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    hinat

    @1177gnsn

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    のくたの諸々倉庫

    DONE等身大のしあわせを/鍾タル

    (いや起きてるけどね。ストレートに誘わないといけないかあ……ピュアすぎるよ先生……)とか思いつつ嬉しいタルはいます
    青空が夕闇への抵抗を弱め、舞台を夜に切り替える──そんな境目の時間が、思えば俺は好きなのだと思う。
    「公子殿、邪魔をするぞ」
     合鍵と上等な酒を手に、彼の住まいへと足を踏み入れた。璃月におけるその場所はどうやら、公子殿にとっては「帰る場所」というよりは「雨風をしのぎ眠る場所」という認識のようで──家具も生活感もろくにない室内、寝台に横たわる彼は微動だにしない。
    「……公子殿?」
     おかしい、なんの反応もない。彼の立場や職業上、来客が全て好意的なものでないことなど明らかで。それでもただこんこんと眠っている辺り、何かあったのだろうかと胸中が波立つ。
     慌ててその口元に手をかざせば、すうすうと規則正しい寝息を感じた。とりあえず生きていることは分かったが、それにしても不思議なほど、起きない。
    「……薬でも盛られたのか?」
     しかしその寝顔はひどく安らかで、年相応の幼さすら感じられる。これはただ、本当に寝入っているだけか……?
    「公子殿」
     試しにもう一度呼んで、滑らかな頬へと指を這わせた。んん、と少しだけ眉がひそめられるが、やはりそれ以上の反応はない。
    「……相手が俺でよかったな」
     ほんの小 898

    のくたの諸々倉庫

    DONEいずれ永遠へとつながる奇跡/鍾タル人というものは不変の日常に、「いつもと同じ」であることに安堵しながらも、望む以上を与えられれば絶望する生き物だと聞いた。
    「おはよう先生、元気してる?」
    「……ああ、公子殿か。そうだな、健康状態が良好かどうか……という意味でなら、おそらく元気であるだろうよ」
    「はは、どうしたのその言い方。まるで心は元気じゃない、みたいに言ってるように聞こえるけど」
     俺の部屋を訪ねるなり、ソファにどっかりと腰を下ろした公子殿。人好きのする笑顔を浮かべ、けれど深海のように濁る瞳で──しばし思案の海に沈む俺を、「先生?」と不思議そうに呼んだ。
    「どうしたのさ、本当は体調悪いんじゃないの?」
    「……お前たちが異常だと、病的だと呼ぶ事柄について……少し考えを巡らせていた」
    「へえ、例えば?」
    「例えば……そうだな、公子殿はもし今この瞬間から、その身が不老の存在になったとしたならばどうする?」
    「難しい質問だねえ……まあそれが誰に言われたか、どんな瞬間にどのように言われたかでも信じるか信じないかは変わるね。不老かどうかなんてさ、そこそこ時間が経たないと分からないだろうし……というかそこ、不死はつけなくていいの? 1804