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    九条 六華

    赤安の女 / 文字書き

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    九条 六華

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    赤安
    緋色の弾丸ネタバレしかないイマジナリースピンオフ

    #赤安

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    九条 六華

    DONE君のお雑煮が食べたい

    ミスラジ先行公開 / 赤安小説
    「君のお雑煮が食べたい」
     
     下半身はこたつの中に潜り込ませ、上半身ははんてんを着て、テーブルの上のみかんを剥きながらテレビを見ていたすっかり日本の冬に溶け込んだ男が、僕を見上げながらそう口にする。似たようなセリフを聞いた覚えがあるなと思いながら、僕はその男の隣に座った。
    「お雑煮ですか」
    「ああ、正月ぐらいに」
     剥いていたみかんをひとつ、僕の口に放り込む。しっかりと熟れたそれはとても甘くていい食べ頃だ。机の上のカゴから僕もひとつ拝借すれば、ティッシュの箱が近くに寄せられる。
     正月。そうだクリスマスは終わって、今年も残り数日だ。約半年前、赤井は「君の味噌汁の味が忘れられない」なんていうくだらない理由を建前にしてこの家に転がり込んできた。そして紆余曲折……と言っていいのかはわからないが色々あり、僕たちは同居から同棲に、友達から恋人になった。そんな二人で初めて過ごすお正月だ。クリスマスもそうだったが、赤井はこちらも楽しみらしい。
    「お雑煮か……何を入れて欲しいです?」
    「ん? 何か違うのか?」
    「地域によって味付けや具材も違うんですよ。東の方はすまし仕立てですが、西の方は味噌ですし、 5464

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    ビョン

    DONE2/13 ライバボwebオンリー Small b@ tch にてPixivで公開しました『眩惑絢爛 -Precious glare-』のライ視点おまけ小話です。
    時系列としては第2章の後から、第3章の途中、「その夜」までの間の話になります。
    僕の番犬 : ライ氏の密かなる悩み 三人でのパーティー任務の翌日、俺は一人で魔女のもとを訪れた。
    「何かしら。あなたが私に用だなんて、珍しいこと」
    「これから、あいつを……バーボンを連れ回す時は俺も呼べ」
    「あら? あんなくだらない任務に呼ぶのは最後にして欲しいんじゃなかった?」
     あからさまな揶揄に苛立つが何も言えない。
    「あの子が気にかかるんでしょ。ええ、分かるわ。それにあなたたち二人で並ぶとなかなか良いことも分かったし……いいわよ、任務に支障が無い範囲であなたも呼んであげる。うふふ、まるであの子の忠実な番犬ね」
    「黙れ」
     魔女の揶揄くらいで済むなら安いものだ。

     どうしてあんな子どものような男がこんな腐ったところにいるのだろう。実年齢を聞いた今でも信じられない。見た目だけの問題では無い、なにか無垢でアンバランスなのだ。凄まじく有能で充分に腕も立つのは知っている。なのにどうにも無防備で、周りが見えていない。特に、自分に向けられる好意や欲望にひどく鈍い。
    1993