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    Beniko_oimo

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    Beniko_oimo

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    昨夜微睡みながら書いてた初小説です。トレジェイです。やおいで拙いですが供養させてくださいませ…

    #トレジェイ
    Trey Clover/Jade Leech

    「寒いな…」
    隣で横になっている愛する人の口から零れたその言葉は、微睡んでいた自分の耳に届いた。
    「寒い、ですか。僕的にはこれくらいが適温なもので、うとうとしていました」
    「そうだよなぁ。人間的には、流石にこの季節、この時間に暖房もない部屋で起きていると肌寒いもんなんだよ。」
    ふむ、とジェイドは思考を巡らせる。人間にはこの気温は寒いので、ベッドで寝る際には基本は布団をかけて寝るのだと陸に上がってからは学んだ。しかしどうしたものか、この恋人はそれでは足りないらしい。何か他に、この人を温められるもの…
    「幼い頃は湯たんぽを布団の中に入れて、兄弟と寝たりしたなぁ。ここに来てから3年近く経つからその温もりも忘れかけていたけど、思い出したら恋しくなってきた」
    そう優しそうな顔で喋ったかと思うと、おやすみ、と呟いて布団を被り直して反対側を向いてしまった。ゆたんぽ、とは一体なんだろう。知りたい、という好奇心を抑える理由もなく、早速スマートフォンに手を伸ばして検索をかけてみる。すると、きちんと蓋が閉まる容器にお湯を入れて、暖を取るために使う道具なのだと出てきた。つまり、トレイさんはご兄弟と暮らしてた頃は湯たんぽに温められながら寝ていた、と。先程検索した画像の中には抱き枕のようなものもあったし、もしかしたら抱えながら寝ていたりしていたのだろうか。その光景を想像して、微笑ましくてつい口元がにやけてしまった。
    先ほども言ったが、僕にはこのくらいの気温が丁度いいし、体温も人間ほど高くない。同じ人間ならともかく、僕がくっついたところで逆に熱を奪う形になりかねない。…無機物のくせにトレイさんに毎夜抱かれていたなんて、なんて贅沢な道具なのだろう。
    湯たんぽに敗北感を感じつつ、そっと布団越しの広い背中にに抱きついてみる。ああ、なるほど、これは確かに、暖かくて心地良い____……









    「……ん」
    「おはよう、ジェイド」
    「ん……おはよ、ございます…?」
    目を開けると、目の前にあるのは広い背中ではなく、がっしりとした胸板だった。ということは、いつの間にか抱き合う形に……?
    「珍しく抱きついて寝てたから、可愛くて暫くそのままにしてたんだけど…」
    「あぁ、」
    貴方を暖めたいと思って、と言葉にしようとした瞬間、目の前にあった身体がぐっと自分に近づいた。ぎゅぅっと抱きしめられて少しの圧迫感と多幸感を感じる。
    「…僕体温低いですから、抱きつかれても寒かったんじゃないですか」
    「ん?んー、暖かかったかどうかは別として、朝起きた時、結構幸せだったよ。
    だからさ、」
    ジェイドを暖めさせてくれと言いはにかみながら腕に力を入れる彼に、敵わないなと内心呟きながらキスを落とす。穏やかな温もりに包まれながら再び眠りに落ちた。
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    Beniko_oimo

    CAN’T MAKE昨夜微睡みながら書いてた初小説です。トレジェイです。やおいで拙いですが供養させてくださいませ…「寒いな…」
    隣で横になっている愛する人の口から零れたその言葉は、微睡んでいた自分の耳に届いた。
    「寒い、ですか。僕的にはこれくらいが適温なもので、うとうとしていました」
    「そうだよなぁ。人間的には、流石にこの季節、この時間に暖房もない部屋で起きていると肌寒いもんなんだよ。」
    ふむ、とジェイドは思考を巡らせる。人間にはこの気温は寒いので、ベッドで寝る際には基本は布団をかけて寝るのだと陸に上がってからは学んだ。しかしどうしたものか、この恋人はそれでは足りないらしい。何か他に、この人を温められるもの…
    「幼い頃は湯たんぽを布団の中に入れて、兄弟と寝たりしたなぁ。ここに来てから3年近く経つからその温もりも忘れかけていたけど、思い出したら恋しくなってきた」
    そう優しそうな顔で喋ったかと思うと、おやすみ、と呟いて布団を被り直して反対側を向いてしまった。ゆたんぽ、とは一体なんだろう。知りたい、という好奇心を抑える理由もなく、早速スマートフォンに手を伸ばして検索をかけてみる。すると、きちんと蓋が閉まる容器にお湯を入れて、暖を取るために使う道具なのだと出てきた。つまり、トレイさんはご兄弟と暮らしてた頃 1160

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    Beniko_oimo

    CAN’T MAKE昨夜微睡みながら書いてた初小説です。トレジェイです。やおいで拙いですが供養させてくださいませ…「寒いな…」
    隣で横になっている愛する人の口から零れたその言葉は、微睡んでいた自分の耳に届いた。
    「寒い、ですか。僕的にはこれくらいが適温なもので、うとうとしていました」
    「そうだよなぁ。人間的には、流石にこの季節、この時間に暖房もない部屋で起きていると肌寒いもんなんだよ。」
    ふむ、とジェイドは思考を巡らせる。人間にはこの気温は寒いので、ベッドで寝る際には基本は布団をかけて寝るのだと陸に上がってからは学んだ。しかしどうしたものか、この恋人はそれでは足りないらしい。何か他に、この人を温められるもの…
    「幼い頃は湯たんぽを布団の中に入れて、兄弟と寝たりしたなぁ。ここに来てから3年近く経つからその温もりも忘れかけていたけど、思い出したら恋しくなってきた」
    そう優しそうな顔で喋ったかと思うと、おやすみ、と呟いて布団を被り直して反対側を向いてしまった。ゆたんぽ、とは一体なんだろう。知りたい、という好奇心を抑える理由もなく、早速スマートフォンに手を伸ばして検索をかけてみる。すると、きちんと蓋が閉まる容器にお湯を入れて、暖を取るために使う道具なのだと出てきた。つまり、トレイさんはご兄弟と暮らしてた頃 1160