クリスマスの後に。(翔アラ)不意に視界が赤く、そして眩い白に染められていく。あまりの眩しさにぎゅっと目を瞑り、それから片手を翳して瞼を開けば見慣れた部屋が視界に広がった。どうやらカーテンの隙間から漏れる光の筋が丁度、目元に掛かったらしい。
ゆっくりと身体を起こしてから一つ、両腕を上げて背筋を伸ばせば隣からもぞりと布が擦れる音が聞こえる。そちらへ視線を移せば、ふわりとした銀髪が枕と毛布に埋もれていた。
「(……ああ、そうか。昨日泊まってったんだったな)」
起こさないようにそっと頭を撫でてから自身が起き上がった際に捲れてしまった布団を掛け直してやれば、満足そうな笑みを浮かべた寝顔が毛布の隙間から見える。昨夜はケーキやピザ、フレンチフライにチキンとクリスマスらしい豪華なラインナップの飯だったからか、時折「まだ食う……」と寝言を言いながら口元をもごつかせているのが妙に愛らしく、自然と笑みが溢れていた。
1955