どんな手を使ってもお前とまだ一緒にいたい【前編】「トレイさん。もし死んでしまったら一刻も早く生まれ変わってくださいね。僕、寂しくて泣いてしまいますから。」
俺の部屋で2人で過ごした翌朝、ジェイドが隣でしくしくと泣き真似をしながらそう言った。俺はその時少し笑いながら、“努力するよ”と言い、ジェイドの頭をそっと撫でた。
幸せそうに微笑んでいたその表情はとてもキレイで…今でもはっきり記憶に残っている。
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そして今日、ジェイドと街でデートをするため待ち合わせの時計台の前に行った。時刻は午前9時50分。すると、いつもは俺より前に来ているはずのジェイドが居なかった。珍しい…。急な用事でもできたのか…。
待ち合わせ予定の10時を過ぎても現れず、[何かあったのか?]と簡単にメッセージを送って、近くのベンチに座り持ってきていた本を読みながら待っていることにした。
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