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    shinri_doe

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    shinri_doe

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    総受けです。
    ウリセンボーイ虎と客たち。
    ストーカーは一体だれ?という話
    カプはめぐゆじ、甚虎、五悠があります。友情出演夏。

    ウリセンボーイの虎杖悠仁に恋する高給ストーカーは誰か「マジかよ……」
     ゴミを荒らされた、郵便物を盗まれた、と来れば部屋に盗聴器の一つや二つあってもおかしくない。だからよく探してみるといい。そうアドバイスをくれたのは店長の夏油さんだった。
     今俺がため息をついている理由はと言うと、店長の予感がズバリ的中していたせいだ。コンセントを外すとその中から盗聴器が出てきた。えーっと、俺は今から他のコンセントも全部確認しないと寝れないってこと?もう深夜二時なんですけど。
    「マジかよぉ……」
     俺は涙目になりながら、八つ当たりの意味も込めて盗聴器を拳でぶっ叩いた。それが砕ける音よりも、拳が床に衝突する音の方が大きく響いた。集合住宅だから苦情が来るかもしれない。でもこっちは正直、それどころじゃないのだ。
     ウリセンを初めて一年ほど経つ。手っ取り早く稼げるし、キモチイイことも好きだから、この商売は割と気に入っている。よく指名をくれて金払いのいい客……所謂「太客」というのが俺にもいる。

     一人は放送作家だという「スズキ」さん。素人童貞丸出しといったかんじで、いつも長い前髪で顔を隠している。多分歳は同じくらい。顔を出せばモテそうなのに、どうやら自分に自信がないらしい。ただ、何度か俺を指名するうちに段々とコツを掴んできたみたいで、最近はやたらと……上手い。最初はただの演技で出していた俺の喘ぎ声も、堪えきれずに漏れる本物の喘ぎになってきている。乳首は性感帯じゃなかったんだけど、スズキさんが執拗に触るので開発されてしまった。この人が、容疑者その一。

     もう一人。最近俺を気に入ってくれてる「トウジ」さん。変わった名前ですね、と言ったら本名だと笑っていた。風俗店に本名で予約を入れる人は少ないのだけど、トウジさんはとにかくワイルドなので他人が生き様に口を出す隙がなさそう。ギャンブルがめちゃくちゃ好きらしくて、最近は……なんだっけ、競馬の大きなレースで100万?とか勝ったって。大きな金はさっさと遣う主義らしい。そんな金銭感覚だから多少ムラっ気はあるけど、多い時は週に四回ほど指名が来る。背が高くてセックスがうまくて、体に傷がたくさんある。おそらくカタギの人間じゃない、怖いから深入りしないようにしている。この人が、容疑者その二。

     指名数ダントツトップなのは「六条」さん。イメプが好きらしくて、プレイ中は「先生」って呼ばされる。教え子にイタズラする先生というシチュエーションに燃えるらしい。オプションめちゃくちゃつけてくれるし、必ずロングコースだから儲かる。かなりの美形だし社長さんだって話だったから、風俗なんか利用しなくてもモテそうではある。でも、理由はなんとなくわかる。絶倫すぎる。最高記録は一晩で十二回だって。途中から数えてなかったから大体、と言ってたけど。そんなん、死ぬわ。それに大きすぎる。え?何がって?言わせるな、そんなこと。この人が、容疑者その三。

     以上の三名が容疑者筆頭。他にも怪しい人がいないわけではないんだけど、こと俺に執着してそうな人で言うとこの人たちが怪しい。
     スズキさんはこういう陰湿なことをしそうなタイプではある。いかにもモテない感じだし、俺のプライベートをやたらと知りたがる。最寄り駅とか、出身校とか質問してくるんだけど、そういうのはお店の規定で答えられないんです、といつも断るのだ。
     意外とトウジさんの線もあり得る。ギャンブル好きな人って変なところマメというか、新台入荷チェックとか、競馬ならちゃんと馬のことやパドックの状態なんかも把握してないと勝てないって言うし……俺のことを飼いたい、らしい。そういう発言もプレイの一環かなと思って聞き流していたけど、本気だったら彼が犯人ということもありそう。
     六条さんは優しくて紳士的だけど、プレイは粘着質だし腹の底で何を考えているか分かりにくい。僕の専属になりなよ、は結構言われる。自信過剰気味で、僕以外じゃ満足できないよね?的なことを言ってくる。俺はもちろん「うん」って答える。だって仕事だもん。六条さんがその発言を鵜呑みにして、俺に恋人がいないかどうかを確かめようとしている……うわあ、あり得る。
    「気が重いわ……」
     明日は早速、この容疑者のうち一人の予約が入っている。
     その人の名前は……

    ①スズキ(めぐゆじコース)
    ②トウジ(甚虎コース)
    ③六条(五悠コース)
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    shinri_doe

    SPUR MEなないた新作書けてるとこまでタイトル未定。
    いつ恋愛すんのってくらいものすごくまごまごする。
    書いてる間孤独すぎて耐えられなくなってきたから誰か読んでそして頑張れと言って……
    未定(なないた) 感情をゴミ箱に捨てられたらいいのに、と虎杖は思う。
     顔を見るたびに、声を聞くたびに振り回されるのはもううんざりだ。
    (卒業、か)
     校庭の桜は卒業式の今日に合わせたかのように満開だ。桜吹雪の下には人だかりができ、みんなで写真を撮ったり抱きしめあって泣いたりしている。
    「悠仁くん!こっちおいでよ!」
     クラスメイトの吉野に手招きされる。おー、と曖昧に返事をしながらあたりを見回した。虎杖の探す社会科教師の姿はない。
     最後くらいきちんと挨拶したかった。これでもう、二度と会うこともなくなるのだから。



     工業系の専門学校を出て、大手運送会社に就職した。理由は単純で、車を運転するのが好きだったからだ。
     職場での朝のラジオ体操が好きだ。出勤は午前八時なのだが、虎杖は七時四十五分から始まるラジオ体操に欠かさず出席していた。営業所長がドライバーは腰を痛めやすいからと始めたラジオ体操の習慣に次第に人が集まるようになり、楽しくなった社員の一人がスタンプカードを作った。参加するとハンコがもらえる。最も、夏休みの児童向けのような気の利いたスタンプではなく「夜蛾」という所長の名前が刻まれた簡素なものだ。それでも、スタンプが溜まっていくのは楽しい。いっぱいになったら何かもらえるんですか、と聞いたら、夜蛾が手製の編みぐるみはどうかと提案してきたので丁重に断った。結果、スタンプを溜めた者が五人になったら飲みに連れて行ってもらえることになった。虎杖はあと三個だ。
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