感じているから、近寄りがたさ、物騒さ、恐ろしさ、かっこよさの要素は外せない。迫力とめりはりのある美しさを映しとりたい。

    1、路地裏の奥には秘密が仕舞い込まれている。
     文頭はとても大切。色んな本の文頭だけ集めると大分センスのよいフレーズがたくさん吸える。暗い話なら重厚に、軽い話ならライトに、初手の一文が与える印象は作品全体の世界観になるので、かなり大事にしてる。もちろんミスリードや、ギャップを出したいときにも使える。軽くはじまって重く終わるのは死ネタで私が好んで使うやり方ですね。

    今回の出だしはすぐ思いついたけど、結構気に入ってる文章。不穏だけど、興味を掻き立てつつ、上品。本の帯に書かれるような文章を思いつけたので満足です。
     まず、路地裏ってのが私の癖ポイントです。双子、路地裏めちゃ似合う。仕舞い込まれている、の漢字の並びのカチッと加減も私好み。主語はふわっとするけど、かっこいいからOK。音読で読み上げてすっと読めるかどうかの点も合格でしょう。
     秀逸な文のはじめって何回繰り返しても飽きない。漫画でもよくある、夏目友人帳の導入モノローグや、血界戦線の導入モノローグも毎話同じなんだけど、すごくイイ。この辺がうまく思いつけるとぐっと書きやすくなる。私はプロットも立てずゴールも見えないまま走りはじめるタイプ。書いたら物語が始まる型の思考回路なので。

    2、秘密を食らって商売をするやり手の銀髪の男が営む、薄暗い路地の突き当たりにあるその店は、裏の界隈では密かに有名だった。対価を払いさえすれば、どんな望みも叶えてくれるのだという。
     ここはちょっと銀髪の男、にかかる前の文章が長すぎたかなーとも思ってる。説明がだらだら書かれると情報を取り落とすから。でも、アズールのかっこよさは沢山詰め込みたいから沢山かいた。秘密を食らう男、かっこよ……。うっとり……。ブラッシュアップの余地はあるけど、許容範囲です。食らって、という乱暴な表現で、強さ野蛮さ裏社会感、非合法感もお伝えしたい意図あり!意図ありスタンプ欲しいな。意図があるところにポコポコ押してくの。
    ちょっと一文が長すぎたかな。男が営む店は有名、とこれだけのことを言いたいんだけど、盛っちゃった。視点は誰なんだろうこれ……。神の視点かな。私は一人称とか神の視点とか結構視点をくるくる変えてしまうタイプなので、長文のときはやや混乱するかもしれないけど、私はこの書き方が好きで書きやすいのでよし!


    3、人に言えない、後ろ暗い事情を抱える人々が最後に縋りつく場所。
    そんな噂を聞きつけて、今日もまた客がその店を訪れる。」
     この辺は店の説明なんだけど、あんまり取り扱い説明書みたいにしたくないので、叙情的に。縋りつく場所って言葉のチョイスも後がない感じとかを出したくてこのフレーズにしました。短い文章の場合は短い言葉でも、説得力を持たせないといけないので、言葉選びはじっくりめに。これが長編なら、後ろ暗い事情の設定まで盛り込まないといけないのでそれはそれで大変。マフィア同士の抗争なのか、国を敵に回したのか、善良な市民が巻き込まれたのか、などいろんなバリエーションが考えられますね。
     そんな噂、はどんな望みも叶えてくれる、という噂のことです。双子が流してるかも。これから、お客さんが来て話が展開しますよーというアナウンス。読者の意識誘導の意図あり!

    4、ガタガタバタン!と乱暴に扉が開かれる。途端に店内に充満していた芳しい香の匂いが立ち込めたが、客の男はそんなもてなしに気づく余裕はないようだった。
    「……っ、はぁっはぁっ……! 頼む、助けてくれ! 追われてるんだ!」
     ぱくぱくと口を動かして喘ぐようにその客は言った。服装は乱れ、顔は汚れ、まるで血溜まりを駆け抜けてきたかのように裾が血で汚れている。

     オノマトペ大好き芸人なので、許されるなら全ての文章にオノマトペをつけたい。軽妙洒脱な文章をリスペクトしている。漫画みたいな小説を書くのが好きなので。漫画書けないから小説書いてますけど漫画描けるなら漫画描きたいだー本当は。一番好きな媒体は漫画ですね。オノマトペを多用すると軽々しくなりすぎるんで、私はややもったいぶったような言葉とか、文章表現ならではの、ちょっとかための言葉も混ぜ合わせてバランスをとっています。この文章の中だと、芳しい、とかがそれに当たりますかね。お香の香りがする店って怪しい感じある。このお香の感じも白檀の香り(お寺の匂いとかですね)なのか、オリエンタルなお香なのか、香水系なのか、ウッディなリラックスムードのお香なのか、いい匂いなのか、きつい香りなのか、読む人が自由に想像したらいいなーと思ってます。私の中にこんな匂い〜っていうイメージはあるけど、言語化できません笑。どこかで嗅いだ匂いだけど、それを定義づける言葉を知らないから、○○の匂いって言えない。
     あとね、匂いが立ちこめたって表現は、文法的には合ってるかわからんけど、これがいいなーって思って使いました。鼻腔をくすぐる、とかでもいいんだけど、男は匂いになんか気付いてないからその描写は矛盾が生じるので、使えなかった。状況説明的にあたりに漂ってるんだよーってことを書きたかった。漂う、よりも、立ち込める、の方が動きがある言葉なので、その辺もあえて意図的に選んでます。漂うっていうのはゆっくりどこかから風に乗ってふんわり、のイメージで、立ち込めるっていうのは無からきゅうにむわっと大量に現れる感じのイメージある。そうだ、言葉に対してのイメージはかなりしっかり私は持ってるので、それは文章書くときにすごく意識するので、情景が浮かびやすいって言われるのかもしれないですね。
     店の中に香をたきしめて客をもてなすという店主の美意識も合わせて描写できたし、店内の独特の空気感、どたどた駆け込んで入店していいような店ではないのに駆け込んできた男の無作法な感じ、ということも演出できてる。これが長編なら伏線にも転じられる。このお香に実は気を緩ませて口を滑りやすくする効果がある、とか、ね笑。私は、結構序盤のこういう伏線の卵みたいなのをちょこちょこ無駄に仕込んでおいて、あとで回収できたら回収するっていう書き方が好きなんですよね。短い話だから、この話では別に何の伏線でもないですけど笑。

    男のセリフは「例の奴らに追われてるんだ」という有名なフレーズに被らないように気をつけました笑。男がどういう状況なのかも説明しつつ。ぱくぱく口を動かして喘ぐのは、魚っぽいので雑魚感を出したくてこういう描写をしました。
     あとここは私の推しポイントなんですけど、血溜まりを駆け抜けてきたように、の表現秀逸すぎる。我ながら思いついたときに拍手喝采でした。この部分だけプロみたいな文章書けた。嬉しい。血溜まりを踏んで逃げてきてるんだもん。相当やばい修羅場が起きてるんだなと、この一文だけで深刻さのレベルを読者に伝えられる。天才。


    5、店の中は、静かだった。他に客はいない。店員の姿も見当たらない。こぽこぽ、と水槽の中で泡立つ空気だけがぬるい静寂を埋めている。ゆらゆらと妖しく揺れる提灯の灯だけでは、店内全てを見渡すことは難しかった。
    「……ここにくれば、なんでも願いを叶えてくれると聞いたんだっ。誰か……誰か、いないのか!」
     男は暗がりに向かって震える声を張りあげた。

     
    文末表現も結構意識してます。だった、ない、ない、うめている。断定系が続くと文章に勢いがつく感じする。このへんから少しカメラが男の内面によります。男は余裕がないので、細切れの情報しかキャッチできませんので一文を短くしています。読者に店の情報を小出しに伝える場面の描写。客の男としてはすぐにでも対応してほしい緊急事態なのに、薄暗い店内で水槽と共に待たせられることによって、読んでいる側も焦燥を共有できるようにしています。あと、この話において主導権を握っているのは店の人間の方だと暗に示している。
     ぬるい静寂を埋めている、とかは私の文章の独特の表現かもしれません。こういう作者の書き方の癖がそれぞれの書き手さんにあって、私はそういう普通はそういう言い方しないけどとてもしっくりくるという表現を読むのが好きです。みんなも好きでしょ?○○さん節、というか、○さんの文章でしか吸えない栄養の部分ですね。私は書くときは女性作家っぽい表現を好みます。店の中は薄暗いんだよってことをどうしても直接書きたくなかったので、提灯、見渡せない、暗がり、で視界が良好ではないことを表現しました。定期的に、絶対に直接的にいいたくないんじゃーい!!っていう駄々っ子を発動させると、説明文になっちゃう事態を避けられるかもしれません。
     声が震えているから、男は正常な状態ではない。びびりまくって、怯えているわけですね。それでもなんとか大きな声を出そうと頑張るので、張り上げる、という表現になります。無理して大きい声出してる。怒鳴りつけた、だと男が強い印象になりすぎるし、読者も男に感情移入しづらくなるので、あえて、はりあげた、になる。漢字の開き方も、びびっている塩梅にしています。「此処に来れば、何でも願いを叶えて呉れると聞いたんだっ。誰か……誰か、居ないのか!」が全部漢字にした場合の表記ですが、これだと冷静すぎるので。

     

    6、「いらっしゃいませ。お待たせいたしました」

     店の奥から、胸元までぴっちりと釦を閉じた黒い中華服の男が滑るように現れる。見上げるような長身で、どこにいても目立つほど整った顔立ちなのに、気配が硝子のように薄い。たおやかで上品な佇まいなのに、どこかひやりとしていて氷を連想させた。
    「どのようなご用件で?」
     柔和な笑顔と落ち着いた声で、冷たい氷水がなみなみと注がれたグラスが載った盆を差し出してくる。息を切らせていた男は、ひっつかむようにしてグラスを煽った。ずっと走りっぱなしで喉が渇いていたからありがたい。よく気が利く店員のようだった。

     みんな大好き🐬くんの登場だよ!登場セリフ迷ったんだけど、一見普通の店員みたいに出てこさせました。待たせたことを微塵も悪いとは思ってないけど、男の息が乱れていることには気づいていて氷入りのグラスをいつの間にか用意しているのは彼らしいかなって。有能さはエピソードで示すと伝わりやすいですね。いくら伝家の宝刀、神の視点が使えるからといって、有能な店員であるジェイドが男を迎えたっていうのはお粗末だから。ボタンを漢字表記にしたのも中華っぽい雰囲気を出したかったからです。ジェイドの描写も結構満足いく感じにかけました。目立つのに気配は薄いっていう、相反する情報を織り交ぜるのは、私がよくやるやり方です。印象に残るから。粗野な人間が優雅に茶を淹れたり、隙のない人がだらしなく寝こけたり、そういうの好きでしょ?私は好きです。気配が薄いのでただものじゃない感じを表したい。写真の10さんの印象は玲瓏で聡明そうな美人さんだし、ジェイドは氷のように美しいイメージがあるので、印象を文字にしました。余談だけど、10さんはスペースでお話をリスナーとして伺っているとのんびりおっとりお話される方でギャップににっこりしました。セリフのところのスペース開ける開けないも意図的にしてみました。ウェブの文章だと基本かっこの前後は一行空きが読みやすいらしいんだけど、余白も含めて総合演出なので私は使い分けたい派。
    グラスを煽る、も特定の動きをイメージさせる言葉ですね。ぐいっと駆けつけ一杯。ひっつかむ、とかも粗野な仕草と余裕のなさを表しています。あと、水飲んでる場合じゃないのに、喉乾いてるからって相手から出されたものを疑いなく飲んでしまう愚かなキャラクターということも表現しています。意図あり!
    視点がころころ神だったり、男視点だったりに変わるのですが、まあいいやろ。仕様です。


    7、「俺を逃してくれっ、このままじゃ、消されちまう……っ」
    「おやおや、随分差し迫った状況のようですね」
    「差し迫ってるなんてもんじゃない! やつら、もうすぐそこまで来て……!」
     男が言い終わらないうちに、扉がバン!!っと吹き飛ぶようにして破壊された。
    「見つけたぞ! ここに逃げ込んでやがったのか!」
     柄の悪いガラガラ声と共に一人の男が乗り込んできた。破壊の余韻にパラパラとかつて扉だったものの木屑が散る。
     
    会話文が沢山続いてしまうと台本のようになるので続かないようにするのが地味に大変です。SSじゃなければ、もう少し丁寧に情景描写もいれるんですけど、テンポ重視で。……のあとに小さいつをいれたり、……の前にいれたり、びっくりマークつけたり、小さいつだけにしたり、バリエーションを変えるように気をつけてます。
    敵が来るよーのアナウンスをしてから敵がくると親切だよね。ある程度、読者が見たい展開があるんですよ。さっさと双子と男にピンチが訪れて話が動いて欲しいからね。読者がスムーズに読むために小さい予想通りを重ねていき、読者が心躍るために大きい予想外を持ってくると読んでて楽しい気がする。多分。
    バン!!と吹き飛ぶ、とか結構稚拙な言い回しなんですけど、勢いがあるからよいことにしました。このように、オノマトペ使うと漫画っぽくなるんですよね。柄の悪いガラガラ声で韻を踏んでます。ここはちょっと遊んだ。ダミ声、とかしゃがれ声、とか、がなり声、とか他にも色々あるけど、酒とタバコで喉を痛めてる裏社会の喧嘩っ早い人となりを表したかった。バン!!っと扉が壊れた、の子供っぽい描写と、破壊の余韻に木屑が散る、という少し上品な表現でしめてバランスをとっています。単純すぎても読み味が物足りないし、ポエミーな表現ばかりでも重たいし、ちょうどいい加減が難しいですね。


    8、「お前ら、全員後ろを向け。言う通りにしろ!」

     男が銃を構えて、男と店員に照準を合わせた瞬間、バチィッと音を立てて男の手が何かによって弾かれ、銃を取り落とす。

    「なっ……?! なんだ、いま何が起きた?!」
    「当店では武器の所持は厳禁となっております」

     店員は慌てず騒がす、床に落ちて足元に滑ってきた銃を丁寧に拾い上げた。

    「よろしければ、力になりますよ」

     店内で銃を出した時点で客認定から外れるので、攻撃OKなわけです。ちゃんと書かなかったからうまく伝わってるか微妙なんだけど、ここは🦈くんが攻撃してます。勢いが重要なので説明は省略。あとでちゃんと🦈は山場で登場させたいし。はじめに男が転がり込んできたときからトラブルの気配がぷんぷんしてるから、🦈くんは待機してたんですね。よろしければ力になりますよ、はオクタのキーフレーズだから、FAだし絶対入れたかった。FAは関係性を主張しすぎるとカップリングになるので、キャラクター単体の概念を強調したい。

     
    9、にっこりと微笑む顔に助けを求めた方の男はぞっとした。店員はこちらと相手とそれぞれに視線を向けている。この問いは、自分にだけ問われているのではない。追手側にも投げかけられているのだ。裏社会に慣れている狡猾な者の立ち居振る舞い方だった。
    「な、なんでも! いくらでも支払う! だから、頼む!! 俺を助けてくれ!」
     男はなりふり構わず、店員に懐から取り出した札束を握らせた。
    「おっと……、先払いですか」
     攻め込んできた相手は、怯える男と店員を交互に見てせせら笑った。
    「お前……、どういうことに首突っ込んでんのか分かってんのか? 金に目が眩むと碌なことはねぇぞ。悪いことは言わねえから、さっさとそいつをこっちに寄越しな」
    「お客様はモノではございません。意志がありますから、はいどうぞ、と勝手にお渡しするわけにはまいりません。そちらへの助力が必要なのであれば、それ相応の誠意ある対価のご提示がなくては。たとえば、そちらが壊した扉を弁償いただく、とか」
    「馬鹿が。んなもん、意味ねぇよ。どうせこの店は今から全部ぶっ潰れるんだからよぉ……!」
     男は、二丁目の銃を取り出すと今度は威嚇するかのように、店員のすぐそばの水槽を破壊した。

     両方に力になりますよ?って提案する🐬くんよくないですか??善悪とかじゃないんですよ。明らかに困ってて追われてる側を匿おうとかじゃ微塵もないわけです。攻撃してきた男がもう少し頭がキレる男なら、ジェイドと交渉して穏便に逃げてきた男を回収できたかもしれないんですけど、完全に🐬くんを優男だとみくびってしまったのでダメでしたね。助けを求めた男は必死だったが故に対価を握らせたので、ある意味客として扱ってもらえる最低限の土台に乗ることができたわけです。
    す、水槽〜〜〜〜!!美しい水槽だったのですが壊れてしまいました。ここで、水槽を壊したのはとにかくなんでもいいからここで銃を撃って何かを壊してもらい、男が銃を気軽に使って何かを壊せる男なのだと示したいだけだったのですが、ここにきて序盤に水槽の描写をしたことが活きてきましたね。助かる〜。水槽は元のお写真にはないので、オリジナル要素でした。最初に水槽の描写を出したのは、暗い店だよ、人がいないよ、という情報だけだと空気感の余白があきすぎるから、水槽のこぽこぽ言う音があると独特な雰囲気も伝わるし、静寂が映えるな、と思って書いただけなんですけど、ここにきて壊してもいいものになったので、書いておいてよかったーって思いました。このように、後からご都合主義的に帳尻を合わせていくの、やりがちです。

    前半はここでおーしまい!

    【後半】
    10、優雅に水中を舞っていた泡が途絶える。磨かれた硝子が飛び散る。中の水中花は無惨に散って、器を失って決壊した水がびしゃびしゃと周囲を汚した。防ぐ間もない早撃ちだった。
    「ああ、店主のお気に入りの水槽でしたのに」
     店員は困ったように眉を下げて、ちらりと粉々になった水槽に視線を向けた。
    「お前らの頭もすぐに、その水槽みたいにしてやるよ」
     男の苛立った声と共に明確な殺意が膨れ上がる。次の瞬間、拳銃を手にしていた男がいきなり店の外まで吹っ飛んだ。しなる影のような足が伸びてきて、一瞬で男の鳩尾を強く蹴り飛ばしたのだ。
    「……お客様以外、うちは立ち入り禁止なんですよ」
     丁寧な口調だが、有無を言わせぬ低い声で息一つ乱していない店員は扇をぱらりと広げた。緋色の扇の影から、ぬぅっともう一人の気配が立ち上がる。店員は一歩も動いていないので、どうやら、この男が追手を蹴り飛ばしたようだった。

    「客じゃねえなら、吹っ飛ばしてもアズールに文句言われねぇよなぁ。ジェイド」
    「ええ、その通りです。フロイド」

     
    お疲れ様です。後半の方が文字数は少ないから少しまけるはずです!
     水槽壊したときに、おさかな死んだらかわいそう……の気持ちになったので水中花にしました。造花に酸素いるんか?よく考えたら酸素いらないなら、こぽこぽ言わない気がするけど、見た目が美しいのできっと泡が出る装置もついてることにしようそうしよう。水中花が入ってるのは描写してなかったから急に出てきたけど、まあいいやろ。蜷川実花氏のお写真みたいな極彩色のお花だと思ってください。これがFAじゃなくて、普通にマフィアパロだったら鑑賞魚を殺してましたね。その方が残虐さとシリアスさが際立つので。床ではねてるのを敵に踏み潰させたりとかして。でも今回は水槽が壊れてくれさえすればいいので。優雅に舞っていた泡が途絶える、とかも詩的でいい表現に書けたなーと満足しています。ジェイドのセリフで店主(🐙)がいることも示唆できました。グッジョブ水槽。君の犠牲は忘れない。
     困ったような表情をしてみせるのも、ジェイドの醍醐味なので。全然困ってないのにね。10さんの困り眉のジェイド、本当に素敵なので入れたい要素でした。
     お前らの頭もすぐに〜〜やられ役っぽい悪役セリフ言わせるの楽しかったです!水槽ありがとね。殺意が膨れ上がったので、もうフロイドくんは完全に客とは看做さない判定をしました。それまでは、ジェイドが「オハナシ」するかもしれないから待て、をしてました。えらい〜お利口で物騒なうつぼ♡うまく書けなかったんですけど、フロイドくんは男の死角になる低い位置から屈んで伸び上がるように上方にキックをかました感じです。いつからそんなポジションにいたのかって?……それはわかりません。でも、そういう登場の仕方はすっごくかっこいいから、不思議な力でそこにいたんですよ。もしくはジェイドの背後にうまく隠れてて、足だけしゅっと伸ばしたのかな。わからないです。前半聞いてくださった方は、きっと、夜さんってかなり綿密に考えながら文章を考えているんだなあすごいなあと尊敬の眼差しを私に向けてくれてたと思うんですけど、推しに関わることは、このように推しがかっこいいこと以上にこの世に大切なことあるか?ないだろ!!とIQが一気に下がり、多少の矛盾などを気にしないスーパーアバウトスタイルをゴリ推ししていくこともあります。漫画も映画も推しが急に見えないところから出てきて敵を吹っ飛ばしてたら恋に落ちるよね?そういうことです。とにかく🦈くんはすごく強くてかっこいいので、片割れに殺気を向けたやつのことを許しません。
    赤い扇を広げる、ジェイドさんセクスィ〜〜〜。赤い扇はお写真に載っていたので、設定お借りしました。🐙くんのジャッジを気にする🦈かわいいの気持ち。隙あらば双子に互いの名前を呼ばせたい性癖持ちです。ここで、アズールが双子に文句を言える立場=店主という紹介もできる!伝わってたかな。伝わっていてくれ。


    11、一人だと思った男は実は二人だったらしい。瓜二つの顔が、暗がりから切りとられたかのように仄白く浮かび上がる。目の前の光景はあまりにも現実味が薄くて、この修羅場に場違いなほど美しかった。まだ若いのに、異様な迫力がある。フロイドと呼ばれた男はジェイドと対称的な印象の男だ。狂犬のような手に負えなさと、どこか冷めたような理性的な無関心さ、種類の違う二種類の物騒な雰囲気を纏っている。胸元をはだけさせた彼は、上等そうな黒檀の衝立に気だるげに肘をかけて、手の中で黒と白の碁石をじゃらじゃらと弄んでいる。さきほどから床に碁石が落ちているのを不思議に思っていたが、銃を弾いたのはこの男が放ったモノらしいと合点がいった。
    「請求は全部アンタのところのボス宛に出しとくからよろしく」
    「くっ、そ……! ナメやがって……!」
     フロイドの放った蹴りによって吹っ飛ばされた男が、ゆらりと身を起こした。軽い脳震盪から回復したらしい。

     一人だと思ってたら二人だったなんて不気味だよね。得体が知れない感じで。双子の醍醐味!このフレーズもお気に入りです。この辺はかなり写真の情景を意識して書きました。Raiさんの🦈本当に本物なので……。理想の🦈くんです。特に大好きな写真があるので、そのイメージでした。制御の聞かない狂犬のような思考の読めなさと、冷静で論理的思考もできる🦈のかっこいいところ全部乗せにしたいなの気持ちで書いてます。どうでもいいやつには無関心で、猫のようなところもある。いろんな種類の物騒さをその身に宿してる。双子は裏社会似合いすぎる。ここも男視点とみせかけつつ、半端に神視点のような、作者の主観的説明パートで少し読みづらいかもしれないんだけど、まあこういう作者の主観を読者は吸いたいところは大いにあると思うのでどんどんやったれ!の気持ちで描きました。Raiさんが写真でよりかかってる衝立の名前調べたんだけど分からなくて……。あの中華っぽい丸いやつなんて言うんだろうね。丸窓?でも窓じゃないし。分からないから黒檀の衝立で誤魔化しました笑。碁石は私のオリジナル要素ですね。びしっと礫をはじいて、敵を無力化してほしい。無理やりモブ男にそのへんの説明を丸投げしました。請求は吹っ飛ばされた男のボス宛に出すってセリフなんですけど伝わったかなあ。伝わっているといいなあ。


    12、「おや。フロイド、ずいぶん手加減したんですね」
    「ウン。ジェイドの分残しといた。ジェイドも結構、あの水槽気に入ってたでしょ?」
    「それはそれは。お気遣いいたみいります」
    「オレも一緒に遊んでいい?」
    「ええ、もちろん」

     そのあとは、しばらくの間、ぎゃあ!とか、あぎぃ!とか、助けてくれ!とか、ひどく汚い悲鳴が断続的に聞こえた。ねじられたり、殴打されたり、人間が拷問のような扱いを受けているとき特有の苦悶の声が響く。客の男はあまりの恐ろしさになるべく店の奥にひっこみ、そちらをできる限り見ないようにしてやり過ごした。ようやく静かになった時には、追手の男の姿はどこにも見えなくなっていた。
     どんな方法を使ったのかは分からないが、二人が追手の男を行方知れずの状態にしたのは間違いない。

    フロイドが本気で蹴飛ばしてたら、しばらく気絶してるので。🐙と🐬はエレガントクラシックな感じで趣味が似ていそうなので、水中花はジェイドも気に入ってそうだなあって。やはり水槽いい仕事してる……。ここにきて二人で暴れる理由づけになってくれた。水槽、ありがとありがと。汚い悲鳴っていう言葉もこだわりがありまして、悪役とか、拷問受けてずたぼろにされる人に使う表現で、なんとなく男性に使うイメージがある。絹を裂くような悲鳴って言葉もあるけど、あれは女性のイメージ強い。別にどんな性別の人のアクションだって言ってなくても、その言葉を聞いて男性をイメージしたり、女性をイメージしたりするのって面白いですね。絶叫とかは特にそういう性別のニュアンスがない。FAなのに拷問させたらまずいかな????という遠慮もあったんですけど、まあ物騒で容赦が無いところを思う存分書きたいからゴー!しちゃった。
    客の男は〜の一文は推敲の余地ありですね。つまんない感じであんまり気に入ってない……。もう少しブラッシュアップしたかったです。震えながら、とか、情報量もう少し足したいけど、すでに冗長な一文だし、あんまり臨場感持たせられなくてむむむ……という感じ。
    追手の男はしまっちゃうツインズによってしまわれました。終(しま)われました。魔法ありの世界観にするか悩んでて、でもこの短い話の中ではそこまで設定詰め込みきれなくて明言は避けました。どんな方法を使ったのかは作者もわかりません。そこに体がある、より、ない、方が恐ろしくて想像掻き立てられますよね。



    13、「さて、取引の話をしましょう。店主のアズールが、奥の部屋でお待ちです」
    「もう心配しなくていいよ。アズールは、アンタのどんな願いでも叶えてくれるから」

     かつて水槽だった硝子をばきばきと踏壊しながら進む二人の後に続いて、男の安い革靴がぱきり、ぱきり……と小さな音を立てて破片を踏んでいく。おそらく、助けを求める先を自分は間違えてしまった、と男は青褪めきっていた。

    「そんなに怖がらないで。温かいお茶をご用意しますから」
    「そうそう。うちのボスはね、困ってる人を助けてあげるのが趣味の慈悲深い人なんだぁ」

     ふふふ、あはは。笑い声と共に開いた彼らの口の中は、地獄の入り口のように真っ赤だった。

     やっとアズールを紹介できたけど、ボスって情報しか出せなかった笑。でも出てこなくても🐙はかっこいいからね!あとまたここで、水槽がいい仕事してくれましてですね。双子は水槽なんて踏んだら怪我しそうなのに、気にせずバキバキ音鳴らしながら進むし、ジェイドも水槽を美しいと好ましいと思っていたはずなのに、壊れたらこんなふうに踏み壊してもなんとも思わないんですよ。体重重いし、靴底に鉄板とかしこんでるのではないかな。おっかねえだ……。オクタには逆らわない方がいいべな……。一方で男はおっかなびっくり、ぱきり……と小さい音を立ててゆっくり進んでいる、という表現も水槽のおかげでできた。本当ありがとうな!!水槽!!という気持ち。長編ならこういうギミックをいくつか仕込めるんだけど、3千字だとこんなものでしょう。今、仕込めるとか偉そうに言いましたけど、完全に後からご都合的にこじつけたことがもうこのスペースを聞いた皆様にはばれていますね。初めから完璧にはできない。帳尻を合わせて生きていこう。幸運にも後から良い仕事してくれる無意識のラッキー伏線、いっぱい仕込んでいきたいです!!

    そして、天才のラストが書けてしまったんだよな〜〜〜〜〜!
    ゲーム初見のときのオクタは本当に怖くて。でも、その分ストーリーが進んでいったときの三人の解像度の深まりによる好きの加速度がすごくてですね、沼りましたね。海の中の博物館に誘われたところで完全に夢を書こうと決意しましたのでね。Raiさんの🦈をみていると、私がモブだったころ(私がモブだったころ?)の新鮮な🦈の恐ろしさを吸えるんですよね。だから、初期のオクタへの原作リスペクトも込めたかったのでラストはとても気に入っている終わり方です。コミカライズもやばい。絵が綺麗すぎて、相当オクタ好きを拗らせている自覚がある私も表紙で気絶しました。
    助けを求める先を間違えたと青ざめるモブと、高笑いするオクタはツイステッドワンダーランドの教科書に載ってたと思うんですよ。必修科目なので……。二次創作に正解なんてひとつもないけど、個人的に正解というか王道っぽい話を、あまりカップリング的な目線を入れずに書けたのは満足でした。私も恐ろしい双子に案内されて、引き返したいのに引き返せなくて青ざめたいな……。
    個人的にキャラクターの内面を書かなかったのも新鮮でした。放っておくと、ねちねち永遠に心理描写を書いてるからいつも。
    多分、私は作品に没入して書いてるので、読む人もなんとなく没入感を楽しめるのかもしれない。没入したい人は好きって言ってくれるのかもしれない。逆にもう少しキャラクターと距離があって俯瞰図で書けると商業作家っぽくなるかもしれないね。でも趣味で楽しく書きたいからとくにそういう書き方になおしたいってわけでもない。

    これだけ長々とスペースで語ってて、私もお気に入りのこのSS、なんと支部では♡1、いいね1という評価です。びっくりするわ〜。みんな読んでないなんて損してるよ。でもRaiさんに喜んでもらえたし、FAだから届けたい一人にしっかり届けられたわけだし、私としては低評価しかもらえない不出来な仕上がりのものを贈ってしまったなんて1ミリも思っていなくて、こんだけ長々と語れるくらい一生懸命書いて楽しかった経験になったのでとてもとても満足しています。書いてよかったーーー。あとRaiさんが乗せてくれたツイッターだと結構♡で反応もらえてて嬉しかった!皆様はRaiさんのお写真に♡をつけてる可能性も大いにあるのだけれど、まあそこはさておく!!

    周囲が見渡せないほどの暗がりなのに、口が赤いなんて見えないのでは?と思ったそこのあなたはとても賢いのですが、ここはぜひ脳内で補完していただき、デズニー本家でうつぼの金色の瞳が闇に残ったみたいに、真っ赤な口の形だけが闇に見えるシーンを脳内再生してください。本当は映像でやりたいけど、できないから皆様の脳内補完が頼りなんです!!そんな感じで、口だけ残るチャシャ猫みたいなうつぼをラストシーンにして、この話は終わります。

    ★成人向け

    成人向けの話のメンタリティの話
    ◯恥ずかしさを感じなくするための準備を整えておく。
    ◯はじめは、なるべく人口の多いところで発表する。
    ◯ 己のパッションとか、欲はどこにあるのか?を明らかにしておく。


    ○露払いとか前さばき、事前準備が必要
    誰もこの作品を書いているあなたのことは知らないんだ、という状態で発表しよう。私も名義を変えました。リアルの付き合いが長いフォロワーさんには私の書くせーじんむけは基本的に見せてません。見れるようにしてるのは二人だけ。現実の社会生活を営むあなたと、成人向けを書くあなたをくっきり分けよう。ファンタジー上の存在として地続きとして考えないように切り離しましょう。
    あなたってこんなえっちな話書いてるんだwという声が脳内で聞こえてきたら、冷ややかに、こいつファンタジーの私と現実の私が別物だって区別もつかねえのか。愚か者めが。と威圧し、は?だから?つまりどういうことを言いたいんですか?そのコミュニケーションで私とどういう感情を共有したいんですか?それを私に聞いてどういう目的を達成したいんですか?ってガチ詰めしてやれ。イマジナリーの声はきっとしどろもどろで答えられなくなるから。
    イマジナリーの羞恥心という足枷に対して毅然とした態度をとり、覚悟と狂気がガンギマリしてる状態になろうゆ!🥹
    成人向けに踏み出すなら、ある種の狂気は必要不可欠だから……。
     
    そもそもどんな作品でも修行僧みたいに一生懸命書いてるので、後ろ指刺されたり笑われたりするようなことでは一切ない、というメンタリティで私はやっています。はずかしーって思って書いてると、脳内のそれって恥ずかしいですよねwみたいな自分つっこみコメントに対して恥ずかしいよねやっぱり、ってなるのは当然なので。
    私は作品に対して、常に全ぶっ込みだから、こういう作品を書いてる作者は他者からみてどうか、に思考を割く余白がないかもしれない。完全にファンタジーだと思って楽しく書いてる。
    でもあんまり、濁点系ばっかり書いてると思考と文章語彙が偏るから、いろんな作風で書くようにしてバランスはとっています。思考の偏りを感じたエピソードとしては、こないだ、居酒屋の看板のなまちゅーをなまなかってでかでかと書いてあるなってナチュラルに読んでしまったのはやばいなって思いました笑。悲しい話書いたら頭軽い感じの成人向け書きたくなったりする。そればっかりだと、飽きちゃってまた違うの書きたくなったりする。成人向けの訴求力はすごい。支部の私の3桁♡はほぼ全部成人向けにつくし。でも、やることが決まってるから飽きやすいんですよね。

    ○お出しする場所を選ぼう
    はじめてのせーじんむけは人口の多いところで発表しよう。これで、♡などをもらって少しでも自信をつけるのだ。私もついってが最大手ジャンルのときに初めてがっつり成人向けに手を出した。支部は結構成人向けを望んで読みにくる人口が最も多い場所と思う。ポイピクならスタンプもらえる。ウェブイベも反応もらいやすい。ただし、感想に関しては一切の希望を捨てよ。最高にえっちでした、しか言うことがないし、詳細に述べれば述べるほど作者へのセクハラになりかねない、という悲しきジレンマを抱えているからです。感想書く側が書きづらいのよね。感想じゃなくてもいいけどさ、スタンプでも数字でもなんでもいいから反応もらえて、よしよしされないと、大人になって新しいことはじめるのは大変だと思うんだよ……。できれば、パクらない、からかって笑わない、などの条件を満たした信頼できる友達とかに見てもらえると確実に反応がもらえてモチベ維持できるかもしれない。人が多いジャンルなら、せーじんむけの需要はとてもたくさんある。


    ○あなたのパッションはどこにあるのか?
    これ、一番大事かも。
    あなたのニーズは、本当に書くことにあるのか、と自分に問いかけてみること。あなたは書きたいのではなくて、実は読みたいのでは?という問いを立てたい。書きたいのに書けなくて迷ってるってことは、そのやりたい、の気持ちじゃない気持ちもあなたは一緒にもってるということだから、そこに向き合ってみようね、という話。

    書く書かない問題はダイエットと似ている。
    痩せたいーと言いつつ食べる。
    書きたいーと言いつつ他のことをする。
    意欲と行動の不一致が起きてる。

    痩せてる人のことが好ましいのか、痩せてる自分が好きなのか?そんな違いがあるかも。

    あなたが好きなのは他者が書いた作品なのか?それとも自分が書いた作品なのか?同じではないと思ってる。
    前ジャンルの私は他の人が書いてるそのキャラを愛してたので、私はむしろ最推しの創作はあんまり書かなかった。
    あなたのニーズは、本当に書くことにあるのか、と自分に問いかけてみること。あなたは書きたいのではなくて、実は読みたいのでは?読むことで満足感や充足感をしっかりと得ているのでは?
    書きたい人は、書いちゃいけないときも書いてしまう。人目を盗み、やるべきことを後回しにし、二次創作をやっている場合では無いのに書いてしまうのだ。羞恥心とかはもう眼中にない。もろもろガンギマリしているからだ。目を合わせない方がいい状態にいる。
    いつも書いてる人が書きたいのに書けないって言ってるのはまた別の問題なんだけど、書いたことない人が書けないって思ってるのは、本当の願いとミスマッチしてる可能性もあるんじゃないかなって思って。
    エロは、いろんなかたちの確固たる欲がないと書けないので。
    もしかしたら、書くのが恥ずかしいなって思う人は、書きたい欲よりも、読みたい欲の方がより強いだけなのかもしれないし、それはそれで、そういう楽しみ方を存分にすればいいので、葛藤を抱える必要はないかなーと思う。恥ずかしい気持ちを無理やり押し殺す必要はないと思う。
    恥ずかしいとかそういうメンタリティを、パッションと欲が置いてけぼりにしてしまうくらいの段階になったら極まってきてるので、存分に筆をとったらいいと思う。そうじゃないなら、本当の望みなのかな?を確認しておくだけでよいのではないかな。

    あとね、憧れていたい、という欲もあると思う。私、昔ぼのぼので読んだんだけど、まだ食べたことない美味しいものを想像して楽しむって遊びをぼのぼのがしてて、私もたまにそういう遊びをしてうっとりしてるんだけど、たとえるならそういう感じかな。まだ世には出てない至高のえち小説を夢想して楽しむ、が本当の望み、ということもあるかもしれない。それだと書いちゃったら楽しくなくなっちゃうから、むしろ書かない方がよいよね。その内容は脳内で抱きしめておいてあげるのが安全かも。アウトプットすると、思ってたのと違って萎えたりするしね。理想にはいつも追いつかないものなのよ。萎えても萎えてもそれでもなお書きたい!!ってなったら、その人は書きたい人なのかなーって思います。

    書けないって言ってる人の書きたいは本物じゃない、みたいに聞こえてたら申し訳ないなぁ。そういうつもりではなくて、書きたいけど書けないことに自責とか必要なくて、今はタイミングじゃない、とか、本当は読むことでも満足してる、とか、どんな気持ちも等しく大切だから自分はどうかな?って聞いてみてほしいし、パッションがどの方向にあるのか、を明らかにするのは創作のためにはとても大切なステップと思っている、という話を伝えたかった。

    私はむやみやたらとハードルを下げて書け書けと言いたくはない。
    書くというのは非常に能動的な行為なのに、書けと言われて書くとなると受動的行為になってしまう。
    能動的でなければ、登山もできないし、仏像も掘れないし、書き上げられない可能性が高い。だから、外野である私は無責任に書けと言えない。本当に書きたい状態にいるか、を問うことが精一杯。

    私は前のジャンルみたいにならないように、他の人の書いた小説をあんまり読まないようにしている。読みすぎると、私が書く必要ないなって思うし、満足すると書けなくなるから。書きたいから、そうならないように選んで行動してる。


    以下は飛ばしてもよいかも。
    ーーーー
    ・納得のいく決めセリフが浮かばないという人がいるかも。ドラマチックな決め台詞が必要なのは、たとえば、付き合う時とかお誘いのときとかですかね。

    「好きです」を言わせられますか?を考えてみましょう。
    好きです、が言えないなら付き合ってるところから、または付き合わない二人を書こう。

    お誘いの台詞を言わせられますか?
    言わせられないなら、もう裸で始まるところから、またはお誘い失敗する二人を書こう。

    自由にいこー。
    ーーーー

    どーしても書きたいんじゃい!!というパッションがかたまったら、次はどんなお料理が作りたいんだい?ってことを考えましょう。

    エロの三類型

    ①読者を説得したいのか≒濁点♡≒擬似的快楽≒選挙演説≒頬を札束で叩かれる≒即物的  ≒ハンバーガー

    ②読者を誘惑したいのか≒情緒≒愛≒歌詞・リリック≒頬を薄絹で撫でられる≒抽象的 ≒フレンチ

    ③読者を体験させたいのか≒濁点と情緒≒愛と快楽≒文芸小説≒頬を掌で撫でられる≒抽象的と具体的とミックス≒和食

    愛を感じる、と、擬似的快楽を感じる、は厳密には分けて考えると方向性が定まるかも。私は全部好きだから全部書きます。でも私の中でも得意不得意はある。客観視したら気持ちが冷めてしまうので、没入のための体力と気力をごっそりもっていかれるし、えっちな推しを生み出してしまうとIQ下がってしまって、その状態で書くからすごい大変。画面の向こうにそういう配信してる推しがいるときのモブおじさん状態の思考で描いてるんだよ。大変さ、おわかりいただけるだろうか。嘘、それは言い過ぎかもしれない。書いてる時はすごい真顔だし、全集中してる。もう、すごい大事な仕事してる時のきりっとした顔してる。アダルト監督に近い感覚。ずっと脳内でフィルム回して、それを手元に落とし込んでる。仕事ですね。たまに服は現れたり消えたりするし、骨折するし、二人とも瞬間移動するし、物理法則とか人体の強度はフルシカトだし、下着何回も脱ぐし、身長差は無視するし、誤字するし、どんな体勢かわからなくなるし、手は三本あるし、最中の声の濁点バリエーションに限界を感じてもう書けねえってなったりするけど、読んでる側もIQ下がるからまあ、多少許されたい。

    私はテクニックの話はできないので、書きたい気持ちが確かめられたのなら、自分はどれが書けるかなーってまずは書いてみたらいいと思う。繰り返すけれど、ほんとにあなたが書きたいのなら、ね。読みたい人は無理やり書かなくてOK。100字とかでいい。書きたいところだけ20文字くらいでもいい。誘惑ジャンルの話が一番羞恥心のハードルが低いのではないだろうか。フレンチなので盛り付けのセンスなどが多少は必要だけど。
    説得系ジャンルはとにかく派手な最中の声をたくさん書いておけば、それらしくなるから細部にこだわらなければ、一番細かいテクニックを要さずに書けるかもしれない。恥のハードルは高め。正気では書けない。

    どんな二人がみたいのか、の欲望を煮詰めてジャムを作ってくれ。そのジャムをきっと美味しいなって食べてくれる人がいるから。最悪自分が美味しいって思って食べられるものが書けたら自信と満足感にも繋がるはず。

    すごい作品が書いてみたいのに書けなくてやだーーになる気持ちもわかるけど、すごい作品ってどう定義するかも千差万別。

    たとえば、すごい分厚い本はすごいのか?文字数とクオリティは必ずしも比例しない。多い文字数のすごさは分かりやすいけれど、1万字は30回読み返す時間をとることは締め切りまで時間がなくてもできるかもしれないけれど、10万字を30回読み返してブラッシュアップすることは容易ではないとわかってもらえると思う。でも10万字書いたらそれだけで表彰されたいから、あんまりクオリティとか期待のハードル上げすぎないでほしい気持ち、イズあります。早くて分厚い本を出すけど、誤字がものすごいことになってる本も結構読んだことある。おそらくノーチェックで入稿してるのかなと思う。でも、それでもいいとその書いてる人が思うなら全然OKなのですよね。

    他者から評価される話はすごいのか?でも、他者からの評価と作品への個人的愛着は必ずしも相関しない。自分的に思い入れがあって好きな話がスルーされたり、やっつけで書いちまったぜ!な話がすごい愛されたり。反応が読めなくて面白い。この世には他人しかいないから、人の数だけ思考がひしめいていて楽しいなぁ。

    まとまらないけど、こんな感じです。
    質問があればウェボへどうぞー。


    おまけ:書いてる視点はどこにある? 
    オバブロの🦈の描写引用する。

    「彼の風貌の中で一際異彩を放っているのは、なんと言ってもその両眼だろう。
    右眼はシトリンのような鮮やかな金の虹彩。瞳孔は縦長で、爬虫類じみた独特の金目だ。おおよそ陸の生物は持ち得ない、深海で爛々と光っていたのであろう蛍光イエロー。
     しかし、午後の木漏れ日の下での午睡から覚めた後はとろりした琥珀に見えることもある。夜の暗闇では妖しく光るアンバーに変わり、眼を細めると三日月のように私を照らした。
     彼の眼のきんいろは私の1番好きな色だ。」

    この辺とかすごい至近距離の視点。



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    yo_lu26

    MEMO2024年5月5日、都内の某逆三角の建物で行われたハズビンホテルのイベントに初めてサークル参加してきました!
    身内用というかフォロワーさん用備忘録です。私のフォロワーさんの名前、めちゃ出てくる。あとは楽しい雰囲気吸いたい方向け。
    初ジャンルイベント参加めっちゃ楽しかったよレポ やー。初ジャンルでのサークル参加めちゃくちゃ緊張しました〜。なんか全体だと五万人以上参加者いたみたいで、ハズビンも300スペくらいあったっぽい!
     急にハズビンの参加決めたからいつも手伝ってくれる友達が都合つかなくて、とても困っていたら、やこさんがお手伝いしに来てくれて本当に助かった!やこさんはオクタヴィネル寮生コーデで来て、私はアラスター推しコーデだったので、もうジャンルがカオススペースでしたが、やこさんの服はいつもかわいいのでオールオッケーです!ウイングチップの靴私も欲しい。私も心はオクタヴィネル寮生と兼務してる!好きな服を着て戦闘力を高めるんや。ここは戦場だから……。
     イベント当日の話ではないけど、今回来れなかったいつも手伝ってくれる友達が、新刊表紙の概念ネイル作ってくれて写真送ってくれて本当に嬉しかった。器用で天才なのだ。ありがとうございました!!
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    yo_lu26

    PROGRESSスペース読み原稿
    「三千字のアウトプットに三万字の思考が必要って本当ですか?」
    「成人向けが恥ずかしくて書けないのですが、どうしたらいいですか?」
    上記をテーマにしたスペースを開催しました。読み原稿です。メモ書きなので分かりにくいところもあるかもしれませんが、ご参考までに。
    20240203のスペースの内容の文字起こし原稿全文

    ★アイスブレイク
    自己紹介。
    本日のスペースがどんなスペースになったらいいかについてまず話します。私の目標は、夜さんってこんなこと考えながら文章作ってるんだなーってことの思考整理を公開でやることにより、私が文字書くときの思考回路をシェアして、なんとなく皆さんに聴いてて面白いなーって思ってもらえる時間になることです。
     これ聞いたら書いたことない人も書けるようになる、とか、私の思考トレースしたら私の書いてる話と似た話ができるとかそういうことではないです。文法的に正しいテクニカルな話はできないのでしません。感覚的な話が多くなると思います。
    前半の1時間は作品について一文ずつ丁寧に話して、最後の30分でエロを書く時のメンタルの話をしたいと思います。他の1時間は休憩とかバッファとか雑談なので、トータル2時間半を予定しています。長引いたらサドンデスタイム!
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