いっぱい食べるお前に夢中 美味しさの秘訣は愛と下心。
さぁ今日は何を作ろうか?
「なぁ知ってるか杏寿郎?意中の相手に手料理を食べさせたがる奴の心理」
「知らん」
天気のいい週末。
公園で陽だまりの暖かさを感じながら俺が作った苺大福を頬張る杏寿郎。
何て愛おしい。何て幸せなんだ。
「手料理を食べさせることで身も心も自分だけのものにしたい。凄まじい愛と執着の表れなんだそうだ」
「俺その気持ち痛い程わかるんだ。この苺大福も杏寿郎の血となり肉となり…たまらんなぁほら、もっと一緒に食べよう」
己の手料理が煉獄を形造る一部になるのだと。猗窩座は蕩けきってだらしない顔で幸福と苺大福を味わっていた。
「猗窩座…」
「ん?どうした杏寿……っ」
煉獄の悩ましげな声と柔らかな唇。
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