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    猗窩煉!!!その他2.5いろいろ

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    猗窩煉鬼化if/無理やり👹にされて幼児退行した🔥さんのお話/🌈 の独白です。
    猗窩煉鬼化if/R-18はコチラ↓
    https://poipiku.com/1622268/3444049.html

    #鬼化if
    ogre-ification

    「猗窩座殿は、わかってないのかなあ」

    無限城に誂えられた自室で、童磨はつまらなさそうに頬杖をつきながらぽつりと呟いた。

    横に控えていた信者が、顔を上げる。

    「教祖様、何か仰いましたか」

    「んーん、なんにも」

    そしてまた沈黙。

    やけに派手な髪色をした男を猗窩座が連れ帰って数日。地下の座敷牢に幽閉して更に数日、童磨の興味が薄れた頃、その男は鬼となってこの無限城に居座っていた。と言っても、猗窩座の自室として用意された部屋から出てくることはなかったし、猗窩座が望んで閉じ込めているようだった。

    聞いた話では、人間の頃鬼殺隊の柱だった男らしい。下弦ノ壱が鬼殺隊の面々の手にかけられたあの夜、命令によりその場に足を運んだ猗窩座が闘った炎柱。

    猗窩座はその男の強さが酷く気に入ったようで、鬼になれと何度も勧誘したらしい。鬼殺隊の人間は責務とか誇りだとか、そんなもののために命を擲つような連中だ。そんな人たちが鬼の勧誘に頷くなんて到底有り得ない話だ。

    どういう形で鬼になったかなどはいくら考えても想像の域を出ることはない。すぐ様思考を放棄した童磨の興味は、すぐに別の事へ移る。

    猗窩座はあの鬼をどうするつもりなのだろうか。

    彼のことだし、強い者を鬼にしたのなら、おそらく鍛錬がしたくて仕方がないのだろう。人間を食うことより、己の強さを極めることばかりを考えている。そんな彼がわざわざ連れ帰ってまで鬼にした人間。

    しかし、その鬼は猗窩座の期待とは裏腹に、人間だった頃とは全く違う何かとして生まれ変わっていたのだ。

    さぞ残念だった事だろう。

    だが、その生まれた鬼の様子を見て童磨は全てを察した。



    「俺は人の気持ちがよくわかるからね。俺にはわかるよ!」

    また信者が顔を上げる。だが、すぐに自分に向けられた言葉でないと分かると、今度は反応することなく黙っていた。



    人間が鬼になる理由は様々だが、その後の変化はだいたいが同じだった。人間だった頃の記憶は消えてしまうが、願望や欲望といった強い感情は残って無意識のうちにその感情に鬼となっても囚われてしまう。しかし、それだけではない。抑圧されていた感情が解放されて、より凶悪な人格へと変化する。そういった場合もあるのだ。

    彼は、あの鬼は、明らかに後者だ。

    人間だった頃の強い感情が影響するなら、彼はきっと弱者を守り続けるだろう。だが、ここには守るべき弱者など存在しない。
    抑圧していたものだって、きっと凶悪な感情などではない。だからこそ、あんな有様なのだ。

    哀れだと童磨は思った。その口元に笑みを貼り付けて、心底そう思った。

    鬼殺隊として弱者を守り続けていた男が、蓋を開けて見ればあの有様だ。抑圧されていたものがあれだとしたら、彼の本質は酷く脆くて弱くて、壊れやすいものなんじゃないだろうか。

    それにあそこまで期待して、無茶をしてまで連れ帰って鬼にした猗窩座も酷く哀れだと思った。

    欲しかったものが手に入った途端、壊れてしまうのは酷くつらい。それは童磨にも覚えがあった。



    猗窩座が、彼の本質に気付いて、求めていたものが決して手に入らないと理解するまでどれくらいかかるだろうか。

    自分が言ってしまってもいいし、何ならあの鬼を更に壊してしまってもいい。

    当たり障りのない日常に色が着くようなそんな感覚。

    「これからが楽しみだよ、猗窩座殿。…それに、キョウジュロウ、もね」

    信者の男がまた教祖様、と口を開こうとした。だがその口は、首は、言葉を紡ぐ前にゴトリと音を立てて童磨の足元に転がった。
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    DONE猗窩煉鬼化if/無理やり👹にされて幼児退行した🔥さんのお話/🌈 の独白です。
    猗窩煉鬼化if/R-18はコチラ↓
    https://poipiku.com/1622268/3444049.html
    「猗窩座殿は、わかってないのかなあ」

    無限城に誂えられた自室で、童磨はつまらなさそうに頬杖をつきながらぽつりと呟いた。

    横に控えていた信者が、顔を上げる。

    「教祖様、何か仰いましたか」

    「んーん、なんにも」

    そしてまた沈黙。

    やけに派手な髪色をした男を猗窩座が連れ帰って数日。地下の座敷牢に幽閉して更に数日、童磨の興味が薄れた頃、その男は鬼となってこの無限城に居座っていた。と言っても、猗窩座の自室として用意された部屋から出てくることはなかったし、猗窩座が望んで閉じ込めているようだった。

    聞いた話では、人間の頃鬼殺隊の柱だった男らしい。下弦ノ壱が鬼殺隊の面々の手にかけられたあの夜、命令によりその場に足を運んだ猗窩座が闘った炎柱。

    猗窩座はその男の強さが酷く気に入ったようで、鬼になれと何度も勧誘したらしい。鬼殺隊の人間は責務とか誇りだとか、そんなもののために命を擲つような連中だ。そんな人たちが鬼の勧誘に頷くなんて到底有り得ない話だ。

    どういう形で鬼になったかなどはいくら考えても想像の域を出ることはない。すぐ様思考を放棄した童磨の興味は、すぐに別の事へ移る。

    猗窩座はあの鬼 1488

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