Blue Blue Concealing Sky エレベータを降りて事務所の入口が見えたら、口の端をキュッと引き結んで眼つきも気持ちキリッとさせる。自分じゃなんでこんなことしなきゃならないのか……と思ってしまうけれど、でもやっぱり大好きな人を困らせたくはないから。一度硬く握った拳を解いて、心の中の漣ジュンにいつも通りを呟きながら、オレはCOSMICの文字が光る通路を通り抜けた。
「ジュンは何もかも顔に出過ぎるんですよ」
1Rのカウンターキッチンでコーヒーのおかわりを注ぎながら、茨は怒ったような拗ねたような[[rb:表情 > かお]]でそう言った。可愛い子ぶった両手でカップを持って戻ると、凍ったチューペットを齧るオレの前に腰かける。26°の弱風がコーヒーの湯気を浚った。
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