Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    秋月蓮華

    @akirenge

    物書きの何かを置きたいなと想う

    当初はR-18の練習を置いてくつもりだったが
    置いていたこともあるが今はログ置き場である
    置いてない奴があったら単に忘れているだけ

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 372

    秋月蓮華

    ☆quiet follow

    茂島5日目 しませとはくしゅうのかいわ
    ぱららいとひぷまいもよろしくな

    長月に一日一茂島 5日目「茂吉は君と会って変わったよ」

    「……変わったのか」

    島田清次郎は北原白秋と話していた。白秋と言えば偉そうにしている文豪ではあるのだが、対侵蝕者との闘いでは
    ショットガンを二丁銃にして戦う文豪である。煙草を口に加えていた。銃文豪の中でもそんなことができるのは、
    白秋だけだ。何故できるのかと言えば北原白秋だからとしか言えない。
    談話室に来たら白秋が帝国図書館文庫を読みながら煙草を吸っていたのだ。

    「よくわからないといった顔も無理はないが」

    「アンタに対しては刺々しいとは聞いているというか見ている……」

    清次郎からすると茂吉はとてもやさしい人物だ。だから、白秋に対しては刺々しいとは聞いているし、
    見たこともあるのだが、清次郎の中野茂吉とは結び付かないのだ。

    「彼は苛烈なところがあるからね」

    「……アンタもじゃないか?」

    「僕はまだ、穏やかな方だよ」

    嘘だろ、とは想ったが返さないで置いた。ここは受け流すのに限る。白秋は初期のころの三十五人の一人だ。
    この帝国図書館の最古参文豪は清次郎が慕う徳田秋声で初期文豪は織田作之助だ。
    清次郎は生前、白秋を批判したことがあるが、今も批判することはないというか穏やかにしているが、
    どこかしろ白秋は怖い。

    「機嫌が悪いようだが」

    「僕が食べようとしていたカステラが石川君に食べられてしまってね」

    「それは機嫌が悪くなってしまうな」

    「ロールケーキも石川君に食べられてしまった」

    「……空腹だったんだな……石川啄木……」

    彼を見ないんだよね、と言いながら白秋は煙草を吸い続けているが、ここでもし啄木が白秋の前に姿を
    表してしまったら殺られるといったところだ。

    「白秋。煙草を吸いすぎじゃないか」

    「吸いたいのだよ」

    「島田君、金木製の紅茶があるから飲まないかと言いに来たのだが」

    「――ああ。もうそんな季節なのだね」

    空腹だったとしか言えなかったのだが、そこに斎藤茂吉が来た。金木製の紅茶は帝国図書館が秋になると
    良く出される紅茶だ。紅茶の中に金木製が入っている。清次郎が転生したばかりのころに出されたお茶でもあった。

    「石川君が森先生を手伝っているので私の方の手が空いて」

    「へえ、彼はそこにいるのか」

    「探していたのか?」

    「カステラとかロールケーキとか食べられたんだと」

    そうか……と茂吉は呟いていた。そんな茂吉を白秋は楽しそうに煙草を加えながら眺める。

    「島田君の前では大人しくなるね」

    「……大人しく……と言われても煽ってくるのは」

    「何かあったらラップで勝負すればいいんだ。俺もするから!」

    茂吉の方がヒートアップしそうだったので清次郎はとっさに止めた。止めてしまったのは怒っている茂吉は心臓に悪いからだ。
    白秋も怒ると怖いようだがこの二人が争っていると止められる者は少ない。

    「ラップか……そういわれるのは初めてなのだよ。君と対決してみるかい?」

    「するな。島田君も何故ラップに」

    「咄嗟にだ……俺はキンモクセイの紅茶が飲みたい」

    「飲みに行こうか」

    話題を変えることに成功する。また白秋が面白そうに眺めているなと清次郎は感じながらも茂吉の白衣の袖を引っ張った。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works