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    秋月蓮華

    @akirenge

    物書きの何かを置きたいなと想う

    当初はR-18の練習を置いてくつもりだったが
    置いていたこともあるが今はログ置き場である
    置いてない奴があったら単に忘れているだけ

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    秋月蓮華

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    タイトルが物凄い適当ですが一人称練習で書いたものです。
    テニスの王子様で不二裕太の一人称
    管理人さんが良く喋る

    #テニスの王子様
    princeOfTennis
    #聖ルドルフ学院
    st.RudolphsCollege
    #不二裕太
    fuyutsukiYuta
    #観月はじめ
    #木更津淳
    junKisarazu

    休日の朝に【休日の朝に】

    聖ルドルフ学院の寮にやってきて一か月が経過した。
    兄貴と比べられるのが嫌で青春学園からルドルフに通うことにして寮生活。両親はそれを許してくれた。
    ええ両親やねとは管理人さんが言っていた。ずっと青春学園に通って、兄貴と比べられ続けるよりはマシではあるのだが。

    「背の小さい子いじめたらあかんよ」

    「管理人さん。酷……」

    「野村は裕太から見れば小さいだーね」

    寮のリビングにてノムタク先輩が弟君とかいきなりからかってきたので、背後から拳でぐりっとしていたら管理人さんが止めてきた。
    小さい子と言っている。ノムタク先輩は背が小さい方だ。百六十センチもない。
    リビングには先輩たちがいて、各々で休んでいる。今日は休日だ。管理人さんはガラスのティーポットで紅茶を入れている。
    管理人さんは身長が百八十センチを超えていて糸目だ。
    柳沢先輩が笑っていて、隣にいる木更津先輩も笑っている。

    「全く……朝から騒がしいですよ」

    「観月さん」

    「紅茶、淹れとるからね。君の実家から送ってきたラ・フランスも切るわ」

    「ありがとうございます。……食べきれないから送ってきたんですよ。おすそ分けです」

    観月さんが手にハードカバーの本をもって来た。薔薇が描かれているシャツを着ているが、観月さんのセンスは独特だとなる。
    この寮はテニス部と野球部とちょっとだけの他の事情持ちの生徒がいるが殆どがテニス部だ。

    「あんまり、ラ・フランスって食べない気がする」

    「でしょうね。育てるのが手間なんですよ。この梨は他の品種もありますから。食べてください」

    「いくつかの品種、送ってきたからねぇ。ラ・フランスもいろいろある」

    木更津先輩のいうようにラ・フランスはそんなに食べる機会がないなとなる。
    観月さんは実家がさくらんぼ農家だという。農家づきあいもあってか果物を実家が贈ってきてくれるのでおすそ分けをしたり
    みんなで食べるのだ。ノムタク先輩から手を放して俺は椅子に座る。管理人さんが人数分の紅茶を入れて配ってくれた。
    角砂糖が入った陶器製のポットが置かれたので俺は一口紅茶を飲んで美味しいと想いながら砂糖を五個入れた。
    一口だけ飲むのは観月さんが紅茶を味わってください裕太君と言ってきたからだ。

    「濃い……ルフナでしたっけ」

    「そうそう。フレーバーティもあるんやけど、こっちがええかなって」

    「美味しいです。淹れ方が上達しましたね。管理人さん」

    紅茶の味は分かる。母さんも淹れてくれたから。ここよりは飲まなかったけれども。
    フレーバーティは好みが分かれる。観月さんが機嫌よく紅茶を飲んでいた。前に赤澤部長が紅茶を入れたときに
    煮出せばいいんだろうとか煮出したことがあった。飲めたけど。
    ルフナはスリランカの紅茶で、濃い目に出してくれていた。ミルクティーにしてもおいしい。

    「今日は休日やけど、いずれにせよ一泊するんやったら連絡してな。帰りが遅くなる時も」

    「分かってるだーね。連絡は大事だーね」

    「自由があるからな」

    男子寮の面々は分かっているが管理人さんは管理を緩くしているようでしめているところはしめている。ルールさえ守ればいいと
    してくれているし、信用はしてくれているのでそれを破るわけにはいかないとなるのだ。
    ラ・フランスが小皿に乗せられて横に置かれていた。たまに管理人さんは気配がない。先端が二つに割れている
    フォークも置いてあったので梨を突き刺して食べる。しゃりしゃりしすぎていなくて、柔らかい。

    「! これ、すっごく美味しいです!!」

    「良かった。農家の方も喜びます。電話でお爺さん越しに伝えておきます」

    「美味い」

    叫ぶように言ってしまった俺に観月さんは優しい視線を向けて、紅茶を飲んでいた。穏やかな人ではあるんだよな。
    かき乱されるようなことを言わない限りは。言ったらとても起こる。ノムタク先輩も勢いよく梨を食べている。

    「君の方言、聞くけど分からんよねぇ」

    「管理人さんの方言はまだ分かるけど」

    「……悪かったですね」

    「コンビニで薪が売っていないと呟いた観月を覚えているだーね」

    観月さんは山形の人だ。管理人さんは……京都、とは言っていた。標準語で話してくれている観月さんだが、
    実家の方の家族と話すと方言まみれになってしまう。

    「芋煮でしたっけ」

    コンビニで薪と言えば俺は前に聞いた話を思い出した。
    芋煮という山形県や宮城県の食べ物があり、そのために県内では時期になるとコンビニですら薪は売られているという。
    発言の仕方によっては戦争になるらしい食べ物だ。

    「ええ。時期になると芋煮会を」

    「……六角が食べてみたいって言っていたから観月に作ってもらおうかな」

    「海辺の芋煮会?」

    「あれは河川敷でやるものなんですが」

    芋煮の時期は九月らしいが九月はとっくに過ぎている。六角は千葉にある木更津先輩が前に通っていた学校で、
    俺の友達の佐伯さんもいる。ノムタク先輩はすでに梨を食べ終えていた。

    「練習試合とかせんの?」

    「考えておきましょう。六角中とは話しやすいですから、仲良くしておきたいものです」

    「魚介類貰ってきたら助かるなぁ」

    「……なんですかその母親発言」

    「管理人さんは寮での俺たちの親みたいなものですし!」

    観月さんの仲良くは含みがあるようだが、六角中は好きだ。リビングでの会話は疲れなくてすむ。
    家だと、兄貴と顔を合わせたりすると、とても疲れたから。


    【Fin】
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