リーダー:ダイリ「無事戻ったぜ、首尾は」
任務から帰還すると、黒目を剥いたまま、
床にリーダーが倒れていた。
誰かに襲われたのか、気を失っている。
ターゲットには、確実にトドメを刺した。
まさか、オレ等に恨みをもったヤツの仕業か。
「おい、リーダーッ!何が、あったんだ!!」
すぐに上半身を起こし、何度も名前を呼ぶ。
たとえ、奇襲をかけられたとしても。
この人が、ヘマをする真似なんてしない。
焦りと心配が入り交じる中、微かに聞こえた。
「鉄分が……足りねぇ……」
「……は?」
おい、待ってくれ。今、アンタなんて言った。
《鉄分》って、言ったのか。
「鉄分って、レバーとかホウレン草の?」
こくりと頷く。顔色が、とてつもなく悪い。
このところ仕事が、続いていた。ロクに食べて
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