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    kle8tri

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    ランチ食べにいくひぜさにの話。
    肥前くんに何かうまいごはん食べさせたい気持ちで書きました。
    前に書いたジュンブラひぜさにの過去話です✨

    eat me食べっぷりが良い男が好きだ。
    だって、見ていて気分が良い。好き嫌いを表に出さず、味の良し悪しをうるさく語りもせず、黙々と、でも美味しそうに食べる男で嫌なやつに出会ったことが無い(もちろん女でも)。
    恋愛的な意味で『ちょっと良いな』と思った相手とは、一緒にごはんを食べて人間性を見極めることにしている。実際、食べ物の好き嫌いが多いひとは人間関係でも好き嫌いが多い気がするし、食べ物の好みが似てるひととはなんとなく気が合う。そんな感じで、食への態度≒人間関係の法則はけっこうアテにしているのだ。
    だから、肥前忠広の印象は最初からけっこう良かった。
    好きな献立はあるけど、食卓に並んだものは何でもよく食べる。食事中はひたすら目の前の食べ物を味わうことに集中していて、何も言わないのに『美味しい』と感じていることが判るハッピーな雰囲気をそこはかとなく漂わせている。かといって味オンチというわけでもなく、鶯丸が馬に食べさせようとしていたニンジン(生)のおにぎりは「悪いがこれは食えねえ」と一刀両断していたし、日本号の見つけてくるゲテモノスレスレの珍味も口に合わないものは合わないとはっきり答えていた。
    勿論、ちゃんと美味しいものを知っている。いつぞや陸奥守が勧めてくれた土佐のお酒やお菓子がすごく美味しくて尋ねてみたら、セレクトは肥前だったらしく、『肥前のは昔からセンスがええきね』と自分が誉められるより嬉しそうにドヤ顔していた。
    まあそういうわけで、肥前に対して期待値が高まっていたことは否めない。

    話は変わるが、うちの本丸は誉予算なるものがあって、誉百個獲得ごとにささやかな御褒美が出せる。酒やおやつのお取り寄せ、話題のお店に一緒にランチ、という感じである。食べ物関係オンリーなのは食い道楽である私の趣味。持ち主に似て刀たちも食い道楽の要素が強く出ているため、こういう制度に落ち着いた。
    で、今月めでたく200個目を獲得したのは、肥前だった。彼の御褒美は二度目だ。前回は特付の祝いも兼ねて焼肉食べ放題だった。とはいえ飲み放題にちょい高お肉などのオプションまで付けちゃったせいで、下手なコース料理も真っ青な出費になった。
    だって、肥前の食いっぷりの良さがあまりに突き抜けて爽快だったのだ。まるで目の前で手品ショーでも見てる分、次から次へと肉が、野菜が、ごはんが消えていく。あんまり楽しかったので、ついついお布施が弾んでしまったというわけ。追加して足が出た分は私のポケットマネーからの出費、つまり私個人からの奢りということになったのだが、大変有意義な時間を過ごせたのでヨシとした。お肉を咀嚼するたびに普段は光の無い瞳にハイライトが入って、ほっぺたが上気して、すっごく幸せそうな表情に変わっていくのだ、あんなに美味しそうに食べてくれるなら奢り甲斐があるってもんである。
    その時「次も肉が食いてえな」とすっかりご満悦で言ってたので、今回も心してかからないとと思っていたのだけど─いざ尋ねてみたら意外な答えが返ってきた。
    「あんたが先週行った店」
    確かに先週の木曜、夕食は要らないと伝えて一人で飲みに出かけた。が、行き先はラーメン屋でも定食屋でも立ち飲み屋でもない。彼が好みそうながっつり大盛りでもこってり肉料理でもないお店だったので、ちょっと戸惑ってしまった。
    なんで?と尋ねたら「あんたから美味そうな匂いがした」と言う。……どういう鼻してるんだろ。
    「何つーか、洋食屋の匂いに似てたけど……なーんか違えんだよ。よく火の通った玉ねぎと肉の匂い?あの匂いの店なら何食っても美味そうだ。連れてけ」



    翌日の昼間。例のお店にご案内したのだが。
    「フランス料理ぃ?」
    肥前は眉を顰めた。ドレスコードのありそうなお堅い雰囲気のお店を想像したのだろう。
    「ご心配なく、気軽なところだから。雰囲気で言えば割烹よりは定食屋に近いよ。もちろん本格的なコース料理も予約すれば食べられるんだけど」
    「肉があれば何でも良い」
    「ハイハイ」
    「けどよぉ、なんで昼間なんだよ? 夕飯じゃねえのかよ」
    「資金的な理由もあるっちゃあるんだけど、単にお得なのよん。千円ポッキリで一番安いコース並の料理が食べられるし、オプション付ければほぼ半分以下のお値段でフルコースも食べられる」
    「味は」
    「美味しいよ。あったりまえでしょ」
    請け合いながら店舗の扉を押す。昨日のうちに予約しておいたので壁際のテーブル席に通された。
    「あ、お昼でもワイン注文できるから頼んで良いよ」
    「肉食いてえし、酒はまた今度にする」
    酒好きな彼にしては意外な答えが返ってきた。それだけ今日の料理への期待値が高いらしい。果たしてお口に合うかどうか。
    とはいえ、がっかりさせないだけの自信はある。万屋街の中でも飲食店がひしめく一角、その中の分かりにくい路地裏にある小さな店、つまりわざわざ探して行かないと辿り着けないような場所にある『知る人ぞ知るお店』なのだが、ランチタイムということもあり店内はほぼ満席。審神者らしき年配の男性と粟田口、政府職員の若い女性グループ、長船の刀たちの一団など、客層も幅広い。
    フレンチというと敷居が高そうなイメージ、和食に慣れた刀剣男士たちは殊更に苦手意識を持ちそうだが、ここはナイフやフォークだけでなく箸が出てくるので気楽で良い。味は本格的なのに気取らない雰囲気というのが受けているようで、いつ来ても客が絶えないのだ。
    「えっと、ワンプレートのランチがおすすめなんだけど、それで良い?」
    「任せる」
    「メイン、お肉かお魚か選べるけど」
    「肉」
    だよねえ。料理名を伝えるより先に即決する潔さ、今日はこれを食べに来たんだという固い決意を感じるなあ。
    お肉メニューのハーブチキンも美味しそうだけど、私はもうひとつのお魚メニュー、真鯛のポワレにした。
    注文を通してしばらく、セットになってるスープが運ばれてくる。浅めのカップに入ったクリーム色にスプーンを浸すと、ふわりと甘い湯気が鼻先をくすぐった。
    「何だこれ、めちゃくちゃ美味え」
    「かぼちゃ、じゃないや。さつまいものポタージュだね。うーん、今日も絶品ー」
    ランチに付いてくるスープは日替わり。コンソメスープの素なんかじゃない、ちゃんと野菜とお肉を煮込んで作ったベースに、季節のお野菜をアクセントにして丁寧に作られたお味で、毎回唸っちゃうほど美味しい。ここ来るたびに楽しみにしてるんだよね。
    今日のさつまいもも、風味はふんわり甘いけど味はそこまで甘甘でもない、けどお芋の風味がちゃんと残っていて、味わいの最後に印象を残していく。
    甘い味付けは好まないらしい肥前も、黙ってスプーンを動かしていた……と思ったらカッと顔を上げて「おかわり」と言った。
    「ファミレスのスープバーじゃないんだからおかわりは別料金だよ」
    「食って良いか」
    「ハイハイどうぞ」
    お酒の飲み放題に比べたら安いもんです。今日は君のお祝いなんだし、お好きなだけどうぞの気持ち。
    別注文のスープはカップじゃなくて、深めのお皿に入って出てきた。またも勢いよくスプーンを走らせるかと思ったら、今度は一口一口じんわり噛み締めながら飲んでるらしい。真剣な表情が過ぎて、顔が怖い。近侍で事務仕事頼んだ時より眉間にシワ寄ってんだけど大丈夫か?
    「おーい肥前ー? 大丈夫ー?」
    「美味え……何で出来てんだこの味……玉ねぎは判る、人参と鶏と何かの香草と……」
    「うわあ味の因数分解始めちゃってるよこのひと」
    人気店の秘蔵のレシピなんかそう簡単に解きほぐせるわけないと思うけど、気持ちはすごく分かる。私も初めてこのスープを口にした時は三十秒くらい停止して味の分析したもの(挫折したけど)。
    そうこうしてるうちに、メインが運ばれてきた。ワンプレートランチでも、ボリュームはある。楕円形の大きな深皿の中央にメインがドーンと鎮座してて、緑と紫が色鮮やかな水菜やフリルレタスがこんもりと盛られ、自家製のハムらしきお肉が三枚ほどとツヤツヤした野菜のグラッセが添えられている。プラス、肥前は大盛りライス、私はバゲットがサーブされ、料理が出揃った。
    肥前の目はキラッキラに輝いていた。
    程良い焦げ目のついた大きなハーブチキンは、こんがり焦げた皮目が美味しそう。炙られた脂とローズマリーの良い香りがこっちにまで漂ってくる。
    意外にも肥前は、箸ではなくナイフとフォークを手にした。
    「あ、お箸あるよ?」
    「箸だと肉が切り辛いんだよ」
    なるほど。軽く切り目は入れてサーブされているようだけど、確かに一切れが大きい。ナイフとフォークはあまり使い慣れないだろうに、危なげない手つきでさらに一口大に切り分けている。長義くんの時にも思ったけど、政府出身の刀たちって和洋問わず食事のマナーがしっかり身に付いてるんだよね。たぶん、護衛なんかでお偉方に連れられて会食に参加する可能性もあるからだろうけど。
    しかし、チキン美味しそう。フォークで軽く押しただけで透明な肉汁が染み出し、何度も食べたことがある私ですら「あっ何ソレ美味しそう」ってヨダレが出そうになる。
    肥前は切り分けた一口大のお肉をひと眺めすると、大きな口を開けて放り込み、キュッと目を瞑ってもぐもぐ咀嚼し始めた。美味しさをじっくり五感に浸透させてる感じ。
    「うめえ……」
    「食レポどうぞ」
    「言葉なんかで表せねえ」
    うん。分かるソレ。
    私もフィッシュスプーンでお魚をひときれ口に運ぶ。あっさりとした白身魚を香り高い油が包み込み、香ばしさと旨味が一気に鼻まで抜けていく。ダメだわ、私も「美味しい」以外の単語が出てこない。日本語忘れそう。
    「この枝、何だ? 食えんのか?」
    「ローズマリーだよ。香り付け用だから、草そのものは美味しくないんじゃないかなあ」
    「あー、肉からこの風味すんな」
    「これ、うちの本丸にも生えてるよ」
    「は? 西洋の香草だろ?」
    「畑の垣根のとこに植えてあるんだけど見たことない? 草というより低木かな。小さい白い花が咲くんだけど、案外和風のお庭にも違和感無いのよね」
    「……っつってもよぉ、これ黒焦げだし分かんねえよ」
    確かに。調理後の黒くなった一片だけじゃ、元の草姿の想像は難しいかもしれない。
    「生の葉っぱもスッキリした香りするよ。今度、草取り当番の時に探してみたら?」
    「燭台切、頼んだらこれ作ってくんねえかな」
    「おんなじ味にはなんないけど、ハーブ揉み込んだチキンを焼くだけなら作ってくれそうだね」
    話しながら私までわくわくしてくる。肥前、楽しそう。この子、こんなに楽しそうな顔するんだなあ。前に焼肉連れて行った時にも思ったけど、食べてる時はホント、容れ物相応の男子高校生って感じの表情になる。
    でも、見た目は男子高校生でも、食べ方はすごく綺麗だ。「いただきます」もそこそこにがっついて食べそうに見えて、ひときれずつ丁寧に口に運んでるし、うっかりポロリとこぼしたりもしない。その「いただきます」も、スープを食べ始める前にちゃんと手を揃えてやってたな。さすが大業物だっただけある、根っこに品格が備わってるんだと思う。
    ふと、口元に目が行った。
    普段あまり開かない口が、お肉を前にしてがばっと大きく開く。そこまでは豪快そのものだけど、そこからは丁寧に肉汁までを噛み締めるようにゆっくりゆっくりと咀嚼して、最後にこくりと飲み込む。
    向き合ってるんだよなあ。食べたい衝動に任せて流し込んでるんじゃなくて、目の前の食材ひとつひとつを味わって食べてるんだ。
    私も、こんな風に食べられたい──いやなんでそうなるんだおかしいだろ。
    唐突に湧いた欲望に脳内でツッコミを入れながら、私は肥前の口元から目を離せないでいた。
    ごはんの食べ方と、女の抱き方は似てるんだっけ。食への態度はすなわち相手への触れ方に繋がる、とかいう話。その理屈で行くなら、肥前はすごく丁寧に女を抱くんだろう。相手の反応ひとつひとつを見逃さず、的確に追い詰めては骨の髄まできっちり味わいながら食べ尽くしてくれるに違いない……なんて考えて、頭を抱えたくなった。
    「あ? なんだよ」
    そんな時に限って唐突に目が合い、座ったまま飛び上がりそうになる。うっわ気まず。いや、気まずいのは私だけで、肥前は何ともないんだけど。
    と、私のお皿ににゅっとフォークが伸びてくる。
    「腹いっぱいならおれが食うぞ」
    「あっ違う違う、考え事してたの! ちゃんと食べますー」
    「美味えもん食ってる時は美味えもんのことだけ考えとけよ。勿体ねえだろ」
    そりゃそうなんだけど。まさか、君の食べっぷりに見惚れてましたとは言えず、曖昧に笑い返しながら残りの魚を摘もうとして、ふと気が変わった。
    「お魚、一切れ食べる?」
    「くれるんなら食う」
    正直だな。相手に気を遣いつつも食欲に忠実。そういうとこも好きだわ。

    …………ん?

    いま私、「好き」って思わなかったか?
    誰を? ……って肥前しか目の前にはいないんだけど。
    正直、びっくりしている。あまりにも自然に「好きだなあ」と思ったことに。タイプか否かで問われれば、こんなにごはん美味しそうに食べる男は間違いなく「タイプ」なのだけど、彼の容れ物はどう見ても高校生、良くて大学生なのだ。自分の年齢考えると十歳近く若い相手に、あまりにも自然にそんな色めいた感情を持ったことに驚いた。
    茫然としながらも切り分けたお魚を一切れフォークに刺して、肥前のお皿の方へ持っていこうとしたところだった。
    「あ」
    あまりにも自然に口を開けて待っていたので、刺してた魚をポロリとお皿に落としてしまった。
    「あっごめん」
    「あ」
    ……まだ口開けてる???
    えっ待って。……ひ、肥前忠広って、こういうカワイイことするタイプだっけか???
    混乱しながらも私の手は勝手に動き、真鯛は無事、可愛くお口を開けた肥前に届いた。
    「んん、んめえなこれも」
    ちゃんと味わって、ごくんと飲み込んでから、嬉しそうに呟く。
    「肉も焼き加減がちょうど良かったが、魚も良いな?皮はパリッとしてんのに、中がまだ半生みてえに瑞々しい。あと何だこのタレ、醤油じゃねえしさっきのスープみてえな……」
    「野菜とお魚の脂じゃないかな」
    「あー、そうか。やけにコクがあって舌に残るんだが、全然しつこくねえんだよ。これも燭台切に頼んだら作れるか?」
    「どうかなあ……調理方法自体は教えたら覚えてくれそうだけど、味が同じになるかは」
    何せ、料理の仕方って人それぞれなのだ。同じ材料、同じレシピで作っても、作り手が違えば味も違う。まして、同じ作り手が同じ材料を使ったところで、手順のちょっとした違いや火を止める、味付けをするタイミングの違い、はたまたその日の気候やお客の入り方なんかでも出来が変わってくる。料理は一期一会であると同時に、唯一無二でもある。同じような味を欲したとして、「これ」という対象が定まってしまった時点で、正解には永久に出会えないに等しい──その味に出会えた場所以外では。
    肥前は私のお皿をじーっと見つめていた。……お魚、もう一口食べたいんだろうか。そ、そんなに美味しかったのなら、最後の一口をお譲りするのもやぶさかではないのだけど。と思ったところで、唐突に顔が上がった。
    「なあ、そもそもこの焼魚どうやって作るんだ?普通に窯に入れるわけじゃねえんだろ?」
    「フライパンで焼くだけだったと思うけど……でも、作り方自体はネット調べれば分かるとしても、必ずこのお味になるかは分からないよ?このソースみたいなのも、ここのお店特有のレシピがあるかもしれないし」
    「そうか」
    「お、お魚まだ食べる?」
    「くれるんなら食う」
    「はいよ」
    今度は口にじゃなく、お皿の上に運ぶ。そのままだとチキンの風味が混ざっちゃうかもしれないから、少しソースを絡めてフィッシュスプーンの上に載せて。
    肥前は迷いなくそれを口に運び、もぐもぐとしっかりと味わい尽くした後、また小さく「はぁ、美味え」と呟いた。
    そして、またお皿を眺めて考え込んでいる。ボソボソと小声で呟いているのは「魚の脂、いやバターか?違うな。炒める油の違いか……」と、完全に味の因数分解に没頭していた。
    わかる。私もすっごく美味しいお料理に出会えた時にやっちゃう。再現できるものならしてみたい!って材料から加熱方法まで一通り想像してみる。何なら、自分で料理して再現してみたことだってある。
    でも、結局はプロのお味には敵わない。使われてた食材も違えば調理用具や環境も違う、そもそもこちらの料理の腕が素人レベルなのだから当たり前といえば当たり前なんだけど、出来上がった料理はたとえ同じ手順を踏んだとしても「あの味」には遠く及ばないのだ。
    そうなると俄然「あの味」が食べたくなる。惚れてしまったというやつ。他の味では代えられない、そのお店だけの味をまた享受したくなる。そういうお店がひとつ、ふたつと増えていき、いつの間にか立派な食い道楽へと成長を遂げてしまったわけだが、私同様、いやそれ以上の食い道楽に育ちそうな大器の片鱗を感じてついニヤニヤしてしまう。
    もう頭の中は味のことでいっぱいなんだろう、私がいること半分くらい忘れてそうな勢いで真剣に考え込んでる。ただでさえ険しい顔がさらに険しくなってるけど、その眼がキラキラしてることは隠せてない。
    良いなあ、こういう「食べること」「味わうこと」に没頭して楽しんでるひと、すごくすごく楽しい。美味しいものが好きな刀は本丸にもいる。一緒にごはんに行くこともある。でも、こんなに食べることそのものを楽しんでいて、見てるこっちまで楽しくなる刀はいなかったかもしれない。
    この間の焼肉食べ放題も楽しかったけど、こんなに幸せそうに食べてくれるならあの居酒屋とかそっちのラーメン屋とかも楽しんでくれそうな気がする。可能なら現世のあのチェーン店とかも連れて行ってあげたいし、また肥前と一緒にごはん食べたいなあ。……って、帰る前から次のこと考えてるなんて、気が早いにも程があるか?

    ちなみに次の機会は意外と早く、それも夜中の本丸の厨という身近な場所で訪れるのだけど、この時の私は何も知らないのであった。
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    kle8tri

    DONEランチ食べにいくひぜさにの話。
    肥前くんに何かうまいごはん食べさせたい気持ちで書きました。
    前に書いたジュンブラひぜさにの過去話です✨
    eat me食べっぷりが良い男が好きだ。
    だって、見ていて気分が良い。好き嫌いを表に出さず、味の良し悪しをうるさく語りもせず、黙々と、でも美味しそうに食べる男で嫌なやつに出会ったことが無い(もちろん女でも)。
    恋愛的な意味で『ちょっと良いな』と思った相手とは、一緒にごはんを食べて人間性を見極めることにしている。実際、食べ物の好き嫌いが多いひとは人間関係でも好き嫌いが多い気がするし、食べ物の好みが似てるひととはなんとなく気が合う。そんな感じで、食への態度≒人間関係の法則はけっこうアテにしているのだ。
    だから、肥前忠広の印象は最初からけっこう良かった。
    好きな献立はあるけど、食卓に並んだものは何でもよく食べる。食事中はひたすら目の前の食べ物を味わうことに集中していて、何も言わないのに『美味しい』と感じていることが判るハッピーな雰囲気をそこはかとなく漂わせている。かといって味オンチというわけでもなく、鶯丸が馬に食べさせようとしていたニンジン(生)のおにぎりは「悪いがこれは食えねえ」と一刀両断していたし、日本号の見つけてくるゲテモノスレスレの珍味も口に合わないものは合わないとはっきり答えていた。
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    kle8tri

    DONEたまにはすけぺじゃないやつ上げとこ。

    RTされたら「ばぁか。いつまでむくれてんだ。ほら、行くぞ。」の台詞を使って書くってやつで練り練りしました!

    これ肥前忠広か?誰だオメー???っていう変な個体ですが、書いてみるとたいへん楽しかったです。
    いや、どこかにいると思うんですよ。にこやかな肥前忠広。
    お客様相手に営業スマイル浮かべたり、迷子に優しく話しかけたりする愛想の良い肥前忠広………
    肥前忠広は愛想が良い。肥前忠広は人当たりの良い刀である。
    言い間違いではない。「いやそれはあり得んわ」という反論がそこかしこから聞こえてきそうなのだが、断じて言い間違いではないのである。
    私とて理解している、肥前忠広といえば無愛想、塩対応、ぶっきらぼう、顔がコワイ、言動が荒い、笑顔なんか見たことないなど、審神者向けSNSでは「人当たりの良い」の正反対の印象ばかりヒットする。「そこがキュート」、「普段寄り付かないくせに、ごはん準備してる時だけソワソワ寄ってくるのがカワイイ」などというご意見も拝見したが、そもそも人当たりが良い刀の筆頭には上がらない刀剣男士であることは、彼を使う多くの審神者さん方と共有できると思う。
    しかし、うちの個体に関しては「そう」なのである。道に迷ってる新人さんを総合案内所までお連れする、木に引っかかってた帽子を持ち主にお届けして喜ばれる、階段で転んだ方をお助けする、他所サーバーから遊びに来たグループに万屋街の美味いお店を紹介して感謝される、等等。同郷の陸奥守吉行と勘違いしてるんじゃないの?という親切エピソードの数々だが、私がこの目で見たので間違い無い。
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