幸せの形晴れ渡った空の下に広がる神覚者授与式会場。観客席を埋めつくした者達の喧騒が、きらびやかで厳かな雰囲気に包まれている。
「それでは今年度の神覚者授与式を執り行います」
司会がそう宣言すると、一瞬、観衆のざわめきが収まった。興奮と期待が混ざりあう空気の中、一人の初老の男が歩み出る。魔法局副局長、ブレス・ミニスターだ。ここにいる全員が、その男の告げる言葉を今か今かと待ちわびていた。
「今年度の神覚者は試験と課外活動の結果から、統合的に評価し厳正に審査した。その結果……」
皆が固唾を飲み見守る。会場が息苦しいほどに静かになった。
「レイン・エイムズを選出する!」
一瞬のどよめきのあと、わっと歓声が轟く。
「おい、史上最年少じゃないか……!」
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