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    第3回 お題「半分こ」 伏五版ワンドロワンライ

    #伏五
    volt5

    「恵さ、前僕にプロポーズした時僕の人生半分背負うって言ってたよね」
    「唐突に何なんですか」
    「なんかふと思い出して」
    「言ってませんね。記憶違いです。あとプロポーズはまだしてません」
    「え~言ったよ~」

    ごろごろとベッドの上を転がる五条の姿は、今から色事に及ぼうとしている人の様には全く見えない。
    伏黒が浴室から戻ってくると、五条は既に全裸にサングラスという傍から見れば異様な格好で布団もかけずにスマホを弄りながら転がっていた。
    その姿は伏黒の欲を煽るというよりも、だらしがないという印象しか与えなかった。

    「ほらあの時さ、人生がどうとか時間どうとかそういうの俺にくれみたいな事なんか言ってたじゃん」

    あの時、とは勢い余って五条に自身の想いを伝えてしまった時のことだろうか、と伏黒は当時の状況を思い返す。

    「まぁ似たような事は言いましたけど」

    伏黒は言葉を紡ぎながら五条が転がるベッドへと腰かけると五条の髪を指で梳く。やっぱりちゃんと乾かしていなかったんだな、と伏黒はひとりごちた。

    「人生半分背負うなんて言ってません。アンタの人生なんて半分にしたところで通常の1人分以上の重さあるんですから、そうそう簡単には宣言できませんよ」

    今は特注のサングラスで覆われ見ることが叶わない類稀なる六眼を、伏黒はサングラス越しに思い描いた。漆黒のレンズで阻まれ外からは反射する景色しか見えないが、内側の視線からは何人たりとも逃れることはできない。

    「えーそこはきっぱり宣言する所じゃないの?」

    五条はそんな伏黒の脳内などつゆ知らず、側に座った伏黒の足にドンとその生乾きの頭を乗せ、下から伏黒の顔を見上げる。その視線はどこを見ているのか、瞼は開かれているのか、伏黒からは判断することはできないはずだが、伏黒はこちらの目を射抜いているのだとはっきり感じていた。

    「だからプロポーズはまだしてないって言ったじゃないですか」
    「いつかしてくれんの?」

    五条の追撃は止まない。一方の伏黒はというと、とうに腹はとうにくくっているというのに、今はまだその時ではないと頑なにその気持ちを口にしない。伏黒は、じれったいという感情を隠そうともしない五条にかわいげを見出してしまい、つい口元がほころびかけてしまうのを必死に耐えながら、再び五条の湿った髪に指を通した。

    「まぁ、アンタ以外とこれからさき生活してくなんて考えられないですから」
    「半分にしたところで1人分より重い人生なのに?」
    「俺の人生の殆ど全部アンタで構成されてるんですから、時が来たらアンタの人生の半分くらいは背負ってやりますよ」
    「それじゃあ僕は恵の悲しみ半分もらって喜び2倍にしてやるよ。僕最強だから」
    「そっちの方がプロポーズっぽいっすね」
    「でしょ」

    合わせた唇は少し待たせてしまったからか、少し冷たくなっていた。
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    kyou99999

    DOODLE第3回 お題「半分こ」 伏五版ワンドロワンライ「恵さ、前僕にプロポーズした時僕の人生半分背負うって言ってたよね」
    「唐突に何なんですか」
    「なんかふと思い出して」
    「言ってませんね。記憶違いです。あとプロポーズはまだしてません」
    「え~言ったよ~」

    ごろごろとベッドの上を転がる五条の姿は、今から色事に及ぼうとしている人の様には全く見えない。
    伏黒が浴室から戻ってくると、五条は既に全裸にサングラスという傍から見れば異様な格好で布団もかけずにスマホを弄りながら転がっていた。
    その姿は伏黒の欲を煽るというよりも、だらしがないという印象しか与えなかった。

    「ほらあの時さ、人生がどうとか時間どうとかそういうの俺にくれみたいな事なんか言ってたじゃん」

    あの時、とは勢い余って五条に自身の想いを伝えてしまった時のことだろうか、と伏黒は当時の状況を思い返す。

    「まぁ似たような事は言いましたけど」

    伏黒は言葉を紡ぎながら五条が転がるベッドへと腰かけると五条の髪を指で梳く。やっぱりちゃんと乾かしていなかったんだな、と伏黒はひとりごちた。

    「人生半分背負うなんて言ってません。アンタの人生なんて半分にしたところで通常の1人分以上の重さあるんです 1190

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